平川唯一のカムカム英語がヒットした理由の考察

NHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」のモデル平川唯一(ひらかわ・ただいち)の英会話番組「カムカム英語」が流行した理由の考察です。

■平川唯一のカムカム英語がヒットした理由の考察

戦後、NHKのアナウンサーをしていた平川唯一は、NHKの通訳としてGHQと交渉していたが、NHK幹部の誤解を招いてしまい、NHKを退職した。

ところが、退職から1ヶ月に、NHKからラジオの英会話番組を担当して欲しいと頼まれ、英会話番組を開始する事になった。

当時のNHKはGHQの監督下にあり、NHKはGHQの許可が無ければ番組を作る事は出来ない。実質的にはGHQの指示によって番組は作られた。このため、平川唯一が英会話番組を始めたのも、実質的にはGHQの意向と考えてよいだろう。

さて、GHQの目的は日本に民主主義を普及させることだった。

日本の漢字は複雑なので、識字率が低いと考えたGHQは、漢字が民主主義の普及の妨げになるとして、漢字を廃止(使用禁止)させようとした。

しかし、調査してみると、子供でも漢字が読めており、日本人の識字率は非常に高かったので、GHQは漢字廃止を断念している。

その一方で、GHQはラジオ番組(テレビは誕生してない)を使って日本に民主主義を普及させようとした。全ての番組を15分にしたのもGHQである。

こうした経緯から考えると、平川唯一のカムカム英語は、放送していた英会話の内容からしても、日本に民主主義を普及させるために放送されたと考えられる。

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■カムカム英語がヒットした理由

カムカム英語がヒットした理由は、明るくて楽しい内容に加え、童謡「証城寺の狸囃子」の替え歌で作ったテーマ曲「カム・カム・エブリバディ」が日本人に受け入れられたからだとされる。

ただ、戦後の英会話ブームが起きた理由については様々な説が考えられるが、現実問題としては、英会話が生活に結したからだと考えられる。

終戦直は食べる物にも困るような時代で、仕事も見つからなかったが、進駐軍相手の商売も多く、英語が話せれば、仕事にありつけたというのが実情だろう。

■カムカム英語が打ち切りになった理由

平川唯一が昭和21年2月に始めた英会話番組は、「カムカム英会話」と呼ばれて戦後の英会話ブームを巻き起こしたが、一気にブームは収束し、昭和26年2月に放送打ち切りとなった。

戦後の英会話ブームが衰退した理由は、昭和25年に朝鮮戦争が勃発し、日本に滞在していたアメリカ軍が朝鮮戦争に行ってしまい、英会で会話する必要がなくなったためだと考えられる。

さらに、日本の繊維業界は朝鮮戦争の影響で、「ガチャマン景気」「糸へん景気」と呼ばれる好景気に沸いたので、英会話が出来なくても仕事が見つかる様になった事が大きな要因だと考えられる。

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