テセウスの船-音臼村事件と犯人の実話とモデルの考察と疑義

TBSのドラマ「テセウスの船」には、実話となったモデルがあるのだろうか?原作から事件や犯人の実話やモデルを考察してみる。

■音臼小無差別殺人事件と犯人モデル

音臼小無差別殺人事件は、1989年(平成元年)6月24日に北海道音臼村(おとうす村)の音臼小学校で、青酸カリの入ったジュースを飲んだ職員と生徒を会わせた21人が死亡したという事件である。

殺人容疑で逮捕されたのは、音臼村派出所に勤務する現職警官・佐野文吾で、・佐野文吾は死刑判決を受けたが、えん罪を主張して再審請求を続けている。

そこで、1989年前後に北海道で起きた殺人事件について調べてみたが、史実では、北海道でモデルになりそうな事件は起きていなかった。

ただ、第1印象では、1998年(平成10年)7月25日に和歌山県和歌山市で起きた和歌山カレー事件と似ているように思えたので、和歌山カレー事件がモデルになっているのだろう。

一方、犯人は、1997年(平成9年)の神戸事件をモデルにしたのかと思う。

■音臼村のモデル

「テセウスの船」に登場する音臼村は、第1巻の日めくりカレンダーに掲載されていた鋼材会社の住所が「札幌誌中央区南・・・以下判読不能」だったことから、北海道札幌市にある可能性が大きい。

音臼村がダムに沈むという設定だが、実話の札幌駅の南西には「定山渓ダム」がモデルだろう。

「定山渓ダム」が出来たのは1989年(平成元年)で、「定山渓ダム」が出来て、北側に「さっぽろ湖」が出来た。

「定山渓ダム」が出来て廃村が沈んだのかはまでは確認できなかったが、「定山渓ダム」が完成した1989年(平成元年)は、「テセウスの船」で「音臼小無差別殺人事件」が発生した年と一致している。

さらに、「定山渓ダム」の北西に「天狗山」がある。天狗山には天狗が住んでいるという伝説があり、天狗は「神隠し」の犯人とされている。

一方、「テセウスの船」の音臼村では、お稲荷様の祭りがあり、お稲荷様の仕業で、よくタイムスリップが起きているという設定がある。

つまり、「テセウスの船」は、実在する天狗山の天狗伝説を「お稲荷様」に変え、「神隠し」を「タイムスリップ」に変えたのだと考えられる。

ちなみに、札幌ではインスタントラーメンの「サッポロ一番」は売っていない。

■「テセウスの船」のモデル

「テセウスの船」を読んだ感じでは、「ターミネーター」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」「僕だけがいない街」に似た感じがしたが、タイムスリップ系のストーリーなので、ある程度は似たり寄ったりの設定になるのだろうと思う。

ただ、「テセウスの船」に家系図が出てきたので、作者は明らかに広瀬正の短編小説「Once Upon A Time Machine(ワンス・アポン・ア・タイムマシン)」をモデルにして漫画を描いたのだと考えられる。

■「ワンス・アポン・ア・タイムマシン」のあらすじ

主人公の元に、未来からタイムマシンでやってきた子孫が現れた。

子孫が「先祖が死ねば、自分は生まれない」と言うので、2人はタイムマシンで過去へ行き、家系図に載っている「センゾ」と「大センゾ」を戦わせた。

勝負は「センゾ」が勝ち、「大センゾ」が死ぬのだが、「大センゾ」は死に際に、側近に「私の名前を弟に継がせ、私の許嫁と結婚させよ」と言い残した。

しかし、「センゾ」と「大センゾ」のどちらが死んでも、主人公も子孫も生まれないはずなのだが、2人は消えなかった。

そこで、主人公が「大センゾに弟があったとはね。家系図にはのっていなかったな」と驚くと、子孫は「違いますよ。大センゾには、曲者に殺された兄があったのです」と答えたのだった。

■モデルの考察

広瀬正の短編小説「ワンス・アポン・ア・タイムマシン」は、タイムトラベル系の矛盾「親殺しのジレンマ」をテーマにしている。

「親殺しのジレンマ」とは、タイムトラベルで自分が生まれる前に戻り、親を殺せば、自分は生まれないので、タイムトラベルで過去へ戻れないという矛盾である。

そして、「ワンス・アポン・ア・タイムマシン」には、家系図に載っていた大セゾンには兄と弟の2人が居た。

一方、「テセウスの船」は、全てのパーツを新品と取り替えても同じ物だと言えるのか、という「セテウスのパラドックス」をテーマとしている。

また、「テセウスの船」でも、家系図が登場し、「心」と「正義」の2人(同一人物)が存在しており、「心」と「正義」の関係は大センゾの兄と弟の関係に似ている。

こうした点を考えれば、「テセウスの船」のモデルは「ワンス・アポン・ア・タイムマシン」ではないだろうか。

なお、原作のあらすじと犯人ネタバレは「テセウスの船-原作のあらすじと犯人ネタバレ」をご覧ください。

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