美丘で学ぶ「アドラー心理学入門」

ドラマ「美丘(みおか)君がいた日々」第9話で、体が動かなくなった峰岸美丘(吉高由里子)が、大学でアドラー心理学の講義を受けます。(原作ではヤコブ病を発症していますが、ドラマでは病名は出ていません。)

アドラー心理学とは、オーストリアの精神科医アルフレッド・アドラーが提唱した心理学で、「勇気づけの心理学」「癒しの心理学」などとも呼ばれており、子育てにも生かされています。

ドラマ「美丘」は原作よりも多く、このアドラー心理学に時間を割いており、ドラマ内で次のような講義がありました。

「アドラー心理学によれば、人は原因ではなく目的によって行動する。過去ではなく、未来のために行動している。人格の形成についても、生まれつきの資質や過去の出来事だけではなく、人格を決めるのは未来への希望である」

「アドラー心理学では、精神的健康は愛・交友・仕事が重要だと考えられている。愛とは愛する人が居て、愛されていると実感すること。交友とは大切な家族、理解してくれる友達がおり、自分は1人ではないと実感すること。仕事は、やるべき仕事があり、誰かの役に立っていると思うこと」

最後に講師は、「憂鬱なときは、どうしたら他人を喜ばせることが出来るかを毎日考えてみることです。不幸になる人は自分の喜びばかり考えている人です」という心理学者アドラーの言葉を紹介しました。
美丘はノートに大きく「みらい」「きぼう」「じんかく」と書きます。美丘には愛し合う太一が居た。信頼できる仲間が居た。両親は「居てるだけで幸せな気分になる」と言い、人の役に立っていた。

記憶を失い、愛する太一のことを忘れてること怯えていた美丘は、アドラー心理学の受業を受けて、残りわずかな未来に希望を持つのでした。まさに「勇気づけの心理学」です。

アドラー心理学は、「過去(原因)」よりも「未来(目的)」を重視しており、一般的な心理学「フロイトの心理学」や「ユンクの心理学」とは異なります。

引きこもりの原因は「大きな挫折」だと言われており、児童虐待する親は、子供の時に親から虐待を受けていることが多いと言われています。

また、フロイトのリビドー発達5段階では、「口唇期」に異常があればヘビースモーカーや酒飲みになり、「肛門期」には金銭欲や幼児性愛などの性格に影響を与えるとされています。

このような過去に原因を求める心理学や精神分析と言った学問からすると、アドラー心理学は心理学とは少しジャンルが違うような気がしますが、非常に興味深い内容です。

「孫子」や「孔子」が有名なのに対して「墨子」が無名なように、フロイトやユンクに対してアドラーも無名です。しかし、墨子もアドラーも読めば非常に興味深い内容です。

アドラーは育児・教育現場や人間関係などで注目を集めているので、興味があれば入門書を購入するとよいでしょう。

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