「下町ロケット2 ガウディ計画」のあらすじとネタバレ

池井戸潤の原作小説「下町ロケット2 ガウディ計画」のあらすじと結末ネタバレ読書感想文のあらすじとネタバレ編です。

このページは小説「下町ロケット2 ガウディ計画」のあらすじとネタバレが含まれていますので、閲覧にご注意ください。

前作「下町ロケット」のあらすじとネタバレは「下町ロケットの原作のあらすじとネタバレ」をご覧ください。

■下町ロケット2 ガウディ計画のあらすじとネタバレ
前作「下町ロケット」から3年後、佃製作所に、これまで取引の無い医療機器メーカー大手「日本クライン」からバルブ試作品の依頼が舞い込んできた。

日本クラインの注文は難しいうえ、予算も厳しく、赤字になる事は目に見えていた。しかも、何のパーツかも教えて貰えなかった。

社長・佃航平は厳しい決断を迫られたが、量産化の受注を条件に試作品の作成を引き受け、若手の中里淳を試作品の担当に抜擢した。

そのようななか、社長・佃航平は、アジア医科大学の先端医療研究所の主任研究員・真野賢作と再会する。

真野賢作は元・佃製作所の技術者で、前作「下町ロケット」で帝国重工に水素エンジンのバルブを納品する事に反対し、帝国重工に粗悪なバルブを送った犯人である。

真野賢作はバルブ事件で佃製作所を辞め、アジア医科大学の研究所に入ったのだが、研究所に入れたのは社長・佃航平の口添えのおかげだと知り、佃製作所に水素エンジンのバルブを人工心臓に応用するアイデアを提案しいた。

社長・佃航平が真野賢作のアイデアに応えられなかった事を謝罪すると、真野賢作は「結局、人工心臓に関わることになった」と言い、ネタバレした。

アジア医科大学の心臓血管外科部長・貴船教授が日本クラインと、新しい人工心臓「コアハート」の共同開発を進めており、日本クラインが佃製作所に発注した試作品のバルブは人工心臓「コアハート」のパーツなのだという。

■下町ロケット2 中里淳の不満
さて、日本クラインの試作品は要求される数値は厳しいため、佃制作所の中里淳は試作品の作成に難航していた。

苦悩する中里淳は「本当にこの設計で間違いないのか、変更不可なのか日本クラインに確認して欲しい」と相談したが、社長・佃航平は「出来ないから、設計を疑うってのは、ちょっとばかり違うんじゃないか?」と注意した。

社長・佃航平の方針に不満を持った中里淳は、サヤマ製作所の社長・椎名直之からの接触を受け、自分の事を理解してくれる椎名直之の元で働きたいと思うようになる。

そして、中里淳は、佃制作所の山崎が改良したバルブの設計図を自分が考えた設計図だと言い、社長・椎名直之に改良した設計図を渡してしまう。

■下町ロケット2 ライバルの出現
ある日、社長・佃航平は帝国重工の財前道生から、ライバル企業として「サヤマ製作所」の社長・椎名直之を紹介される。

椎名直之は、元NASAの科学者で、3年前に父親の町工場を継き、徹底した合理化経営で会社を急成長させたていた。

社長・佃航平が「ライバル企業」という点に疑問を感じると、財前道生は重い口を開き、次のバルブはコンペ形式で採用を決め、佃製作所とサヤマ製作所がコンペで争うことを明かした。

バルブの開発に巨額な資金を投じている佃製作所は、何が何でもコンペに勝たなければならなかった。

■下町ロケット2 真野賢作の転職
さて、試作品が完成し、社長・佃航平と山崎は日本クラインへ試作品を納品したが、日本クラインの藤堂は悪びれた様子も無く、「仕様が変更になった」と言い、新しい設計図を差し出し、量産化の話も無かったことにした。

