小さな巨人-香坂真一郎(長谷川博己)の反乱

長谷川博己が主演するTBSの刑事ドラマ「小さな巨人」のあらすじとネタバレ後編です。

このページは「小さな巨人-あらすじとネタバレ」からの続きです。

■小さな巨人-あらすじとネタバレ後編

身代金の受け渡しに失敗した捜査本部は、誘拐された当日の中田和正(桂文枝)の足取りを追ったが、中田和正(桂文枝)は街の防犯カメラに一切、映っていなかったため、捜査員を動員して目撃者を探すことにした。

このとき、小野田義信(香川照之)は、部下・山田春彦(岡田将生)に「香坂(長谷川博己)に張り付いておけ」と命じ、香坂真一郎(長谷川博己)を監視させた。

さて、捜査員は目撃者を探すが、一向に手がかりは得られず、捜査本部にいらだちが募るなか、芝警察署の刑事・渡部久志(安田顕)は単独行動をしていた。

香坂真一郎(長谷川博己)が渡部久志(安田顕)を探しに行くと、渡部久志(安田顕)は自殺として処理された風見京子(富永沙織)の墓参りをしていた。

風見京子(富永沙織)は、母親に早くにしなれ、父親と2人で「風見エレック」という会社を経営していた。

山田春彦(岡田将生)が「風見京子(富永沙織)は何の開発をしていたんですか?」と尋ねると、渡部久志(安田顕)は「監視カメラに関する画像システムの開発ですよ」と教えた。

香坂真一郎(長谷川博己)が「それで、どうして、この件に拘っているんです?」と尋ねると、渡部久志(安田顕)は「前に相談しに来たんですよ。京子さん(富永沙織)の父親が」と言って教えた。

風見京子(富永沙織)は最後のSNSに「システムが完成間近。これでお父さんも楽にさせてあげる」と書き込んで喜んでおり、父・風見康夫(長江英和)は「恋人に振られたくらいで自殺するような子じゃない。もう一度調べてください」と言って、渡部久志(安田顕)に何度も頭を下げていたのだ。

渡部久志(安田顕)は、元恋人・中田隆一(加藤晴彦)から話を聞いたが「もう別れた」の一点張りで、現場に不審な点も無い事から、結局、風見京子(富永沙織)は自殺として処理された。

渡部久志(安田顕)は「でも、私は何か臭って調べてたんです。けど、1ヶ月で分かった事は、隆一(加藤晴彦)は京子さん(富永沙織)の死には関わっていないということだけです。勘なんかで動いて失礼しました。ですが、おかげでスッキリしました」と話した。

さて、香坂真一郎(長谷川博己)らが芝警察署に戻ると、芝警察署の刑事は捜査本部から外され、待機を命じられていたのだが、昇進のために勉強するわけでも無く、何もせずに時間を潰していただけだったので、山田春彦(岡田将生)は所轄の刑事は無能だと呆れる。

それを聞いた香坂真一郎(長谷川博己)は、「所轄は何も出来ないと言われてるんです。確かにこれは捜査一課が扱っている事件です。でも、その前に所轄で起きた所轄の事件のはずです。出来る事があるなら、やるべきだと思います」と言い、更なる聞き込みを開始した。

さて、お目付役の山田春彦(岡田将生)が「捜査は捜査本部に任せておけばいい」と呆れると、香坂真一郎(長谷川博己)は「その本部は何を追っているんだ?最初から不思議に思っていた。誘拐犯は捜査一課でも特殊犯の担当だ。なのに、藤倉(駿河太郎)ら2係が動いていた。なぜだ?なぜ所轄に隠す。誘拐犯の要求は本当に5億円だけだったのか?誘拐犯が連絡を取ってこないのは警察に気付いたからじゃない。その要求が果たされるのを待っているんだ。その要求はなんだ?」と尋ねた。

しかし、山田春彦(岡田将生)は「とにかく、指示があるまで待機ですよ。これは警視庁捜査一課の命令です」と命じた。

そこへ、幼稚園で聞き込みをしていた渡部久志(安田顕)から連絡がある。公園で遊んでいた園児から「黒い帽子の男を見た」という情報を得たのである。

香坂真一郎(長谷川博己)らは公園へ駆けつけて調べると、黒い帽子の男が居たという場所から、中田和正(桂文枝)のネクタイピンを発見。さらに、園児の証言から、誘拐犯は190cm以上と判明した。

