天皇の料理番-第5話の感想と解説

佐藤健が出演するTBSの天皇の料理人ドラマ「天皇の料理番」の第5話「おさな夫婦の結末」の感想と解説編です。

天皇の料理番-第5話のあらすじとネタバレは「天皇の料理番-第5話のあらすじとアイスフライのネタバレ」をご覧ください。

■西洋料理人の地位
華族会館が新しいシェフと募集しても、ヤクザのような人間しか来ず、佐々木正志(西沢仁太)も「食い詰めて流れてくる連中がほとんどですからね。そんな感じだから、社会的地位は上がらない。社会的地位が上がらないから、そんな連中ばかりなんですね」と嘆いた。

明治時代に西洋料理人の地位が低かったのは、西洋料理が肉を扱うという点が理由の1つです。

日本は仏教思想の影響で、675年に天武天皇が四つ足の食肉を禁止しましたが、ペリー来航以降、外国人の体格の大きさに驚き、福沢諭吉などが洋食に注目するようになり明治政府の後押で、明治天皇は明治5年(1872年)に肉を食べて食肉を宣言し、食肉を解禁しました。

明治天皇の食肉宣言により、公式に食肉が認められるようになったのですが、それでも、長らく四つ足の肉は忌避されていたこので、肉を扱う西洋料理人を目指そうとする者は珍しかったのです。

第1話で秋山篤蔵(佐藤健)が田辺祐吉(伊藤英明)にカツレツを食べさせて貰うとき、秋山篤蔵(佐藤健)は「四つ足じゃないですか」と驚いているのは、こういう時代背景があるためです。

こういうシーンを理解していると、より、ドラマ「天皇の料理番」への理解や解釈が深まると思います。

■秋山篤蔵(佐藤健)が客の声を聞く
バンザイ軒は調理場とテーブルが隣接していたので、バンザイ軒で料理を作るようになった秋山篤蔵(佐藤健)は客から「美味しかったよ」と礼を言われて喜びます。

このとき、森田仙之介(佐藤蛾次郎)は「なるほどな。でっけえ、ところは、厨房と食堂が遠いのか」と納得します。

これは、秋山篤蔵(佐藤健)が天皇の料理番になってからの話に対する伏線だと思ったので、注目しました。

実話の秋山徳蔵は、天皇の料理番になっても、天皇と直接、会話することはありませんでした。天皇は料理についての感想を言わないので、秋山徳蔵は残った料理から、天皇の好みや健康状態などを推察していきます。

また、厨房から天皇が食事する部屋まで距離があるので、部屋に運ぶまでに料理が冷めていました。昭和天皇が猫舌だったのは、冷めた料理ばかりを食べていたからだとも言われています。

■秋山篤蔵(佐藤健)は新じゃが
森田梅(高岡早紀)が卑猥な手つきで秋山篤蔵(佐藤健)を触りながら、「綺麗な肌だね。新ジャガみたいだね」と言うシーンがありました。

実話の秋山徳蔵は、交流のある吉川英治から「新ジャガ」と呼ばれていました。

■当時の200円は現在の価値に直すと
ドラマ「天皇の料理番」の第5話で、秋山篤蔵(佐藤健)は父・秋山周蔵(杉本哲太)に、店を出す費用として「100円くれ」と言い出します。その後、「パリへ行くので200円くれ」と言い出します。

物価の換算は何を基準にするかで大きく変わるのですが、大まかには明治時代の1円は現在の1万円くらいだと考えれば問題無いと思います。

200円というのは、ヨーロッパへの渡航費用で、当時はヨーロッパへ行くのに現在の200万円が必要だったという感覚です。

200円という大金も大きな問題なのですが、芸術や学問でヨーロッパへ行こうという人は大勢居ても、社会的に身分の低い西洋料理人になるためにヨーロッパに行こうという人はほとんど居ませんでした。

実話では、秋山徳蔵の前に、西洋料理人になるためにヨーロッパに渡ったのは数人だけで、秋山徳蔵がヨーロッパへ渡る切っ掛けとなった築地精養軒の料理長・西尾益吉も、築地精養軒の費用で留学しています。

なお、実話の秋山徳蔵は、父親に300円を出してもらい、福井県の敦賀から船でウラジオストックに渡り、シベリア鉄道でドイツに入り、ドイツで一時働いた後、フランスのパリへと入っています。

実話の秋山徳蔵は、シベリア鉄道の2等席に乗ったのですが、列車の食事は1食7円もするので、3等席の人と同じように、列車が駅に着くと、駅で何かを買って食べていました。

■高浜俊子(黒木華)の鈴
ドラマ「天皇の料理番」の第5話で高浜俊子(黒木華)が鈴を見つめるシーンがありました。

この鈴は、秋山篤蔵(佐藤健)が第4話で高浜俊子(黒木華)に送った安産祈願のお守りについていた鈴です。お守りを捨てて、鈴だけを大事にしているのでしょう。

高浜俊子(黒木華)が大事にしている鈴は、ドラマ終盤への伏線になっていると思うので、しっかりと覚えておいた方が良いと思います。

実話の鈴についてのネタバレが知りたい方は「天皇の料理番-秋山徳蔵の妻・秋山俊子が死去」をご覧ください。

■天皇の料理番のアイスフライ
秋山篤蔵(佐藤健)がバンザイ軒に入ると、五位の伯爵を名乗る男が「華族会館で出しているというアイスフライを出せ」と言って店主・森田仙之介(佐藤蛾次郎)を困らせていので、秋山篤蔵(佐藤健)は厨房を借りて、衣を付けた氷を出した。

男は「こんな物はアイスフライじゃ無い」と怒るのだが、秋山篤蔵(佐藤健)が華族会館で働いていたことを知ると、そそくさと逃げ出した。

実際はアイスフライという料理は存在せず、アイスフライというのは、男が難癖を付ける口実だったのです。

このアイスフライは原作にあるエピソードで、原作では伏線ではないのですが、日本に氷の彫刻を持ち込んだのは天皇の料理番・秋山徳蔵だと言われているので、ドラマではそうしたエピソードに繋げて欲しいと思いました。

■天皇の料理番-第5話の感想
ドラマ「天皇の料理番」は良くて来ているのだけど、第5話は高浜俊子(黒木華)が流産した行がわかりにくかった。

高浜俊子(黒木華)は第4話で秋山篤蔵(佐藤健)から安産のお守りを貰っており、安産のお守りには鈴が付いていた。

第5話の冒頭では安産のお守りに鈴が付いていたのだが、第5話の途中で高浜俊子(黒木華)は鈴だけにしていた。

つまり、流産したので安産のお守りが必要なくなったという事を描写しているのだろうが、少しわかりにくかったので、もう少しわかりやすい描写にした方が良かったと思う。

とはいえ、ドラマ「天皇の料理番」は原作よりも面白い。第5話は、秋山篤蔵(佐藤健)が料理にのめり込んでいき、上達していく描写も上手く描けていたし、高浜俊子(黒木華)の心境をカタツムリの殻に例えて、美味く表現できていたと思う。第6話にも期待したい。

ドラマ「天皇の料理番」の登場人物のモテル一覧は「天皇の料理番-実在のモデル」をご覧ください。