ようこそ我が家へ-原作のあらすじと犯人ネタバレ

池井戸潤の原作小説「ようこそ、わが家へ」のあらすじとネタバレを含むあらすじと犯人ネタバレ読書感想文のあらすじとネタバレ編です。

このページには池井戸潤の原作小説「ようこそ、わが家へ」のあらすじや犯人・結末のネタバレが含まれてします。あらすじ・犯人・結末などのネタバレを知りたくない人は閲覧にご注意ください。

■ようこそ、わが家へ-原作のあらすじとネタバレ
青葉銀行に勤務する銀行員・倉田太一は競争心がなく、出世レースに参加していなかったため、定年前に融資先の中小企業・ナカノ電子部品に出向し、ナカノ電子部品で総務部長として働いていた。

ある日、倉田太一は順番を守らずに電車に乗り込もうとした男性を注意した。それが切っ掛けで、倉田太一は自宅の花壇を荒らされたり、ポストに瀕死の子猫を入れられたり、夜間に誰かに見張られたりし、自宅へのストーカー被害が始まった。

一方、出向先のナカノ電子部品では、倉田太一の部下・西沢摂子が、営業部の真瀬部長が出張経費の2重取りをしていることを突き止た。

倉田太一に部下・西沢摂子に尻を叩かれて真瀬部長の不正を追求しようとしたが、真瀬部長はやり手の営業マンで弁が立つため、倉田太一は反対にやり込められて引き下がってしまう。

さて、ナカノ電子部品は棚卸し(在庫のチェック)を年に1回しかしていなかったが、倉田太一は経理の精度を上げるために、月に1回、棚卸しをすることに変更し、その棚卸しで2000万円分のドリルの在庫が不足している事が発覚する。

倉田太一は、相模ドリルから2000万円分のドリルを購入した営業部の真瀬部長から事情を聞こうとしたが、相手にされなかった。

翌日、倉庫係から在庫のドリルが見つかったという連絡が来る。原因は単なる見落としだったのだという。しかし、部下・西沢摂子は、棚卸しの時にはドリルは絶対に無かった証言する。

倉田太一が倉庫へ行ってドリルを確認すると、ドリルはやけに汚れていた。倉田太一はトリルの知識がないので、倉庫に来た配送係にドリルを見てもらうと、このドリルは型の古い再生品で、全く価値は無いと教えてくれた。

単なる配送間違いとう可能性もあり、倉田太一は部下・西沢摂子と話し合い、真瀬部長にドリルの配送間違いを指摘した。

すると、翌日、相模ドリルから注文通りのドリルが送られてきた。倉田太一は「本当にただの配送間違いだったのかもしれない」と困惑する。

それでも、部下・西沢摂子は「出張費の2重取りをしていたのだから、賄賂を受け取っている可能性がある」と言い、真瀬部長を追求する姿勢を崩さないため、倉田太一は青葉銀行で真瀬部長の銀行口座を調べることにした。

しかし、真瀬部長の銀行口座は青葉銀行には無かった。以前、真瀬部長は青葉銀行にクレジットカード作成を断られたことがあり、激怒した真瀬部長は青葉銀行の口座を解約し、他の地銀へと移したため、真瀬部長だけ給料の振込先が青葉銀行ではなかったのだ。

クレジットカードが作れなかったということは、真瀬部長は多重債務者の可能性もあり、ますます怪しくなってきた。

そのようななか、営業部の真瀬部長から、新規取引先・イーグル精密についての審査依頼が来る。真瀬部長が問題のドリルを販売すると言っていた新規の取引先だ。

決済方法が全額手形だったので、倉田太一は青葉銀行へ行ってイーグル精密について調べると、イーグル精密は2期連続の赤字を計上しており、倒産間近であることが分った。

倉田太一は真瀬部長にイーグル精密との取引中止を要請するが、反対に「数字しか見ない銀行的なやり方」と批判されてしまう。そのうえ、持川社長からイーグル精密との取引の許可を得ているのだという。

倉田太一は、持川社長に取引の中止を直訴したが、持川社長は「イーグル精密は三和エレキにM&Aで買収され、優良企業になる」と言い、倉田太一の情報不足を叱責した。

持川社長は、真瀬部長からM&Aについて報告を受けており、また、以前から付き合いのある金融屋・野口からもM&Aの情報を得ているのだという。M&Aの件を知らなかった倉田は謝罪して引き下がる。

さて、倉田家への嫌がらせは止まらず、車を傷つけられたため、倉田太一は防犯カメラを取り付けた。さらに、倉田家から盗聴器が見つかり、犯人は室内に侵入していた事も判明する。

そこで、息子・倉田健太は、盗聴器が仕掛けられている事を逆手にとり、犯人に偽の家族旅行の情報を聞かせ、犯人を自宅におびき寄せる作戦に出た。

作戦の日、倉田太一と息子・倉田健太が自宅で待ち構えていると、犯人が現れたので、取り押さえようとしたが、息子・倉田健太は犯人に刺されてしまう。

息子・倉田健太は急所を外れたので命には別状は無く、犯人も警察の緊急配備にひっかかり、逮捕された。

犯人は田辺覚という人物だった。田辺覚は、息子・倉田健太と同じテレビの構成ライターで、息子・倉田健太に仕事を奪われてたことを恨んで犯行に及んだのだという。

しかし、顔を確認してみると、犯人の田辺覚は、倉田太一が駅でぶつかった男性とは別人だった。

田辺覚は、息子・倉田健太の自宅の花壇が荒らされた話を聞き、その犯人に便乗して車を傷つけたりけたりした事を認めた。しかし、花壇を荒らしたり、瀕死の猫をポストに入れた件については容疑を否認した。