香坂真一郎(長谷川博己)が「事件関係者のなかで、190cm以上の人物に心当たりがあるのでは?」と尋ねると、渡部久志(安田顕)は「風見エレックの社長・風見康夫(長江英和)、京子さん(富永沙織)の父親だ」と教えた。

香坂真一郎(長谷川博己)と渡部久志(安田顕)は、風見エレックを訪れたが、既に警視庁捜査一課が来ていた。しかも、風見エレックは3日前に不渡りを出して倒産していた。

さらに、風見康夫(長江英和)の自宅にも既に捜査一課が来ており、自殺として処理された風見京子(富永沙織)の捜査資料も捜査一課に押収され、香坂真一郎(長谷川博己)はことごとく、捜査本部に先を越されてしまった。

香坂真一郎(長谷川博己)は、山田春彦(岡田将生)が情報を漏らしたのだと確信し、「本部は何を隠している。ちゃんと説明しろ」と迫ったが、山田春彦(岡田将生)は「貴方は所轄の刑事に説明したことがありますか?あるのは命令だけです」と言い、相手にしなかった。

そのようななか、香坂真一郎(長谷川博己)は、捜査一課長・小野田義信(香川照之)から呼び出される。

小野田義信(香川照之)は「良くやった。お前の得た情報で、中田社長(桂文枝)も直ぐに見つかるはずだ」と満足していた。

香坂真一郎(長谷川博己)が「捜査一課は何を追っていたんでしょうか?」と尋ねると、小野田義信(香川照之)は「お前が言っていたように、犯人は5億円の身代金とは別に、もう1つ要求をしていた」とネタバレした。

ゴーンバンクは、新システムの完成に基づき、新規事業の発表を予定していた。犯人は、5億円の他にも、そのイベントを中止し、ゴーンバンクのニュースサイトで発表せよと要求していたのだ。

小野田義信(香川照之)は「たとえば、風見京子(富永沙織)が開発したデータが不正にゴーンバンクの手に渡ったものとする。娘のテータはゴーンバンクに盗まれたのではないか。娘が自殺したのは、恋人に利用されたからでは無いか。だから真実を知るため、中田社長(桂文枝)を誘拐した。しかし、仮説はそこまでにしておこう。犯人の動機は5億円の身代金。それだけだ。これで事件は終わりだ。これ以上、所轄が関わることは無い」と話した。

香坂真一郎(長谷川博己)が「ゴーンバンクの不正を隠蔽するということですか?」と驚くと、小野田義信(香川照之)は「仮説は仮説に過ぎない」と答えた。

そして、小野田義信(香川照之)は「今の職場はどうだ。いくらお前が優秀でも部下が無能ではやってられない。それは私も同じだ。お前が私の側に居てくれたら、この事件はもっと早く犯人にたどり着けたかもしれない。私は今回の事で、お前の価値に改めて気づいた。明日、管理職昇進試験があったな。受けろ。お前は名前を書くだけで合格する。試験を受けなさい。それでお前は捜査一課に戻れる。出世ルートに戻れる。いつかは捜査一課長。それがお前の未来だ」と話した。

その後、香坂真一郎(長谷川博己)が芝警察署に戻ると、渡部久志(安田顕)から「風見康夫(長江英和)の居場所を突き止めたら、私に交渉役を任せて頂けないでしょうか。自首を促したいんです。風見康夫(長江英和)が金目当てで事件を起こすとは思えない」と直訴された。

しかし、香坂真一郎(長谷川博己)は「ここまでにしましょう。ここから先は捜査本部の仕事です。所轄は指示があるまで待機です」と答えたので、渡部久志(安田顕)は「やっぱり、アンタは向こうの人間だったってことか」と怒った。

