下町ロケット 3-ゴースト-原作のあらすじとネタバレ

池井戸潤の下町ロケットシリーズの第3弾「下町ロケット-ゴースト」のあらすじとネタバレです。

このページには「下町ロケット-ゴースト」の原作のネタバレが含まれてしますので、知りたくない人は閲覧にご注意ください。

なお、第2作「下町ロケット2 ガウディ計画」については「下町ロケット2 ガウディ計画-あらすじとネタバレ」をご覧ください。

■下町ロケット-ゴースト-原作のあらすじとネタバレ

技術力に強みを持つエンジンメーカー「佃製作所」の社長・佃航平は、大口取引先の大手農機具メーカー「ヤマタニ」から、突然、開発中の新型エンジンの取引の大幅削減を言い渡され、赤字の危機に陥ってしまう。

ヤマタニは、新社長が「農機具のエンジンは性能よりも快適性」という考え方をしており、「安さ」という方針をとったため、佃製作所の新型エンジンは必要なく、安価なエンジンメーカー「ダイダロス」のエンジンを採用するのだという。

ダイダロスは、元々は業績の良くない下請け企業だったが、現任の社長・重田登志行が社長になってから、「技術は2流、安さは1流」という方針に転換して、安売りで急激に業績を上げていた。

佃製作所にとってダイダロスは脅威だったが、社長・佃航平はあくまでも、安さではなく、技術力で勝負することを決めるのだった。

そのようななか、佃航平は、帝国重工の財前道生から、社長・藤間秀樹が経営悪化の責任を取って社長を辞任するかもしれないと教えられる。

帝国重工の次期社長は、反藤間派の急先鋒・的場俊一と見られているのだという。

そして、ロケット打ち上げプロジェクト「スターダスト計画」は、社長・藤間秀樹の肝いり事業で、打ち明け実績こそ残したが、現時点では利益になっておらず、反藤間派の的場俊一が社長に就任すれば、「スターダスト計画」は廃止されるかもしれないのだというのだ。

■殿村直弘の実家

そのようななか、佃製作所の殿村直弘は、父親が倒れたため、仕事を休んで、父親の代わりに農作業をしていた。

殿村直弘の実家は300年続く農家で、佃航平は殿村直弘の様子を見にいったとき、殿村直弘がトラクターを運転していたので、その様子を観察して何かに気付くと、トラクターに乗らせてもらった。

すると、佃航平は、田んぼをムラ無く耕すためには、トラクターのエンジンよりも、トランスミッション(変速機)の方が重要だと確信し、トランスミッションへの参入を思いついたのだった。

翌日、佃製作所は、トランスミッションへの参入について話し合うが、未経験のトランスミッションへの参入には10億円規模の投資が必要だった。

そして、トランスミッションへ参入したとしても、ヤマタニはトランスミッションを自社生産をしており、外部調達するとは考えにくかった。

しかし、社長・佃航平は、トランスミッション全体についての技術は無いが、トランスミッションで最も重要なバルブについては他社に無いノウハウを有していると言い、トランスミッションをいきなり製造するのではなく、トランスミッション用のバルブを製造することを提案した。

そこで、社長・佃航平が農機具メーカー「ヤマタニ」の工場長・入間尚人に相談してみると、入間尚人はトランスミッション用のバルブの製造を勧めた。

しかし、ヤマタニは新社長の方針で、「ギアゴースト」という創業5年のベンチャー企業にトランスミッション自体を外注する可能性があり、外注が正式決定すれば、バルブの採用は「ギアゴースト」が決めることになるのだという。

そこで、佃航平は、工場長・入間尚人にギアゴーストを紹介して貰うことになった。

佃航平がギアゴーストの本社を下見に行くと、ギアゴーストは創立5年のベンチャー企業なのに、古い町工場跡が本社だった。本社を見て面白いと思った佃航平は、ギアゴーストを気に入るのだった。

■トランスミッションへの参入

さて、「ギアゴースト」は、帝国重工の事務職だった伊丹大が設立した会社で、企画・設計・営業だけを手がけ、製造は海外企業に発注してコストダウンを図るというビジネスモデルで年商100億円を上げていた。