さて、倉田太一はドリルの販売先・イーグル精密から2400万円の手形を受け取ったが、イーグル精密の社長は行方不明になり、M&Aは行なわれず、手形は不渡りになった。
倉田太一の主張は正しかったが、社長は「私を説得するほどの材料は無かった」と言い、謝罪しないばかりか、青葉銀行に倉田太一の交代要員を出向せるように要請した。

そのようななか、倉田太一は事務処理をしていると、1枚の伝票に目を留めた。ドリルの運送伝票なのだが、運送料が10万円と高額になっていたのだ。

不審に思って調べてみると、ドリルは販売先のイーグル精密ではなく、新潟県にある新潟半導体という中小企業に運ばれていた。

上手く行けば新潟半導体から債権を回収出来るかもしれないと考えた倉田太一は、新潟半導体にドリルの代金を問い合わせたが、新潟半導体の担当者・加藤はナカノ電子部品ともイーグル精密とも取引は無く、ドリルは相模ドリルから仕入れたと言い、取り合わなかった。

それを聞いて気づいた倉田太一は真瀬部長の過去を調べ、1つの結論に達すると、社長に「三和エレキがイーグル精密をM&Aで買収する」という情報を教えた金融屋・野口を突破口にするため、社長と野口を呼び出した。

その席に真瀬部長も現れたが、倉田太一は真瀬部長の反論に動じず、野口にM&A情報の出所を追及すると、野口は真瀬部長に頼まれて社長に「三和エレキがイーグル精密をM&Aで買収する」という情報を流したことを認めた。そして、事件の真相は明らかになった。

高校を卒業して中小企業に就職した真瀬部長は、営業マンとして頭角を現していたが、取引先だった相模ドリルの前村社長の影響を受けて、先輩の西原と片岡の2人を誘って独立し、シータ電機を設立した。

シータ電機は真瀬部長の営業力のおかげで急成長を遂げたが、不況の影響で大口の取引先を失い、赤字に転落した。

真瀬部長は西原社長から頼まれて実家を担保に入れ、青葉銀行から融資を受けたが、流れを変えることは出来ず、シータ電機は倒産してしまう。

そして、シータ電機を創業した真瀬部長・西原社長・片岡の3人は借金を背負い、西原社長は自殺した。

青葉銀行は2度目の不当たりが出る前から、容赦なく債権回収を開始し、真瀬部長の両親に担保になっている実家の売却を迫った。

真瀬部長は年老いた両親を守るため、相模ドリルの前村社長に頼み込み、3000万円を借りて銀行へ返済し、実家を守った。

残る、片岡はシータ電機の倒産で自己破産した後、イーグル精密を立ち上げ、イーグル精密の実質的な経営者となった。

相模ドリルの前村社長は3000万円を融資する条件として、真瀬部長に再就職して相模ドリルの商品を仕入れるように命じており、真瀬部長は取引先の1つだったナカノ電子部品の社長に営業力を買われてナカノ電子部品に再就職した。

ナカノ電子部品に就職した真瀬部長は、営業力を活かしてナカノ電子部品の業績を上げる一方で、前村社長との約束を守り、相模ドリルを大口取引先にしたほか、出張費の二重取りなどを駆使して借りたお金も返済していった。

しかし、やがて相模ドリルの業績が悪化する。真瀬部長は相模ドリルの前村社長から2000万円の融資を頼まれ、ドリルの架空取引を使って相模ドリルに2000万円の融資を行なった。

しかし、相模ドリルは2000万円の返済が出来なくなってしまった。しかも、悪いことに、倉田の棚卸しにより、ドリルの在庫が無い事が発覚してしまう。

このころ、イーグル精密に倒産の噂があったので、真瀬部長はイーグル精密の実質的経営者・片岡に相談し、イーグル精密が手形でドリルを買い取るという計画が出来上がった。

そして、真瀬部長は企業買収などを手がける野口に頼み、社長に「三和エレキがイーグル精密をM&Aで買収する」という嘘の情報を流し、社長に信用させたのであった。

真相を知った社長は「2000万円を返せば刑事告訴はしない」という条件を出した。後日、相模ドリルがナカノ電子部品に2000万円を返却したので、事件は明るみに出ず、解決した。

社長は倉田太一に謝罪したが、「融資を受けるために出向を受け入れていたが、もう一度、真剣に経営を考える」と言い、倉田太一を青葉銀行への返却は取り消さずなかったので、倉田太一は出向解除となり青葉銀行へ戻ることとなった。

その日の帰り、倉田太一は電車の中で自宅に嫌がらせをした真犯人の男性に遭遇し、真犯人の男性を捕まえようとしたが、取り逃がしてしまう。

倉田太一は出向解除で青葉銀行へ戻るので、あの電車には乗らないため、もう真犯人には会わないだろうと思っていたが、翌朝、自宅の壁に落書きされていた。

急いで、防犯カメラの動画を確認すると、真犯人が防犯カメラに映っていたので、倉田太一は真犯人にたどり着き、真犯人は逮捕された。

倉田太一が電車で順番飛ばしを注意した男性は出版社の副編集長・赤崎信士だった。花壇を荒らしたり、瀕死の子猫をポストに放り込んだのは赤崎信士で、これで自宅への嫌がらせをした事件も無事に解決したのであった。

ようこそ、わが家へ-意味と犯人ネタバレの感想文」へ続く。

スポンサードリンク