社長・佃航平は日本クラインの対応に激怒し、新しい試作品の製作を断る。一方、山崎は新しい設計図を見て顔を曇らせていた。

(注釈:日本クラインが佃制作所に差し出した設計図は、中里淳がサヤマ製作所の社長・椎名直之に渡した設計図である。)

結局、日本クラインは、サヤマ製作所にバルブの試作品と量産化を発注した。

アジア医科大学の先端医療研究所の主任研究員・真野賢作は、佃製作所の苦労を無駄にした日本クラインを批判したが、アジア医科大学は一切批判を受け付けず、同僚から「資金を引き上げられたらどうするんだ」と注意されてしまう。

この一件で嫌気が指した真野賢作は、アジア医科大学を辞めて、福井県の北陸医科大学で人工弁の開発を手がけている一村教授の元へ行く事を決めた。

一村教授は、貴船教授の元弟子で、アジア医科大学に在籍していた時に人工心臓「コアハート」を発案したが、上司の貴船教授にコアハートのアイデアを盗まれたうえ、福井県の北陸医科大学へと追いやられ、北陸医科大学で人工弁の開発を手がけていた。

■下町ロケット2 ガウディ計画
ある日、北陸医科大学へ行った真野賢作が、一村教授と桜田章を連れて佃製作所を訪れた。桜田章は人工弁を共同開発している福井県の会社「株式会社サクラダ」の社長である。

真野賢作は、佃製作所に人工弁の共同開発への参加を要請し、人工弁に使用するリングを開発して欲しいと頼んだ。

しかし、佃製作所の社員は、医療機器は訴訟のリスクも高いことから共同開発への参加に反対した。

そもそも、佃製作所は、帝国重工のコンペに勝たなければ、屋台骨が揺らぐため、人工弁に手を出している余裕は無く、社長・佃航平は人工弁への協力要請を断った。

真野賢作は「手を差し出せば、病気を治してやれるんですよ」と懇願したが、社長・佃航平は「会社を経営していくというのは、そんなに簡単な事じゃ無いんだ」と答えた。

その日の夜、山崎は友達の心臓外科医師から聞いた事を、社長・佃航平に報告する。

人工弁は人工心臓と違って訴訟のリスクが低い。新しい人工弁が完成すれば、使いたいという医師は多く、金になる。しかも、一村教授は心臓外科の権威で、「ゴットハンド」と呼ばれるのだという。

山崎は、佃製作所が福井県のスチール工場を視察する予定が入っている事を指摘し、「現場を見るだけ、見てはどうか?」と提案すると、社長は「もう少し深く検討するべきだった」と言い、人工弁の現場を見学することにした。

ある日、スチール工場の視察で福井県を訪れた社長・佃航平らは、サクラダの工場見学を行った。サクラダは人工弁の共同開発の為に設立した子会社で、弟・桜田努が経営する親会社「桜田経編(さくらだたてあみ)」の繊維工場の売り上げで賄われていた。

サクラダの工場には、桜田章がドイツから取り寄せた織機が1つだけあった。桜田章はその織機を「GAUDI(ガウディ)」と名付けており、開発中の人工弁のコードネームが「ガウディ」である事を教えた。

そして、桜田章は人工弁の開発に取り組む理由を語った。桜田章には桜田結という娘が居たが、娘・桜田結は重い心臓弁膜症で、5年前に死んだ。17歳だった。桜田章がガウディ計画に心血を注ぐのは、亡き娘・桜田結への罪滅ぼしなのだという。

桜田章の言葉は社長・佃航平の胸に刺さった。社長・佃航平は夢のために水素エンジンのバルブを開発してきたが、桜田章を動かしていたのは夢では無く、贖罪の念だった。

こんな理由で突き動かされている人も居るのか。社長・佃航平は桜田章に右手を差し出し、ガウディ計画への参加を約束した。

■下町ロケット2 中里淳の裏切り
サヤマ製作所の社長・椎名直之は3年前に父親の会社を継ぎ、業績を急激に伸ばしてきたが、それは社長・椎名直之の人脈によって下請け企業としての規模を大きくしただけに過ぎなかった。