企画・開発を主導するのは、同じく、帝国重工出身で、帝国重工時代に天才エンジニアと呼ばれた島津裕という女性だった。

ある日、佃航平は、工場長・入間尚人にギアゴーストを紹介してもらい、ギアゴーストの社長・伊丹大と開発リーダー島津裕と会った。

ギアゴーストの本社が入る古ぼけた町工場跡は、社長・伊丹大の実家だった。

社長・伊丹大の父親が町工場を経営していたが、先が無いので社長・伊丹大は町工場を継がず、父親の代で町工場をたたんだのだという。

伊丹大は帝国重工の出身だが、機械事業部に居たので、宇宙航空部には関係なく、島津裕も研究職で、宇宙航空部には関係なかったため、佃航平のことを知らず、帝国重工のロケット事業に関わっている佃航平に興味を持った。

そこで、佃航平は、将来への危機感から、トランスミッション製造を目指していることを打ち明け、トランスミッション用のバルブ製造から手がけたいと頼んだ。

それは将来的にギアゴーストのライバルになるという宣言だったが、伊丹大は「その時はお手柔らかに」と言い、バルブ製造を歓迎し、基本設計以外は全て外注でコンペを行うため、バルブの採用は大森バルブとのコンペで決まることを教えた。

こうして、佃製作所がトランスミッション用のバルブへの参入を決定すると、佃製作所の中堅エンジニア・軽部真樹男がトランスミッション用のバルブ担当に名乗りを上げた。

軽部真樹男は、問題児だったが、以前に務めていた台東エンジニアリングでトランスミッションの開発を経験しており、自分以外に適任は居ないと考えたのだろう。

佃航平が山崎光彦に意見を求めると、山崎光彦は軽部真樹男は不器用だが、悪い奴では無いと言い、トランスミッション用のバルブ担当に軽部真樹男を推薦した。

そこで、佃航平は、軽部真樹男に加納アキと立花洋介を組ませたのだった。

一方、帝国重工の財前道生は、次期社長の的場俊一に、ロケット事業の存続を主張するが、的場俊一には宇宙事業には否定的だった。

しかも、財前道生は、宇宙航空本部長の水原重治から、次ぎに打ち上げるロケット「ヤタガラス」7号機を最後に、異動を示唆されるのだった。

■立花洋介の苦悩

さて、佃製作所の加納アキと立花洋介は、トランスミッション用のバルブの設計図を書いてみたが、軽部真樹男から静音性と軽さという難題を突き付けられた。

一方、バルブ業界大手「大森バルブ」は、これまでの取引実績などを理由に、ギアゴーストに来期のバルブの契約を求めていた。

ギアゴーストの担当者は、採用はコンペで決定するのが会社の方針だと言い、佃製作所とのコンペになることを教えた。佃製作所はヤマタニの紹介ということもあり、断れないのだ釈明する。

しかし、大森バルブは、佃製作所など聞いたことが無かったので、相手にならないと言い、佃製作所のことを調べもせず、来期のバルブの仕様を早々に決定すると、試作品を作り、ギアゴーストに契約を迫った。

ところが、ギアゴーストが、佃製作所はトランスミッション用のバルブこそ初めてでも、高い技術力があり、帝国重工の大型ロケット用バルブを手がけていることを教えると、ギアゴーストはバルブの仕様を見直し、さらなる性能アップを図るのだった。

