黒革の手帖-原作のあらすじと最終回の結末ネタバレ

松本清張の原作小説「黒革の手帖」のあらすじとネタバレ後編です。

このページは「黒革の手帖-原作のあらすじとネタバレ」からの続きです。

■黒革の手帖-原作のあらすじと最終回の結末ネタバレ

医科大予備校「医科進学ゼミナール」の理事長・橋田常雄は、原口元子を目当てで、クラブ「カルネ」に通っていた。

原口元子は院長・楢林謙治を脅して4000万円を手に入れたが、クラブ「カルネ」の経営がジリ貧だったことから、理事長・橋田常雄の逢い引きに応じる約束をした。

そのようななか、クラブ「カルネ」に「島崎すみ江」という30過ぎの女性が面接に来る。

島崎すみ江は料亭「梅村」の女中で、料亭「梅村」が廃業することになったため、次の勤め先として、クラブ「カルネ」に面接に来たのである。

料亭「梅村」の女将・梅村ミキは、国会議員・江口大輔の愛人で、国会議員・江口大輔の支援で料亭「梅村」を経営していたが、国会議員・江口大輔が死んだため、料亭「梅村」の廃業を決めたのだという。

女中・島崎すみ江の話しからお金の臭いを嗅ぎ付けた原口元子は、女中・島崎すみ江を雇う約束をして、さらに女中・島崎すみ江にスパイ役を頼んだ。

国会議員・江口大輔の秘書・安島富夫はクラブ「カルネ」の客で、医科進学ゼミナールの理事長・橋田常雄と知り合いだった。

そして、理事長・橋田常雄は、国会議員・江口大輔に取り入って裏口入学の斡旋を頼んでいるという関係だった。

しかし、理事長・橋田常雄は、国会議員・江口大輔が死ぬと一転して、廃業する料亭「梅村」の女将に取り入り、廃業する料亭「梅村」を安く買い取って、転売して儲けようと考えていた。

その一方で、原口元子は、国会議員・江口大輔の秘書・安島富夫から、理事長・橋田常雄が裏口入学させた学生のリストが存在する事を教えられる。

そのようななか、理事長・橋田常雄の逢い引きの約束の日が来る。

原口元子は理事長・橋田常雄から部屋の鍵を受け取ったが、お金が欲しいという女中・島崎すみ江を説得しており、女中・島崎すみ江に部屋の鍵を渡して、身代わりとして部屋で待たせた。

部屋に入った理事長・橋田常雄は、女中・島崎すみ江が居たので驚いたが、スケベだったので、喜んで女中・島崎すみ江と関係を持ち、定期的に会う事を求めた。

一方、原口元子は秘書・安島富夫の協力で、医科進学ゼミナールの裏口入学リスを手に入れる事に成功した。

さらに、原口元子は、秘書・安島富夫に女性としての部分を呼び起こされて、秘書・安島富夫と一夜を共にする。

ところで、楢林産婦人科病院の院長・楢林謙治は、何者かの密告により、国税局の摘発を受けて信用が失墜し、業績が悪化していた(密告した犯人は中岡市子)。

さらに、院長・楢林謙治は、ホステス波子と別れ、元看護婦長の中岡市子と寄りを戻していた。

一方、ホステス波子は、院長・楢林謙治に捨てられてクラブの開業が頓挫したが、新しく総会屋をパドロンにして、銀座に大きな店「サンセボ」を手に入れていた。

ある日、原口元子は、女中・島崎すみ江から、理事長・橋田常雄に500万円を要求して欲しい頼まれた。

女中・島崎すみ江は、原口元子の勧めで理事長・橋田常雄の愛人になっており、お金の交渉は原口元子が引き受ける約束をしていたのだ。

このため、原口元子は、女中・島崎すみ江の代理人となって、理事長・橋田常雄を脅し、女中・島崎すみ江との手切れ金として1500万円の支払いを約束させた。

さらに、登記簿を閲覧して料亭「梅村」の土地が理事長・橋田常雄の物になっているのを確認した原口元子は、、裏口入学のリストを使って、理事長・橋田常雄を恐喝し、料亭「梅村」の跡地をただ同然で譲り受ける念書を取った。