サヤマ製作所が技術力で勝負していくためには、日本クラインの試作品を完成させる必要があったが、試作品の作成に難航したため、社長・椎名直之は佃製作所から中里淳を引き抜いた。

一方、強い野心を持つ貴船教授は人工心臓「コアハート」を完成させて、総長の座を奪おうと考えていたが、教授会で収益の悪化を批判されてしまう。

そのようななか、貴船教授は、かつての弟子・一村教授が人工弁の開発を手がけていることを知る。

人工弁なら手っ取り早く金になる。貴船教授は、教授会での批判を交わすため、一村教授に人工弁の共同開発を持ちかけたが、一村教授は「私のアイデアです」と言って断った。

怒った貴船教授は、PMDA(医薬品や医療機器を認可する機関)の審査役・滝川に、一村教授が町工場と組んで人工弁を開発している事を教え、配慮するように釘を刺した。

さて、ガウディー計画に参加した社長・佃航平は、技術開発部の中里淳・立花洋介、第2営業部から江原・川田の計4人をプロジェクトメンバーに選んだ。いずれも佃製作所の次世代を担う若手である。

中里淳は日本クラインの試作品を担当したが、仕事をサヤマ製作所に取られて以降、不満を漏らすようになっており、社長は中里淳に立ち直るチャンスを与えるため、プロジェクトメンバーのリーダーに抜擢した。

しかし、中里淳はリーダーを辞退し、辞表を提出する。中里淳はサヤマ製作所でやりたいことをやるのだと言い、佃製作所に不満を漏らしながら辞めていった。

そこで、社長・佃航平は技術開発部の立花洋介をリーダーに抜擢した。ただ、立花洋介は若くて頼りないところがあったので、入社3年目の女性エンジニア・加納アキを補佐に付けた。

■下町ロケット2 貴船教授の陰謀
ガウディ計画の関係者はPMDA(医薬品や医療機器を認可する機関)の事前面談に望んだが、PMDAの審査役・滝川は吹けば飛ぶような町工場では補償が出来ないと吐き捨てた。

事前面談は散々な結果に終り、ガウディ計画の関係者は意気消沈する。しかも、事前面談の感触が悪かったのは、貴船教授が手を回していたからだと判明する。

しかし、一村教授は、長年の経験から、提出中の論文が学会誌に掲載されることを確信しており、論文が学会誌に掲載されれば、人工弁に対する賛同者も増えていき、流れは変わるだろうと考えた。

ところが、一村教授の論文の掲載は見送られた。学会誌にも貴船教授の手がまわっていたのである。

■下町ロケット2 財前道生のライバル
帝国重工はバルブの採用をコンペ形式にしたが、財前道生とライバル関係にある帝国重工・資材調達部の石坂宗典らがサヤマ製作所を支持しており、サヤマ製作所がバルブ納品することは、ほぼ内定していた。

そもそも、帝国重工の社長は「主要デバイスの内製化」を掲げていたが、帝国重工は佃製作所に特許を取得されてたため、財前道生の主導により、佃製作所からバルブの提供を受けている。

しかし、サヤマ製作所とバルブを共同開発すれば、帝国重工の藤間社長が掲げる「主要デバイスの内製化」という方針に合致する。

そこで、資材調達部の石坂宗典は、「社長の意向に沿う」という、御旗を掲げ、サヤマ製作所との共同開発を主導していたのである。

ある日、佃製作所は、帝国重工の富山から一方的に、バルブの試験日を5日間繰り上げて行う事を通達された。

社長・佃航平は「試験日に会わせて開発を進めている」と抗議したが、帝国重工の富山は抗議を受け付けず、出来なければ、サヤマ製作所のバルブを採用するだけだと答えた。

下町ロケット2 ガウディ計画-あらすじと最終回の結末ネタバレ」へ続く。