ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子-結末と犯人ネタバレ感想文

内藤了の原作小説「ON(オン)猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」のあらすじとネタバレ感想文の後編です。

このページは「ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子-原作のあらすじとネタバレ」からの続きです。

■同僚・仁美を殺した犯人のネタバレ

同僚・仁美を殺害した犯人は、レストランのイケメン従業員・大友翔(小林翔太)だった。

大友翔(小林翔太)は幼少期より母親に支配され続け、15年前に母親を殺害。少年院を出た後は、ハヤサカ・メンタルクリニックに通っていたが、一切、改心していなかった。

大友翔(小林翔太)は母親と同じような女性を憎んでおり、裸電球が引き金となって殺人に及んでいた。

■犯人と結末のネタバレ

原作小説「ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」の犯人(黒幕)は、ハヤサカ・メンタルクリニックで見習いとして働く研修医・野比先生(中島保)だった。

野比先生(中島保)と院長・早坂雅夫は、過去に、患者の脳の一部を操作して、幼少期に愛情を受けた記憶を補完することにより、患者を治す研究をしていたが、その研究が倫理違反にあたるため、中止を余儀なくされた。

しかし、現在は密かに別の方法で患者を治療する研究を続けていた。

野比先生(中島保)は、脳の中に、自分自身に犯行を及ぶスイッチを発見しており、犯罪者に人工的に脳腫瘍を作ることで、自分自身に犯行を及ぶスイッチが「ON(オン)」になるようにしていた。

動画を投稿していた犯人(スイッチを押す者)も野比先生(中島保)だった。

■最終回と結末のネタバレ

ハヤサカ・メンタルクリニックを訪れた藤堂比奈子は、野比先生(中島保)が犯人(黒幕)だと気づき、院長室へ逃げ込んだ。

しかし、院長・早坂雅夫は院長室で裸電球を使って大友翔(小林翔太)の治療をしようとして、大友翔(小林翔太)に殺害されており、院長室に入った藤堂比奈子は大友翔(小林翔太)に捕まってしまう。

大友翔(小林翔太)は藤堂比奈子を殺害しようとしたが、野比先生が大友翔(小林翔太)のトラウマを利用して藤堂比奈子を助けだした。大友翔(小林翔太)はスイッチがオンになり、自分自身を殺すという結末を迎えた。

■ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子の感想文

私は原作小説「ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」を読んで、「魂への手術」「心の手術」と呼ばれた精神外科手術「ロボトミー手術」を思い出した。

精神外科(ロボトミー手術)とは、眉間やこめかみに穴を開け、その穴からメスやアイスピックを挿入して脳の前頭葉の一部を切り取り、精神病を治療する外科手術である。

ロボトミー手術は、精神病を治す画期的な手術として1940年代に広まり、日本でも1970年代までロボトミー手術が行われ、多くの廃人を産み、1975年に自主規制された。

小説「ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」にロボトミー手術自体の描写は無いが、脳への直接アプローチというのは、ロボトミー手術の事だと解釈できる。

なお、ロボトミー手術に関しては「アルジャーノンに花束を-実話とモデルのロボトミー手術」をご覧ください。

■目には目を、歯には歯を

小説「ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」には、「人を何人殺しても、死刑になって自分が死ぬのは1度きり」という台詞が出てくる。

確かに何人殺しても犯人が死ぬのは一度だけだし、性犯罪被害を受けた女性は一生、被害に苦しむのに、犯人は苦しむことは無い。これはとても不公平だと思う。

さらに、現実の世界では、被害者は法的に守れないのに、犯罪者はなぜか法的に守られるという不可解な現象も起きている。

だから、犯人・野比先生(中島保)の考え自体は、本質的には間違っていないような気がする。

実際、昔のハムラビ法典には「目には目を、歯には歯を」という法律があり、加害者が被害者と同等の方法で同等の罰を受けていたとされる。

■実在のモデルとドラえもん

私は、原作小説「ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」の結末まで読み終え、実話の光市母子殺害事件を思い出した。

光市母子殺害事件とは、1999年に山口県光市で少年Aが母親と娘を殺害した事件で、最高裁で死刑判決が確定している。

光市母子殺害事件は凄惨な事件だったので、事件自体も有名なのだが、それに輪を掛けて有名にしたのが弁護団の弁護だった。

弁護団はなんと、「死者復活の儀式」とか「ドラえもんが助けてくれると思った」という主張を展開したのだ。

原作小説の中に説明があるのだが、犯人の中島保が「野比先生」と呼ばれているのは、ドラえもんの「野比のび太」に由来する。

私は原作小説を読んでいて、どうしてドラえもんの「野比のび太」が登場したのだろうかと違和を感じていたのだが、原作小説の結末まで読み終えて、光市母子殺害事件がモデル(テーマ)になっていると気づいて納得した。

モデル(テーマ)が実話の光市母子殺害事件だと気づいてから、もう1度、原作小説「ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」を読み直してみると、新たに色々と気づく部分があり、面白かった。

ON・藤堂比奈子-大友翔(小林翔太)と中島保の犯人ネタバレ感想文」へ続く。