僕のいた時間-最終回と結末のあらすじとネタバレ後編

多部未華子が出演するフジテレビの筋萎縮性側索硬化症(ALS)ドラマ「僕のいた時間」の第11話(最終回)「命の選択」のあらすじとネタバレの結末ネタバレ編です。

このページは「僕のいた時間-最終回のあらすじと結末ネタバレ」からの続きです。

■僕のいた時間-最終回のあらすじとネタバレ後編
そうこうしていると、時間になり、澤田拓人(三浦春馬)の講演が始まった

澤田です。よろしくお願いします。誰もが一度は考えた事があると思います。自分は何のために生まれてきたのか。病気になる前の僕は、特に目標が無く、漠然と毎日を過ごしていました。自分というものが無くて、家族にも本音を隠し、いつだってキャラクターを演じている自分が好きじゃありませんでした。

大学4年の終わりに、同級生が自殺しました。理由は分りませんが、彼は就職が決まっていませんでした。僕は大きな衝撃を受けましたが、死というものは人ごとでした。僕の人生は、まだまだ当たり前に続くと思っていたから。

そんな僕が病気を告知されたのは、社会人1年目の時です。ALS(筋萎縮性側索硬化症)という筋肉が萎縮していく病気です。

最初は左手に違和感を覚えました。物が掴みづらいなど。次第に左手に力が入らなくなり、左腕が上がらなくなり、左足が動かなくなりました。右手は、今もまだ少し動かせますが、腕は上がらず、右足も動かせず、歩くことも立つことも出来ません。

いつか、物を飲み込んだり、呼吸することも出来なくなります。呼吸が出来なくなったら死んでしまうので、人工呼吸器という呼吸を補助する機械が必要になります。

人工呼吸器を付けると喋れなくなります。喋れなくても、顔や体の筋肉の一部を動かす事ができれば、センサーでパソコンを打つことができ、自分の気持ちを伝えることが出来ます。

どこも筋肉を動かすことが出来なくなったら、自分の意思を伝えられないかも知れません。それで、生きている実感を持てるのか、分りません。人工呼吸器を一度付けたら、外すことは出来ないのです。

僕はこの病気になって、何度も覚悟をしてきました。病気を周りの人に話そうと決めたとき、病気を受け入れて今を生きようと決めたとき、左腕が全く使えなくなったとき、歩けなくなったとき、仕事が出来なくなったとき。

僕は沢山の物を病気に奪われてきました。奪われていくことに目を向けても、怖いばかりで、今できる事に目を向けるしかありませんでした。目標を見つけては失うことの繰り返しです。

今は大学の医学部に入学するのが目標です。合格するのに、何年かかるのか分らないし、いつまで目指せるのか分りませんが、僕が今、医学部に入学したいという気持ちだけは、病気には奪えません。

この先、全ての目標を奪われたとしても、僕が目標に向かって生きたという事実も奪われないのです。

それに、病気から与えられたのは、苦しみや絶望だけではありません。僕は人の温かさを知りました。

家族と真正面から向き合え、ワガママを言えるようになりました。愛情を信じられるようになりました。自分の事が、ちょっと好きになりました。自分が持っている幸せにも、気づかせてくれました。

こうやって喋れること。歩けること。走れること。食べられること。笑えること。ふれあえること。風を感じること。太陽の光に包まれること。今、生きていること。この世に生まれてきたこと。

僕は今、新たな覚悟をしなければ、成らなくなりました。人工呼吸器を付けるか、付けないか。死ぬのも怖いし、生きるのも怖い。死ぬ覚悟も、生きる覚悟も簡単にはできません。

周りの人は、僕が生きていてさせくれれば、それでいいと言います。家族や大切な人のためだけに生き続けることが出来るのか、自分の意思を伝えられない状態で生き続ける事が出来るのか。それは全く分りません。

ただ1つ分っている事は、僕がどんな状態になっても、僕が愛とぬくもりに包まれていると言うことです。家族、友人、先輩、主治医の先生、病院のスタッフの皆さん、介護スタッフの皆さん、そして、いつも僕の隣に居てくれる彼女。

僕は愛と温もりだけで生き続ける事ができるのだろうか。それだけで、僕は生きている意味を感じる事が出来るのだろうか。僕は何も出来ない。生きているだけで手がかかります。排泄、入浴、食事、痰の吸引。それでも生きていて良いんだろうか。そのことをずっと考えてきました。

僕が生きているだけで、周りの人が生きがいを感じてくれるんじゃないか。僕が生きているだけで、生きる意味を社会に問いかけ続ける事が出来るんじゃないか。

じゃー、生きているだけの状態で、僕が僕であり続けるには、どうすれば良いんだろうか。そうなったときには、僕を支えてくれるのは、それまで生きた時間、僕の居た時間なんじゃないかって。

僕は覚悟を決めました。生きる覚悟です。いつか、その日が来る時のために、今を全力で生きていきたいと思います。

今日は、このような場を与えて頂き、心から感謝しています。みなさなんにお会いし、新しい目標を見つける事が出来ました。これからも、今日のように、自分の思いを伝えて行けたらなと思います。今日はどうもありがとうございました。