翌朝、捜査本部は、風見康夫(長江英和)の居場所を発見したため、小野田義信(香川照之)は突入犯を現場に急行させた。

一方、香坂真一郎(長谷川博己)は管理職昇進試験を受けるため、自宅を出て警視庁へ向かっていると、渡部久志(安田顕)から電話がかかってきた。

渡部久志(安田顕)は「私も現場に向かう」と許可を求めたが、香坂真一郎(長谷川博己)は「認めるわけにはいきません。所轄には待機と指示したはずです」と答えて電話を切った。

その後、香坂真一郎(長谷川博己)が向かったのは、管理職昇進試験の会場ではなく、芝警察署だった。

渡部久志(安田顕)は現場に行こうとしており、香坂真一郎(長谷川博己)は「言っても間に合いません。既に突入班が現場を囲んでいるはずです」と止めた。

渡部久志(安田顕)が「また、このまま待機しろと言うのか」と怒ると、香坂真一郎(長谷川博己)は「我々にできることをやるんです。風見康夫(長江英和)に自首を促す。そのためにここに来た。捜査一課には私が説得します」と言い、渡部久志(安田顕)にSNSを通じて説得するように指示した。

渡部久志(安田顕)は、死んだ風見京子(富永沙織)のSNSを使い、風見康夫(長江英和)にメッセージを送り、説得を開始した。

このとき、隠れ家に潜伏中の風見康夫(長江英和)は、中田和正(桂文枝)に毒を飲ませようとしていたが、SNSのメッセージが着信したので、殺害の手を止め、タブレットを見た。

香坂真一郎(長谷川博己)は捜査本部へ行き、捜査の指揮を執る小野田義信(香川照之)に、「突入は待って欲しい。彼らなら説得できます。風見康夫(長江英和)から相談を受けた刑事です。現場を良く知るたたき上げの刑事です。貴方なら、分かってくださるはずです」と土下座をして頼んだ。

しかし、小野田義信(香川照之)は「ああ、よく分かっている。そういう出来の悪い所轄の刑事が一番、信用できないということを」と言い、香坂真一郎(長谷川博己)を捜査本部から排除した。

さて、誘拐犯・風見康夫(長江英和)はSNSのメッセージを見て、小野田義信(香川照之)に電話を掛け、「分かった。自首する」と説得に応じた。

しかし、その瞬間、小野田義信(香川照之)が突入を指示したので、突入班が突入し、誘拐犯・風見康夫(長江英和)は取り押さえられた。ゴーンバンクの社長・中田和正(桂文枝)も無事に保護された。

捜査本部は拍手に包まれるが、香坂真一郎(長谷川博己)が苦悶の表情で小野田義信(香川照之)を見つめた。

誘拐犯・風見康夫(長江英和)は取り押さえられるとき、手に持っていた毒物を飲み込んでおり、病院へ運ばれて胃の洗浄を受けたが、未だに意識不明だった。

その後、香坂真一郎(長谷川博己)は「私は昇任試験に行っても合格できなかった。違いますか?」と尋ねると、小野田義信(香川照之)は「だとしても、お前は行くべきだったんだ。疑問を抱かず、上の命令に従う。それが組織で生きるということだ」と答えた。

香坂真一郎(長谷川博己)は「貴方に従うことで組織で生きることが出来たとしても、警察官としての自分は死ぬ事になります。それは絶対に出来ません。そしてもう1つ、この事件はまだ終わっていません。まだ裏があるはずなんです」と話した。

小野田義信(香川照之)が「その根拠は?」と尋ねると、香坂真一郎(長谷川博己)は「私の勘です」と答えた。

小野田義信(香川照之)が「お前がその言葉を口にするとわな」と笑うと、香坂真一郎(長谷川博己)は「刑事にとって何より大事なモノだと、一課長が仰っていたはずです」と答えた。

小野田義信(香川照之)が「その間に覚悟はあるのか。この警視庁捜査一課長・小野田義信の目を見て言ってみろ。覚悟の無い者に何も言う資格は無い」と問うた。

すると、香坂真一郎(長谷川博己)は小野田義信(香川照之)の目を見て、「覚悟ならあります。自分の運命を受け入れ、ここで戦う覚悟が。私は所轄刑事として捜査一課の貴方と戦ってみせる」と宣言したのであった。

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