樺太犬タロ・ジロはソ連(ロシア)に助けられていた

樺太犬タロ・ジロが生きていた実話「南極物語」のあらすじとネタバレ「樺太犬タロ・ジロはソ連(ロシア)に助けられていた」編です。

実話「南極物語」のあらすじとネタバレは「実話『南極物語』のあらすじとネタバレ」をご覧ください。

第2次南極観測隊の隊長・永田武は越冬隊を残すことに失敗し、オングル島にある昭和基地に樺太犬タロ・ジロ・リキなど15頭を置き去りにした。

翌年、第3次南極観測隊が昭和基地を訪れたとき、死んでいるだろうと思われていた樺太犬15頭のうちタロ・ジロの生存が確認された。

この話しは映画「南極物語」でも有名である。当然、昭和基地には誰も残っていないので、置き去りになった樺太犬の行動はフィクションで、樺太犬タロ・ジロがどうやって生き延びたかは謎である。

しかし、置き去りになった樺太犬タロ・ジロを目撃していたという人物が居たのである。それがソ連(ロシア)隊である。

実はソ連隊の飛行機が給油するために昭和基地に降り立ったさい、偶然、首輪を抜け出した2頭の樺太犬を発見した。そして、ソ連隊が樺太犬に餌を与えていた。どうやら、この樺太犬がタロ・ジロらしいのだ。

この話は南極地域観測隊の元隊長・村山雅美が1988年(昭和63年)1月9日にソ連のマラジョージナヤ基地(マラ基地)へ立ち寄ったさい、カバロフ隊長から聞いた話しである。

カバロフ隊長は「1958年(昭和33年)から1959年にかけて、給油のために無人の昭和基地に立ち寄ったさい、大きな黒い犬2頭の出迎えを受けた。犬に生肉を与えたら、大喜びだった」と話したという。

(注釈:村山雅美は南極地域観測隊に7度参加し、第9次では隊長として、1968年(昭和43年)12月19日に日本人として初めて南極点に到達した人物。)

さて、日本とソ連(ロシア)は南極観測について非常に関係が深い。日本はノックス海岸での観測を希望していたのだが、第1回南極会議でノックス海岸をソ連に取られてしまった。

ソ連がノックス海岸に建設したのがミールヌイ基地で、後に日本がオングル島に昭和基地を建設している。

それに、日本の南極観測船「宗谷」は元々、ソ連が注文した「ボロチャエベツ号」という船だった。

日本は戦争の影響で契約を破棄して、ボロチャエベツ号は商船「地領丸」として竣工した。そして、特務艦などをへて、宗谷は南極観測船となった。ソ連の注文がなければ、宗谷は誕生していなかったのである。

また、第1次南極観測船「宗谷」は復路で、ソ連の砕氷艦「オビ号」に助けてもらった。このとき、オビ号は救援要請からわずか3日で駆けつけている。これにも少し裏話がある。

実は、このとき、ソ連のオビ号は、完成したばかりの昭和基地に遊びにこようとしていたから、近くに居たのだ。

オビ号は宗谷に乗っている第1次南極観測隊の隊長・永田武に、「遊びに行くから、正式に招待してください」と電報で要請し、永田武が「正式に招待します」と電報で招待していた。

そして、ソ連の砕氷艦「オビ号」が昭和基地を目指しているところで、南極観測船「宗谷」が救助を求めたのである。

(厳密に言うと、オビ号は他の仕事が入ったため、昭和基地訪問を中止し、昭和基地を素通りして西へ向かおうとしていた。)

このとき、遊びに来るというのは名目で、ソ連のオビ号は昭和基地に中継地点「デポ」を建設して、補給用の燃料を荷揚げしようとしていた、という噂もある。

このように、日本とソ連は非常に関係が深く、ソ連隊が樺太犬タロ・ジロを発見したのも、何かの縁だったのではないかと思う。

さて、樺太犬タロ・ジロと再開した第1次および第3次越冬隊の北村泰一は、生きていたタロ・ジロについて「丸々と太っていた」と証言している。

南極で太るには相当なカロリーが必用になる。人間の場合であれば、日本に居るときの2倍以上のカロリーが必用になる。したがって、樺太犬も2倍以上のカロリーがは必用であろう。

動物学者らによると、樺太犬タロ・ジロはアザラシの糞やペンギン食べて生き延びていたとされるが、それだけで太るほどのカロリーが摂取できるのだろうか。かなり疑問である。

しかし、ソ連人が携帯用の保存食などを樺太犬タロ・ジロに与えていたとすれば、十分に太るだけのカロリーが消費できると思う。

いずれにせよ、昭和基地にソ連隊の燃料デポがあり、昭和基地が無人になっている間に、お隣のミールヌイ基地からソ連隊が飛行機でやってきた。そのとき、ソ連隊が樺太犬2頭を発見して、餌をあげたということ。

当時のソ連隊の人はもう死亡しているだろうから、真相は不明だが、ソ連隊が餌をあげた話しは、かなり真実味のある話しなのである。

時々、フランス隊が樺太犬タロジロを保護していたという話しも聞くが、フランス隊が保護したとする資料は見たことがない。

おそらく、このソ連隊がタロ・ジロに餌をあげた話しが、どこかでフランス隊に成ってしまったのではないかと思われる。フランス隊のエピソードは「フランス隊が樺太犬タロ・ジロを保護していた」をご覧ください。