黒田長政と岐阜城の戦い-関ヶ原の戦い前哨戦

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の主人公となる黒田官兵衛の生涯を実話で描く実話「軍師・黒田官兵衛(黒田如水)」のあらすじとネタバレ関ヶ原の戦い編「黒田長政と岐阜城の戦い-関ヶ原の戦い前哨戦のあらすじとネタバレ」です。

このページは「黒田長政と福島正則の美濃攻め-竹ヶ鼻城の戦い」からの続きです。

実話「軍師・黒田官兵衛(黒田如水)」のあらすじとネタバレ目次は「実話-軍師・黒田官兵衛(黒田如水)-あらすじとネタバレ」をご覧ください。

■黒田長政と岐阜城の戦い
清洲城に集結した東軍の諸将は、江戸から動かない徳川家康の出陣を促すため、2手に別れて美濃(岐阜県)へと攻め込んだ。

西軍・岐阜城の城主・織田秀信は、尾越川(木曽川)で東軍を防ぐため、4000の軍勢で打って出たが、東軍・池田輝政は1万8000という大軍だったので、織田秀信は東軍を防ぐことが出来ず、岐阜城へと逃げ帰り、大垣城に集結した西軍に援軍を求めた。

慶長5年(1600年)8月22日、尾越川(木曽川)の川上から美濃(岐阜県)へと侵攻した東軍・池田輝政と、川下から美濃へと侵攻した東軍・福島正則とが、岐阜城を囲んだ。岐阜城大手門の先鋒は福島正則が務め、岐阜城裏門の先鋒は池田輝政が務めた。

このとき、東軍・福島正則と共に川下から尾越川(木曽川)を渡って美濃へと侵攻した黒田長政は、大垣城に集結した西軍からの援軍を防ぐため、福島正則と別れて慶長5年(1600年)8月23日未明に岐阜の町口に布陣した。

さて、東軍・福島正則は岐阜城を攻め立てたが、岐阜城は堅城のうえ、敵将・木造左衛門(木造長政)が巧みに寄せ手を防いでいたため、福島正則は岐阜城を攻め崩せなかった。

しかし、敵将・木造左衛門(木造長政)が鉄砲に撃たれて倒れると、岐阜城の守りは急に弱くなり、福島正則は勢いに乗じて岐阜城の二の丸まで攻め込んだ。

一方、搦め手から攻める池田輝政は、岐阜城の元城主だった事もあり、裏から天守閣の下まで攻め込んでいた。

追い詰められた岐阜城の城主・織田秀信は観念して自害しようとしたが、家老に止められ、降服を願い出た。こうして、堅城といわれた岐阜城は、わずか1日で落城したのである。

さて、岐阜城の城主・織田秀信は、幼名を「三法師」と言い、織田信忠の嫡男にして、織田信長の摘孫であり、織田信長が本能寺の変で討たれた後、羽柴秀吉に擁立され、3歳にして織田家の家督を相続した三法師が、この織田秀信である。

先陣の福島正則が降服した織田秀信を受け取ると事になったが、池田輝政は元は織田信長の家臣だったので織田秀信を尊敬しており、本丸の下まで攻め入ったいたことを理由に「私が織田秀信を受け取る」と主張し、福島正則と喧嘩を始めた。

しかし、井伊直政と本多忠勝の仲裁により、予定通り、福島正則が織田秀信を受け取ることになった。

その後、織田秀信は福島正則の預かりとなり、清洲城に留め置かれた。そして、福島正則が徳川家康に助命を請うたため、織田秀信は切腹は免れて高野山へと送られた。

ただ、織田秀信は高野山へ入ったものの、高野山は織田信長と対立していたため、織田秀信を高野山から追放した。(注釈:織田信長は比叡山焼き討ちなどをしており、高野山も包囲していた。)

■黒田長政の岐阜城の戦い
さて、東軍の黒田長政・藤堂高虎・田中吉政は、岐阜城を攻める福島正則らと別れ、大垣城(岐阜県大垣)から来る西軍の援軍に備えて、慶長5年(1600年)8月23日未明に岐阜の町口に布陣した。

しかし、黒田長政は「大垣から援軍が来なければ、大垣の援軍とも戦えないし、岐阜城の敵とも戦えない。まだ、大垣から援軍は出ていないうちは、岐阜城を攻めている軍勢に加わる。大垣の援軍が出発したら、戻ってくるので直ぐに知らせに来るように」と言って大垣城に偵察を送ると、持ち場を放棄して岐阜城を目指した。

黒田長政は夜中に進軍したが、地理に不慣れだったので、明け方になってようやく岐阜城の城下町へと到着したが、東軍の小荷駄隊(物資輸送部隊)が岐阜の城下町に充満しており、黒田長政は岐阜の城下町を通る事が出来なかった。

このため、黒田長政は迂回路して岐阜城にたどり着いたが、既に岐阜城の城主・織田秀信は東軍の福島正則らに降服しており、戦いには参加できなかった。

岐阜城の城主・織田秀信は大垣城に援軍を求めていたが、岐阜城は援軍の到着まで持ちこたえられなかったのである。

そこへ、大垣城から援軍が出発したという知らせが届く。知らせを受けた黒田長政は、慶長5年(1600年)8月23日に岐阜城の城下町を出て、合渡川(木曽川)をめざし、長良川の堤防沿いに兵を進めた。

そして、大垣城の西軍に備えて岐阜の町口に布陣していた藤堂高虎・田中吉政らも黒田長政に合流し、合渡川(木曽川)を目指したのだった。

実話「軍師・黒田官兵衛(黒田如水)」のあらすじとネタバレの九州の関ヶ原の戦い編「黒田長政が黒田三左衛門に激怒-毛付の功名のあらすじとネタバレ」へ続く。

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