ドラマ「南極大陸」と実話「南極物語」の違い

キムタクことSMAPの木村拓哉が主演するTBSの南極越冬ドラマ「南極大陸」の第2話の感想と実話「南極物語」との違いや比較のネタバレです。

第2話のあらすじとネタバレは「南極大陸 第2話のあらすじとネタバレ」をご覧ください。実話「南極物語」のネタバレについては「実話『南極物語』のあらすじとネタバレ」をご覧ください。

さて、ドラマ「南極大陸」の第2話を観て、知り合いが誤解していたので、実話「南極物語」と比較しておく(映画との比較ではなく、ドラマと実話との比較です)。

ドラマ「南極大陸」では日本を出発した後に南極観測船「宗谷」の船内で越冬計画が了承されたことになっているが、実話では日本に居たときに越冬計画が決定していた。

実話では、出発まえに越冬計画は決まっており、第1次南極観測隊は十分に越冬の準備をしていた。そして、実際に越冬するかしないかは、南極に到着後に荷揚げの状況などから判断して、第1次南極観測隊の隊長・永田武が決定することになっていた。

実話でも、南氷洋に到着した第1次南極観測隊が第1次越冬隊のメンバーを発表しているので、勘違いしやすいが、越冬計画自体は日本にいたときに決まっていた。この辺りの実話の経緯を少し紹介しておく。

ドラマ「南極大陸」でも第1次南極観測隊のことを「予備隊」と呼んでいたように、第1次南極観測隊は元々「予備観測隊」という名称で、予備観測隊に越冬する予定は無かった。

第2次南極観測隊を「本観測隊」と呼び、本観測隊が南極で越冬する予定だった。予備観測隊は南極に昭和基地を建設することが本来の目的だった。

しかし、予備観測隊に加わった西堀栄三郎が越冬を強く主張し、予備観測隊が越冬する計画が出来た。

(注釈:西堀栄三郎は、星野英太郎(香川照之)のモデルになっている人。その他のモデルは「南極大陸のモデル」をご覧ください。)

南極観測事業は国家事業であり、ドラマ「南極大陸」のように電文1本で越冬計画の許可が下りるわけはなく、お役所が相手になるので、何をするにも山のような書類が必用になる。

ドラマ「南極大陸」の第1話で日本鋼管浅野ドッグが宗谷を砕氷船(南極観測船)に改造した。ドラマでは頼んだら引き受けてくれた事になっているが、実話では宗谷を改修工事する入札が行われており、日本鋼管浅野ドッグが落札しているのである。

ドラマ「南極大陸」はドラマなので倉持岳志(木村拓哉)が頼んで、日本鋼管浅野ドッグが引き受けてくれたストーリーでも良いと思うが、南極観測事業は税金を使った国家事業なので、実話は事務的な手続きが多い。

さて、越冬計画は日本に居るときに出来ており、第1次南極観測隊は越冬を前提として準備を進めていた。食料は勿論のこと、南極で越冬するために、色々な物を開発した。

越冬生活でビタミン類が不足するため、ロッテは栄養を補給するガムを開発した。ガムを着色したのは、遭難時に目印とするため。このガムが「クールミントガム」の前身となっている。その名残で、ロッテのクールミントガムにはペンギンの絵が描かれている。

また、タバコも南極でもしけらないように、缶に入れた。「缶ピース」という缶に入ったタバコが既に売られており、色々な銘柄のタバコを「缶ピース」のように缶に入れた南極仕様のタバコになった。JTがまだ日本専売公社だった時代の話しである。

また、予備観測隊は、1年間も越冬する越冬隊の隊員の精神衛生面を考慮して、南極1号「弁天さん」も準備していた。

それに、第1次越冬隊のメンバーも出発前にある程度、決まっており、西堀栄三郎は家族との面談も済ませていた。

それに、越冬するにも労働契約を結ばなくてはならないし、生命保険や損害保険にも加入する必用がある。

南極観測隊の給料については以前に紹介したので、「南極観測隊と越冬隊の給料のネタバレ」をご覧頂くとして、第1次南極観測隊の保険会社を紹介しておく。

第1次南極観測隊の生命保険を引き受けたのは富国生命で、損害保険は住友海上を主幹とする18社の共同保険だった。ドラマ「南極大陸」は倉持岳志(木村拓哉)の情熱で苦難を乗り切っているが、実話「南極物語」は極めてシビアなのである。

話しを戻す。南極観測隊は越冬の準備して日本を発ったが、越冬自体には「現地の条件が整えば許可する」という条件が付いており、越冬するかしないかについては、南極観測隊の隊長・永田武が現地で判断することになっていた。注意:永田武は白崎優(柴田恭兵)のモデルとなる人物。

越冬隊を成立する条件は「昭和基地(越冬小屋)を建設する」「通信を開通する」「十分な荷物を荷揚げする」などで、実話の第1次南極観測隊はこういう条件をクリアーして越冬することになる。

ちなみに、南極観測船「宗谷」が南極を離れる日は、計画書で決まっていた。天気が良いので、もう1日だけ荷揚げをしよう、などとはならない。「○月○日までに離岸せよ」と書いてあれば、状況に関係無く宗谷は離岸する。国家事業とはそういうもの。

だから、ドラマ「南極大陸」のように、南氷洋に着いてから突然、南極で越冬させてください、などと言っても許可されるはずがないのである。「南極大陸の第2話の感想の後編」へ続く。