その一方で、原口元子は、銀座の一流クラブ「ルダン」のオーナー長谷川庄治がクラブ「ルダン」を手放そうとしてるという情報を得ていた。

原口元子は、手元の現金は5000万円だけだが、クラブ「カルネ」や料亭「梅村」を売却すれば、計2億数千万円にはなるので、これを資金として、クラブ「ルダン」のオーナー長谷川庄治と交渉に入った。

原口元子は、クラブ「ルダン」の店舗だけを購入するのでは無く、運営会社ごと購入し、従業員やホステスを丸ごと譲り受けるという方法をとった。

オーナー長谷川庄治は2億6000万円を提示したが、原口元子はホステスが抱えている不良債権などを指摘し、大幅に値引きをさせ、2億円でクラブ「ルダン」を購入する約束を取り付けた。

ところが、数日後、クラブ「ルダン」の元ホステス映子が強力なパドロンを連れて現れ、オーナー長谷川庄治の言い値で買いたいと言い出した。

オーナー長谷川庄治は、既に売却の約束が成立した事を話しても、元ホステス映子がどうしても引き下がらないのだと言い、元ホステス映子を諦めさせるため、原口元子に手付金4000万円と正式な契約書の作成を求めた。

さらに、オーナー長谷川庄治は、原口元子の都合で購入をキャンセルした場合、手付金4000万円を没収し、賠償金として手付金と同額の4000万円を払うことを求めた。

原口元子は、オーナー長谷川庄治が出した条件を飲み、預金から4000万円を下ろして手付金とし、正式な契約書を作成した。

その後、「医科進学ゼミナール」の理事長・橋田常雄と連絡が付かなくなってしまう。

原口元子は裏口入学リストを持っているので、理事長・橋田常雄は料亭「梅村」を譲る以外に道は無いが、原口元子はオーナー長谷川庄治への支払期日が迫っており、不安でたまらない。

そのようななか、理事長・橋田常雄の方から連絡があり、原口元子は理事長・橋田常雄に会いに行き、料亭「梅村」の売却を迫った。

ところが、理事長・橋田常雄は、料亭「梅村」の土地は自分の物では無く、女将・梅村ミキの物なので、梅村ミキに売ってもらえと言い出した。

原口元子は、慌てて法務局へ行き、登記簿を確認すると、料亭「梅村」の土地は一度は理事長・橋田常雄に渡っていたが、所有者の移転が抹消され、土地の持ち主は女将・梅村ミキに戻っていた。

驚いた原口元子は、司法書士に理由を尋ねると、民法95条に「錯誤(さくご)」という法律がある事を教えてくれた。

「錯誤」とは、簡単に言えば「勘違い」の事で、第3者が介入していない場合、当事者同士が「錯誤による無効」を主張すれば、法務局は「抹消」という手続きをとり、所有権を元の所有者に戻すのである。

理事長・橋田常雄に騙されたとこに気付いた原口元子は、裏口入学のリストを公表しようと考えたが、裏口入学のリストも偽物だった事が判明する。

裏口入学のリストは、国会議員・江口大輔の秘書・安島富夫が作った偽のリストだったのだ。

理事長・橋田常雄が偽の裏口入学リストに驚いて、料亭「梅村」を譲るという念書を書いたということは、秘書・安島富夫も理事長・橋田常雄とグルだったということか…。

そもそも、料亭「梅村」の女中・島崎すみ江がクラブ「カルネ」で働いたいと言った時点から、理事長・橋田常雄の計画はスタートしていたのではないか…。

いずれにしても、原口元子は、料亭「梅村」の土地が手に入らない以上、クラブ「ルダン」を購入する事ができないため、オーナー長谷川庄治に違約金4000万円を支払わなければならなくなったが、そのような金は無い。

