南極観測隊と越冬隊の給料や年収のネタバレ

映画「南極物語」やドラマ「南極大陸」でお馴染みの、南極地域観測隊や越冬隊の給料(給与)や年収のネタバレです。


実話「南極物語」については「南極物語のあらすじとネタバレ」をご覧ください。
■南極観測隊・越冬隊・船員の身分
第1次南極観測隊および第1次越冬隊は全員、公務員扱いとなり、給料は階級によって決まる。
第1次南極観測隊では、民間人も参加していたが、一時的に身分は文部省の技官(公務員)として扱う。南極観測船「宗谷(そうや)」の船員の給与は、南極観測隊と等々に扱う。
■南極観測隊の給与
南極観測隊の給与は、「船上での日当(旅費日当)」「南極での日当(旅費日当)」「特殊勤務手当(極地手当)」の3つで構成する。
このうち、旅費日当と極地手当の2つは重なることがあるが、「船上での日当」と「南極での日当」の2つは重ならない。
なお、航空機に搭乗した隊員に対しては、別途「航空手当」を支給する。
■特殊勤務手当について
特殊勤務手当とは、南緯55度以南に滞在する間に支給する極地手当である。特殊手当は、日当とは別に支給する手当で、南緯55度以南では旅費日当と特殊勤務手当とを支給する。
特殊勤務手当は、日本水産株式会社の南氷洋捕鯨船団の船員の最低保障平均額を参考に、6級を1250円とする。
最高階級の13級については、戦時中のの日本陸軍における高等文官戦地増俸を参考とし、2470円とする。特殊手当は高額な支給になるが、南極での勤務は戦地よりも劣悪である想定し、高等文官は戦時勤務時は恩給法で有利になったことを考慮した。
■外国旅費
「国家公務員等の旅費に関する法律」41条に基づき、文部省は全ての隊員に学国旅費(旅行手当)を一括で支払う。
■備考
第1次南極観測隊が日本を出発した1956年(昭和31年)の初任給は約1万円で、日本の国家予算は約1兆円だった。
下記の表で南極観測隊や越冬隊の給料を紹介するので、年収や月給への換算は各自でして下さい。

南極観測隊(夏隊)の給与(150日勤務)
階級船上での日当南極での日当特殊勤務手当総額
13級1400円×110日1760円×40日2470円×80日42万2000円
12級1240円×110日1550円×40日2240円×80日37万7600円
11級1240円×110日1550円×40日2030円×80日36万800円
10級1080円×110円1350円×40日1840円×80日30万6400円
9級から7級は省略
6級860円×110日1080円×40日1250円×80日23万7800円
越冬隊の給与(550日勤務)
階級船上での日当南極での日当特殊勤務手当総額
13級1400円×110日1760円×400日2470円×440日194万5800円
12級1240円×110日1550円×400日2240円×440日174万2000円
11級1240円×110日1550円×400日2030円×440日164万9600円
10級1080円×110円1350円×400日1840円×440日146万8400円
9級から7級は省略
6級860円×110日1080円×400日1250円×440日107万6600円

なお、一部報道によると、現在の南極観測隊の給料は、階級によって違うが、一度の越冬で1000万円を超える隊員も居るとのこと。
ドラマ「南極大陸」の登場人物のモデルは「南極大陸のモデル」をご覧ください。お薦めの原作は「お薦めの原作」をご覧ください。

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コメント欄

南極越冬隊の家族です。南極大陸のドラマの影響でちらほらお給料の話を書いている人がいますが、はっきりいって、日本の平均年収未満です。立場によって違うみたいですが、少なくとも二度行けば家が建つほどもらっている人は一人もいないでしょう。一体何を根拠にいっているのか、甚だ腹立たしくなります。
念のため、ブログの記事にケチをつける気はありませんが、ドラマと事実の比較をされている中で、給料に対する変な誤解は、非常に不快なため、コメントさせていただきました。

  • 投稿者-
  • 越冬隊の家族

コメントありがとうございます。管理人です。一部の隊員について書いたつもりですが、現在の越冬隊のメンバー全員が高給を貰っているような印象を与える文章になっていたので、訂正しました。ご迷惑をおかけしました。
また、現在の越冬隊の給与について、47ニュースの2010年2月23日付けの記事「南極長者」の一文を引用しておきます。
『1年4カ月も南極にいると、帰国すれば1年4カ月分の給料がそのまま残っている。南極では金を一切使わない。大学教授、公務員など給料に南極手当に越冬手当が加算されると帰国時には数百万円、中には一千万円を越える人もいる。中にはもう2回も3回も越冬している強者もいる。だから「何回越冬すれば家が建つ」みたいな話しもかつてはあった(引用)』

  • 投稿者-
  • 管理人

返答くださりありがとうございます。家族に確認したところ、現在は極域手当のみのようです。階級があるみたいですが、ポスドクの家族は一番下の日当2000円です。ちなみに、年収は一般的なポスドクの年収より、安いです。下手すると100万以上違う場合もあるかもしれません。越冬隊長などは、極地研の教授がなりますが、普通の国公立の年収と変わらないはずです。ただその他の職種の方々がどれ位のお給料かはわかりません。あと、確かに独身の方々はお金を使わないのでたまる一方ですが、家族を日本に残している場合は、当然ながらたまりません。なので、生活がかかっている身としては、貯蓄できる方々がすごくうらやましいです。

  • 投稿者-
  • 越冬隊の家族

改めて、自分のコメントを読み返してみると、管理者様にも不快感を与えてしまったと思い、反省してます。すみませんでした。
ドラマに対し、実際を知っている人は、あまりもの違いに怒っている旨の話を聞いていたので、管理者様の記事は、参考になると同時に、解る人は解るんだ、という思いで読ませていただいてました。だからこそ、2chなどで書かれていた同様の内容が、お給料に関して書かれていたので、とてもショックで、つい、あのようなコメントを書いてしまいました。本当にごめんなさい。

  • 投稿者-
  • 越冬隊の家族

コメントありがとうございます。越冬隊の家族様のコメントは、現実の越冬隊の状況を知ることが出来る貴重なご意見だと思います。
お金が目当てで南極へ行くポスドクは居ないでしょうが、生活するためにはお金が必用なので、切実な問題だと思います。
第1次越冬隊員の北村泰一さんは著書「南極越冬隊タロ・ジロの真実」のなかで、給料は月額1万600円だったと紹介しています。昭和30年ごろの大卒初任給が約1万円なので、越冬隊の給料の安さが分かります。
そういう優遇されない人達の努力によって日本は支えられている、という事をドラマでも描いて欲しいのですが、そういう事を取り上げてくれるドラマは少ないです。
それで、私は、何かの参考になればと思い、ドラマでは取り上げられない事実・実話についても紹介するようにしております。

  • 投稿者-
  • 管理人