さて、立花洋介は、軽部真樹男から突き付けられた静音性と軽さという難題をクリアした設計図を完成させたが、自分らしさが無いと言い、自分らしさとは何かを悩んでいた。

すると、立花洋介は、軽部真樹男から、「自分たちらしさが何とかっていってたよな。知りたかったら、お前らのガウディと向き合ってみろ」と言われたのだった。

一方、殿村直弘の父親は手術を終えて退院したものの、近所の人に手伝って貰っても、農業を続けるのは来年1年が限度だった。

そこで、殿村直弘は高校の同級生・稲本彰から、農業法人を設立するので、田んぼを止めるのであれば、貸すか売るかして欲しいと頼まれた。

しかし、農業法人と言っても、補助金を貰って、やっと生活できる程度の収入にしかならず、田んぼを売るにしても、貸すにしても、両親が生活できるほどの値段ではなかった。

殿村直弘は父親に同級生・稲本彰から頼まれた話をするが、父親は聞く耳を持たなかった。

■ガウディと向き合え

さて、立花洋介はバルブの設計図を完成させて試作の段階に入ろうとしていたが、調達課の光岡雅信から予算オーバーを言い渡され、設計の変更を要請された。

立花洋介は受注を優先させて利益を削るべきだと主張したが、調達課の光岡雅信は「そういう考えで仕事してたらな、ウチみたいな中小企業はあっちゅう間に赤字になっちまうんだ」と言い、立花洋介の主張を一蹴した。

報告を受けた佃航平はバルブの設計図を見て、良い設計だが、予算オーバーでは商売にならないと言い、仕様の変更を指示した。

さて、仕様の変更を余儀なくされた立花洋介は、仕様を変更すれば、性能が維持できず、大森バルブとのコンペに負けてしまうと言い、仕様変更に不満を持っていた。

しかし、立花洋介は、軽部真樹男から、お前らのガウディと向き合えと言われたことを思いだし、自分たちは心臓の人工弁「ガウディ計画」で何を学んだのかを考えた。

すると、加納アキがガウディの開発に携わったとき、病気の子供たちと向き合ったので、今はバルブに向き合うべきではないかと話した。

しかし、立花洋介は、今回の仕事で向き合うのはバルブではなく、クライアントのギアゴーストだと気付いた。

立花洋介は大森バルブとのコンペに勝つために性能を追求していたが、今回のバルブは農機具のトランスミッションに使用されるバルブであり、クライアントのギアゴーストは高性能なバルブを必要としていないのではないかと気付いたのだ。

そして、立花洋介は、ギアゴーストは農業用のトランスミッションとして最適な仕様を目指しているのだから、その仕様により沿うべきであり、自分たちが目指していたバルブはオーバースペックだと気付いた。

コンペの日、ギアゴーストの担当者・柏田宏樹は、大森バルブと佃製作所からバルブの試作品の試験結果を見て、どちらのバルブを採用するのか協議に入る。

大森バルブのバルブは、佃製作所が帝国重工のロケットエンジン用のバルブを開発したと知って、さらなる性能アップを図っており、予算はオーバーしていたが、性能と価格を考慮すれば、コストパフォーマンスが良かった。

一方、佃製作所のバルブは、予算内に収まっていたが、極めて平凡なバルブで、大森バルブのバルブと比べると性能面で見劣りした。

佃製作所は帝国重工のロケットエンジン用のバルブを手がけているという実績もあったので、どのようなバルブを作ってくるのかと期待していたが、期待外れの性能だった。

明らかに大森バルブの方がコストパフォーマンスが良いのだが、大森バルブのバルブは予算をオーバーしていたので、担当者・柏田宏樹では判断が付かず、上層部に判断を仰ぐことにした。

すると、ギアゴーストの設計責任者・島津裕は、「佃製作所の性能で十分じゃん」と言い、アッサリと、佃製作所のバルブの採用を決めた。

不思議に思った担当者・柏田宏樹が、佃製作所のバルブは平凡であり、大森バルブのバルブは高性能でコストパフォーマンスに優れている点を指摘した。

すると、島津裕は、ギアゴーストが求めているのは平凡なバルブであり、佃製作所はもっと凄いバルブを作れるが、ギアゴーストの仕様に合わせて平凡なバルブを作ったのだと教えた。

佃製作所のバルブは、性能こそ平凡だが、素材は厳選され、細部まで手が行き届いており、ギアゴーストのトランスミッションにベストマッチさせて作った物で、性能以上に優れているのだという。

さて、大森バルブの蒔田はギアゴーストから不採用の連絡を受け、上司の辰野に報告すると、辰野は激怒し、ギアゴーストとの取引停止を命じた。

蒔田は、取引停止ではビジネス上のメリットが無く、他の方法があるのではないかと反対したが、辰野はギアゴーストは潰れると言い、貸し倒れが無いように注意するように命じた。

下町ロケット 3-ゴースト-原作の最終回と結末ネタバレ」へ続く。

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