臨床犯罪学者・火村英生の推理

有栖川有栖の小説「臨床犯罪学者・火村英生の推理 46番目の密室」(作家アリスシリーズ)のあらすじと犯人ネタバレを含む読書感想文のあらすじとネタバレ前編です。

このページは、有栖川有栖の小説「臨床犯罪学者・火村英生の推理 46番目の密室」のあらすじやネタバレが含まれているので、閲覧にはご注意ください。

■臨床犯罪学者・火村英生の推理の人物紹介
原作小説「臨床犯罪学者・火村英生の推理 46番目の密室」のあらすじと犯人ネタバレを紹介する前に、あらすじとネタバレの理解しやすくするため、簡単に登場人物と状況を紹介しておきます。

主人公の火村英生は、英都大学社会学部の助教授で、臨床犯罪学者として警察に協力し、数々の事件を解決に導いている。推理作家・有栖川有栖は、火村英生の友達で、助手(ワトソン役)を務める。

小説「臨床犯罪学者・火村英生の推理 46番目の密室」で殺害される事になる真壁聖一は、世界的に有名な密室トリック作家で、これまでに45個の密室トリックを発表して、「密室の巨匠」と呼ばれていた。

その真壁聖一は、毎年、クリスマスに軽井沢の別荘「星火荘」でクリスマスパーティーを開催しており、今年は7人がクリスマスパーティーに招かれた。

クリスマスパーティーに招かれた7人のうち、火村英生と有栖川有栖は初参加です。

残る5人はクリスマスパーティーの常連で、高橋風子と石町慶太の2人は推理小説家、杉井陽二・船沢辰彦・安永彩子の3人は真壁聖一の担当編集者である。

杉井陽二・船沢辰彦・安永彩子の3人は、それぞれ、違う出版社なので、ライバル関係にあると言って良いだろう。

一方、真壁聖一は軽井沢の別荘「星火荘」に住んでおり、星火荘で同居しているのは妹・真壁佐智子、佐智子の娘・真壁真帆(高校2年生)、檜垣光司(高校2年生)の3人である。

檜垣光司(高校2年生)は血縁者では無く、10年前の火事で殉死した消防士・檜垣光男の息子である。

10年前、真壁聖一と船沢辰彦の2人は、浅間サンホテルで火事に遭い、消防士・檜垣光男に助けられたが、その火事で消防士・檜垣光男は死んだ。

その後、真壁聖一は、命の恩人である消防士・檜垣光男の妻と息子が貧しい生活をしている事を知り、消防士の妻・檜垣直美と息子・檜垣光司を星火荘に招いた。

妻・檜垣直美は星火荘で秘書兼家政婦として働いていたが、2年前に交通事故で死んだので、真壁聖一が残された息子・檜垣光司の面倒を見ている。

■臨床犯罪学者・火村英生の推理 あらすじとネタバレ
クリスマスの前日、英都大学社会学部の助教授で臨床犯罪学者の火村英生は、友人の推理作家・有栖川有栖と共に、ベテランの推理小説家・真壁聖一が所有する軽井沢の別荘「星火荘」を訪れる。

真壁聖一は、世界的に有名な密室トリックの作家で、これまでに45個の密室トリックを発表して、「密室の巨匠」と呼ばれていた。

その真壁聖一は毎年、軽井沢の別荘「星火荘」でクリスマスパーティーを開催しており、火村英生と有栖川有栖もクリスマスパーティーに招かれたのである。

軽井沢の別荘「星火荘」に招かれたのは全員で7人。火村英生と有栖川有栖の他は、高橋風子と石町慶太の2人が推理小説家で、杉井陽二・船沢辰彦・安永彩子の3人が編集者である。

一方、星火荘に住んでいるのは、密室の巨匠こと推理作家・真壁聖一、その妹・真壁佐智子、真壁佐智子の娘・真壁真帆(高校2年生)、そして同居人・檜垣光司(高校2年生)の4人である。

こうして、クリスマスの前夜に軽井沢の別荘「星火荘」に11人が集まることになった。

■臨床犯罪学者・火村英生の推理-クリスマスの前夜
クリスマスの前夜、これまでに45個の密室トリックを発表して真壁聖一は、次回作(46個目の密室トリック)で密室トリックから卒業することを前言し、小説に対する持論を展開する。

夕食が終わると、真壁聖一は風邪気味だと言って早々に部屋へ戻り、残りのメンバーで団らんを続ける。

そのようななか、真壁真帆が、不審な男性を目撃した事を思い出して報告する。冬の別荘地帯なので、半径1キロ以内に人は住んでいないはずなのに、小柄で火傷の跡がある男を見かけたのだという。

すると、編集者・船沢辰彦も、別荘に来るとき、雪道なのに、リュックを背負って歩いていた不審人物を目撃した事を思い出した。

臨床犯罪学者・火村英生は「別荘荒らしかもしれないので、戸締まりをした方が良い」と忠告するが、そこは推理作家や編集者の集まりである。不審な男性について様々な仮説を唱え、その不審人物は「サンタクロース」と呼ばれるようになった。

■臨床犯罪学者・火村英生の推理-悪質なイタズラ
不審人物「サンタクロース」の談義も一段落して、それぞれが部屋に戻ろうとすると、2階の各部屋で異変が報告される。

推理作家・石町慶太の部屋は屋根裏部屋なのだが、2階から屋根裏部屋に続く階段には、屋根裏部屋の前まで一面に石灰が綺麗にまかれており、屋根裏部屋のドアには白い粉で「X」と書かれていた。