そこで、原口元子は川原弁護士に相談をすると、川原弁護士は、法律的には契約書は有効だが、手付金の相場は1割であり、2割は法外なので、手付金4000万円を2000万円に頼んではとうかと助言した。

契約上は「違約金は手付金の同額」となっているので、手付金が2000万円になれば、違約金も2000万円になる。既に原口元子は4000万円を支払っているので、それで勘弁してもらう作戦である。

早速、原口元子は、オーナー長谷川庄治の元を訪れ、クラブ「ルダン」が買えなくなったことを謝罪し、手付金を2000万円に減額して欲しいと頼んだ。

しかし、オーナー長谷川庄治は手付金の減額を承知せず、法的手段を取り、クラブ「カルネ」を差し押さえた。

しかも、オーナー長谷川庄治は、差し押さえたクラブ「カルネ」を総会屋・高橋勝雄に譲渡しており、総会屋・高橋勝雄の手下がクラブ「カルネ」に乗り込んでききた。

原口元子は、川原弁護士から、クラブ「カルネ」を差し押さえられても、営業権には影響がないので、通常通りに営業できると教えられており、総会屋・高橋勝雄の手下に断固として抵抗した。

すると、総会屋の手下は「社長に命令されただけなので、貴女から直接、社長に説明して欲しい」と言い、原口元子を総会屋・高橋勝雄の元に案内すると言い出した。

原口元子は、川原弁護士に同行を求めるが、川原弁護士は総会屋・高橋勝雄の名前を聞いて手を引いてしまったので、1人で総会屋・高橋勝雄の元へと向かった。

そして、総会屋・高橋勝雄の部屋で、全ての真相が明らかになった。

「医科進学ゼミナール」の理事長・橋田常雄、料亭「梅村」の女将・梅村ミキ、料亭「梅村」の女中・島崎すみ江、クラブ「ルダン」のオーナー長谷川庄治、秘書・安島富夫、みんなグルだったのだ。

さらに、原口元子は総会屋・高橋勝雄の部屋で、東林銀行・千葉支店の次長・村井亨と再会する。

原口元子が東林銀行・千葉支店時代に7568万円を横領したため、東林銀行・千葉支店の次長・村井亨は左遷され、出世の道を断たれたことから、銀行を辞めた。

そこを拾ってくれたのが総会屋・高橋勝雄で、村井亨は総会屋・高橋勝雄の会社で経理をしていたのだ。

村井亨は、原口元子にクラブ「カルネ」の権利を放棄するという念書を書かせようとしたが、原口元子は断固として拒否する。

そこへ、ホステス波子が現れた。一連の事件の黒幕は、ホステス波子だったのである。

ホステス波子は、楢林産婦人科病院の院長・楢林謙治に捨てられた後、総会屋・高橋勝雄と出会い、総会屋・高橋勝雄をパドロンにしてクラブ「サンセボ」を出店していた。

ホステス波子は、一流クラブ「ルダン」を購入することになっており、クラブ「カルネ」のような三流店には何の興味も無いのだが、過去に原口元子に「銀座で商売を出来なくしてやる」と啖呵を切っていたので、それを実現するために、総会屋・高橋勝雄の力を使って一連の事件を仕組んだのだ。

真相を知った原口元子は、ホステス波子と罵りあい、修羅場を演じる。

しかし、原口元子は、逃げるホステス波子を追いかけようとして転倒して頭を打ち、気を失ってしまう。

このとき、原口元子は、秘書・安島富夫の子供を妊娠していたが、転倒して流産してしまう。産婦人科は、どこも満員で受け入れてもらえず、ようやく、受けいれてくれる病院が見つかった。

そして、原口元子は病院の手術室で意識を取り戻すと、執刀医が楢林謙治で、看護婦が中岡市子だった。

2人に気付いた原口元子は「助けて。私は2人に殺される」と叫んだのだった。

なお、黒革の手帖の感想は「黒革の手帖-原作の結末と黒幕ネタバレ感想文」をご覧ください。

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