澤田拓人(三浦春馬)の講演が終わると、会場は拍手に包まれた。澤田美和子(原田美枝子)は喜び、澤田昭夫(小市慢太郎)は「拓人は私たちの誇りだ」と感心した。

その日の夜、澤田拓人(三浦春馬)はノートに「コウエンリョウをいただいた。三千円。今も社会とつながっている」と書いた。

翌日、澤田拓人(三浦春馬)は谷本医師(吹越満)に「人工呼吸器を付けることにしました。よろしくお願いします」と告げると、谷本医師(吹越満)は「はい。これから先、ALS(筋萎縮性側索硬化症)との付き合いはとても長くなります。ALSの敵だと思わないでください。自分の一部だと思って、生きていきましょう」と答えた。

そして、谷本医師(吹越満)は澤田拓人(三浦春馬)と本郷恵(多部未華子)に、センサーを使って会話できるパソコンの説明した。

あらかじめ、「あ」から「ん」までの声を登録しておくと、パソコンでそれを合成し、会話できるのだという。

本郷恵(多部未華子)がパソコンに感心し、「先生、これって…」と質問したが、谷本医師(吹越満)は窓から外を見ており、本郷恵(多部未華子)の声に気づかなかった。

本郷恵(多部未華子)が「先生」と呼びかけると、谷本医師(吹越満)は「春ですね」と答えた。

本郷恵(多部未華子)と澤田拓人(三浦春馬)が窓の外を見ると、満開の桜が咲いていた。

ある日、澤田拓人(三浦春馬)が以前、働いていた家具屋「宮前家具」で「障害者雇用の雇用に向けて」という勉強会が開かれた。澤田拓人(三浦春馬)はアドバイザーとして勉強会に招かれていた。

澤田拓人(三浦春馬)は、勉強会の司会をしていた宮下(近藤公園)の社員証のストラップが青くなっていたのを見て喜んだ。

青いストラップは正社員を表しており、宮下(近藤公園)はアルバイトから正社員に昇格していたのだ。

その日の夜、本郷恵(多部未華子)が唐揚げを作ってくれた。澤田拓人(三浦春馬)はノートに「さいごのカラアゲを食べた」と書いた。

翌日、澤田拓人(三浦春馬)は「メグ、また海に行きたいな。瓶を埋めない?」と提案すると、本郷恵(多部未華子)は「うん」と答えた。

澤田拓人(三浦春馬)が「新しいメッセージを書こう」と提案すると、本郷恵(多部未華子)は「また、3年後の自分に?」と尋ねた。

澤田拓人(三浦春馬)が「俺は3年のメグに」と答えると、本郷恵(多部未華子)は「私は3年後の拓人に」と答え、それぞれが手紙を書いた。

澤田拓人(三浦春馬)は「絶対にメグには内緒な」と言い、澤田陸人(野村周平)に手紙を折りたたんでもらうと、本郷恵(多部未華子)は2人の手紙を一緒に瓶の中に入れた。

そして、2人は思い出の海岸を訪れ、穴を掘って瓶を埋めた。

3年後のある日、本郷恵(多部未華子)が帰宅すると、澤田拓人(三浦春馬)の「お帰り」という声がした。

澤田拓人(三浦春馬)は人工呼吸器を付けており、声を出せなくなっていたが、左目の下に付けたセンサーで、パソコンに録音しておいた声を合成し、本郷恵(多部未華子)と会話した。

本郷恵(多部未華子)が「陸人君(野村周平)、今日、大学の子とご飯を食べに行くっていってじゃない。なんか、相手の子、女の子みたいよ」と話すと、澤田拓人(三浦春馬)は「マジで?」と驚いた。

本郷恵(多部未華子)が「さっきメールが来たの」と言い、携帯電話のメールを見せると、メールには「兄さんとメグさんは、大学の時、割り勘だった?」と書いてあった。

本郷恵(多部未華子)が「そうだ。今週の講演会、着いたら直ぐに1時間くらい打ち合わせしたいって。いいよね。っていうか、もう『いい』って言っちゃったんだけど」と告げると、澤田拓人(三浦春馬)は「やだ」と答えた。

本郷恵(多部未華子)が「えー?」と驚くと、澤田拓人(三浦春馬)は「嘘」と答えた。本郷恵(多部未華子)は「なんだ、もうー。ビックリした」と安心した。

壁には「ALSとともに生きる」という紙が貼っており、週間カレンダーには「難病患者の会、ゲストスピーカー」などと予定が書き込んであった。

また、医学部の合格書が壁に飾ってあり、棚にはウエディングドレスを着た本郷恵(多部未華子)と澤田拓人(三浦春馬)が写った写真が飾ってあった。

その隣には、ワンボックスカーでコーヒー店を始めた水島守(風間俊介)と村山陽菜(山本美月)の写真もあった。水島守(風間俊介)は笑顔で赤ちゃんを抱いていた。

ある日、澤田拓人(三浦春馬)と本郷恵(多部未華子)は思い出の砂浜を訪れ、3年前に埋めた瓶を掘り出し、手紙を取り出した。

本郷恵(多部未華子)が1つ目の手紙を開くと、本郷恵(多部未華子)が書いた手紙だった。手紙には「拓人へ。私の隣に居てくれて、ありがとう。恵より」と書いてあった。

本郷恵(多部未華子)が2つ目の手紙を開くと、「メグへ。オレのとなりにいてくれてありがとう。拓人より」と書いてあった。

本郷恵(多部未華子)は「一緒だ」と喜んだが、澤田拓人(三浦春馬)はパソコンが無いので何も答えられなかった。

すると、本郷恵(多部未華子)は澤田拓人(三浦春馬)の手を握り、一緒に海を眺めた。2人の左手薬指には指輪が見えていた。

僕のいた時間-最終回の感想は「僕のいた時間-最終回の感想」をご覧ください。

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