編集者・安永彩子の部屋には、白いスプレーで窓にハートのマークが書かれていた。

編集者・船沢辰彦の部屋では玄関で脱いだはずの靴がクローゼットの中にあり、しかも、靴の中に白ワインがなみなみと注がれていた。

臨床犯罪学者・火村英生の部屋ではトイレットペーパーが散乱しており、編集者・杉井陽二は盲人用の白い杖が部屋に置かれていた。

推理作家・高橋風子の部屋には白いテディーベアが置いてあったので、ただのプレゼントかと思いきや、首のリボンに「キケン ジゲンバクダン」と書いてあった。

白いテディーベアに耳を宛ててみると、中からカチカチカチと音がするので、みんなは慌てて逃げたが、火村英生は冷静にテディーベアを解体し、中から目覚まし時計を取りだす。

いずれも悪質なイタズラだった。星火荘に招かれた7人は犯人を推理し、いずれのイタズラも「白」がキーワードになっている事に気づいたが、犯人の目星は付かなかった。

そもそも、招かれた客がこんな手の込んだ悪質なイタズラをするとも思えなかった。明日になれば、真壁聖一から犯人のネタバレがあるかもしれない。時間も遅いので、その日は解散して寝ることになった。

■臨床犯罪学者・火村英生の推理-死体の発見
自室に入った有栖川有栖は、小説のトリックやネタバレを考えながら眠りに就いたが、夜中に目が覚めてしまう。気分転換に窓から外を見た有栖川有栖は、雪の上に、外から別荘に伸びる足跡を発見した。

不審人物「サンタクロース」の件もあり、別荘に何者かが侵入したと考えた有栖川有栖は、各部屋の様子を伺っていく。

最期に、1階にある書斎のドアに耳を宛てて中の様子を伺っていると、不意にドアが開き、有栖川有栖は頭部を殴打されて気を失ってしまった。

15分後、有栖川有栖は、トイレに降りてきた推理作家・石町慶太に起こされて意識を取り戻すと、そこはリビングだった。

石町慶太に書斎を確認してもらうが、書斎は内側から鍵がかかっていた。有栖川有栖は火村英生を起こすため、2階へ行こうとすると、階段に付いていた石灰の足跡に異変を感じた。

2階から降りてきた石灰の足跡に、もう1つ足跡が重なった箇所があるのだ。推理作家・石町慶太が1階へ降りた後に、誰かが2階へと上がったのだろう。

有栖川有栖は火村英生を起こして、1階へ降りると、外へ出て、窓ガラスを割って書斎へと入った。

すると、何者かが書斎の暖炉に上半身を突っ込み、死んでいた。頭には灯油が掛けられて燃えており、顔は判別できなかったが、死んでいるのは話題に上った不審人物「サンタクロース」だと思われた。

そして、書斎のドアには内側から鍵がかかっており、書斎は完全に密室になっていた。

火村英生は、警察への通報を指示すると共に、2階へ行き、階段に付いた足跡の犯人を捜すため、みんなのスリッパを回収した。

■臨床犯罪学者・火村英生の推理-もう1つの死体
書斎で死体が見つかったので、全員が起きてきたが、密室の巨匠・真壁聖一が見つからなかった。まだ探していないのは、地下の書庫だけだった。

火村英生らが地下の書庫に向かうと、中から鍵がかかっていた。呼んでも返事が無いため、有栖川有栖が金槌でドアを壊して鍵を開け、書庫へと入った。

すると、男性が書庫の暖炉の中に上半身を突っ込んで死んでいた。書斎と同じように頭に灯油が掛けられて燃えていたので、顔は判別できなかったが、体型から真壁聖一だと分かった。

地下の書庫は内側から鍵がかかっており、書斎と同じく、完全な密室だった。

その後、警察が駆けつけ、鵜飼警視は皆から事情を訊いた。臨床犯罪学者・火村英生は、階段にあった重なった足跡の事を告げ、みんなから回収したスリッパを調べるように頼んだ。

その後、皆は5時になってようやく警察から解放され、犯人や密室トリックについて推理を巡らせるが、犯人の目処は付かず、その日は解散した。

■臨床犯罪学者・火村英生の推理-調査開始のあらすじ
翌日、鵜飼警視は臨床犯罪学者・火村英生に捜査協力を要請する。火村英生がこれまでにも敬作に捜査協力をして、事件解決に貢献した犯罪臨床学者だと判明したからだ。

臨床犯罪学者・火村英生は有栖川有栖を助手に付ける事を条件に、捜査協力を引き受け、捜査状況の報告を受けたり、星火荘を自由に歩き回れたり出来るようになった。

さて、臨床犯罪学者・火村英生の考察と推理により、書斎の密室は、糸とセロハンテープという古典的なトリックで密室が完成する事が判明し、庭でトリックに使われた釣り糸も見つかった。

しかし、地下の書庫は糸が入る隙間が無く、糸とセロハンテープでは密室は作れなかった。

地下の書庫の暖炉から、マジックで書かれた英文のナゾナゾも見つかり、謎は増すばかりであった。

さらに、真壁聖一の遺作となる「46番目の密室トリック」に関するメモが書斎の暖炉で焼かれた事も判明し、真壁聖一は自身が考え出した6番目の密室トリックによって殺された可能性が浮上した。

(注釈:次のページで犯人と結末をネタバレしているので、犯人を知りたくない人は閲覧しないでください。)

臨床犯罪学者・火村英生の推理-46番目の密室のあらすじと犯人ネタバレ」へ続く。