99.9-刑事専門弁護士2-最終回の感想がつまらない理由

松本潤が主演するTBSのドラマ「99.9-刑事専門弁護士2」の最終回(第9話)のネタバレ感想文です。

最終回のあらすじとネタバレは「99.9-刑事専門弁護士2-最終回のあらすじとネタバレ」をご覧ください。

■99.9-刑事専門弁護士2-最終回の感想

私は、ドラマ「99.9-刑事専門弁護士-シーズン2」の最終回を観て、酷い最終回だと思った。

私は日本の裁判で有罪判決が多いのは、推定無罪の原則が機能していないからだと思う。推定無罪とは、「疑わしい」とか「怪しい」という疑惑だけでは容疑者(被告人)を罰することはできないという司法の原則である。

また、推定無罪は警察やマスコミや報道にも適用されるべき原則であり、怪しいとか疑わしいというだけで、容疑者(被告人)を犯人扱いしてはいけない。

しかし、日本では推定無罪の原則が機能することは少ない。警察は容疑者を徹底的に犯人として扱い、やってもいないことを自供させ、マスコミやテレビは有罪判決を受けていない容疑者(被告人)を犯人扱いして報道している。

ドラマ「99.9-刑事専門弁護士2」もそうだ。司法の闇に切り込む作品であるにもかかわらず、ドラマ「99.9-刑事専門弁護士2」の最終回は推定無罪の原則を無視している。

弁護士の深山大翔(松本潤)は最終回で、8年前に起きた「府中市蕎麦屋放火殺人事件」の再審請求を依頼され、同事件の裁判で死刑判決を受けた死刑囚・久世貴弘(小林隆)を救うために奔走するのだが、久世貴弘(小林隆)のえん罪を証明するために、火事のあったアパートに住む教師・海老沢晋(成河)を真犯人扱いした。

深山大翔(松本潤)が久世貴弘(小林隆)を真犯人扱いした理由は次の3点である。

1・久世貴弘(小林隆)の当時の証言に矛盾がある。久世貴弘(小林隆)は「週間バイブス」が燃えていたと証言したが、灯油をかけた雑誌は瞬く間に燃えるので、何の雑誌が燃えているのかまでは判別不可能。雑誌名を覚えていたのは、灯油をかけて火を付けたときに時に見たからである。

2・久世貴弘(小林隆)は女子校の教師で、その女子校では女子生徒の体操着が頻繁に盗まれていた。久世貴弘(小林隆)の部屋に女性用の体操着があり、体操着を山岡真一(小宮浩信)に見られ、脅されていた。

3・同アパート1階の蕎麦屋から失火して火事になったが、意外に小さかった。山岡真一(小宮浩信)は、このままでは自分の部屋まで警察や消防に見られると思い、通路に置いてあった新聞・雑誌に灯油をかけて火を付けた。

深山大翔(松本潤)は、この3点を持って久世貴弘(小林隆)を火事の真犯人扱いしたのだが、久世貴弘(小林隆)がアパートに放火した犯人という証拠は何も無い。

確かに、久世貴弘(小林隆)の部屋に女性用の体操着があったことは、山岡真一(小宮浩信)がガラケーで撮影した動画から明らかにな事実である。

しかし、女性用の体操着を所持することは犯罪では無い。たとえ、久世貴弘(小林隆)が変態だったとしても、自分の部屋で楽しんでいる限りは、誰にも迷惑はかけていない。

また、久世貴弘(小林隆)が勤務する女子校で体操着が盗まれるという事件が頻発していたが、久世貴弘(小林隆)が体操着を盗んだという証拠はどこにもない。正規のルートで購入しただけかもしれない。人は変態というだけで、罪に問われることは無い。変態無罪の原則である。

仮に、久世貴弘(小林隆)が学校で体操着を盗んだ犯人だったとしても、府中市蕎麦屋放火殺人事件とは別問題である。

また、久世貴弘(小林隆)の証言が事実と異なっていたとしても、単なる状況証拠に過ぎないし、「週間バイブスが燃えていた」という証言も、「犯人しか知り得ない事実」には当たらない。

たとえは、久世貴弘(小林隆)は女性の体操着に強い興味を示す傾向があり、週間バイブスに女性の体操着が特集されいたので、週間バイブスというイメージが強く残り、火事の時に記憶が混ざって「週間バイブスが燃えていた」と証言しただけかもしれない。

つまり、深山大翔(松本潤)は、久世貴弘(小林隆)が犯人だという確たる証拠を何にも示していないのに、久世貴弘(小林隆)が放火した真犯人のごとく扱っているのだ。

そもそも、弁護士は正義の味方では無く、依頼人の利益だけを考えて働く職業なので、依頼人以外の人がどうなろうと知ったことではない。

だから、深山大翔(松本潤)は久世貴弘(小林隆)がえん罪で逮捕されたとしても知ったことでは無いのかもしれない(もちろん、久世貴弘から弁護を依頼されれば、0.1%の可能性のために全力で頑張るのだろう)。

しかし、推定無罪の原則を無視して、何の証拠も無いのに、久世貴弘(小林隆)を犯人かのように放送したドラマの制作スタッフの罪は重い。ドラマ「アンナチュラル」に登場する中堂系(井浦新)の言葉を借りれば「クソ」である。

だから、ドラマ「99.9-刑事専門弁護士-シーズン2」の制作スタッフや脚本家は、犯人扱いされた久世貴弘(小林隆)の息子に動画を撮影され、「これが貴方のファイナルカットです」と脅され、復讐されれば良いと、私は思った。

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