松崎事件のネタバレ
DNA鑑定のミスによって引き起こされた冤罪事件「松崎事件」の概要と関係者のまとめです。松崎事件はドラマ「チームバチスタ3-アリアドネの弾丸」に登場する架空の事件です。
■松崎事件の概要のネタバレ
1991年7月21日、静岡県崎田市に住む高校1年生の女子生徒で進学塾「恵徳ゼミナール」の生徒・佐藤美湖(16歳)が、学校からの帰宅途中に行方不明になった。
その日の深夜、近くの見吉川河川敷で、遺体になった女子高生・佐藤美湖の遺体が見つかった。
女子高生・佐藤美湖には争った形跡があり、爪の間から犯人の物とみられる皮膚が採取された。しかし、他に証拠になるような物は見つからなかった。
静岡県崎田市では未成年者略取事件が2件発生していたが、いずれも未解決だった。警察には早急な事件解決が求められていた。
そこで、容疑者に浮上したのが、進学塾「恵徳ゼミナール」の講師・松崎行雄(まつざき・いくお=六平直政)だった。
松崎行雄(六平直政)は講義中に女子生徒の体に触れるなどしていたため、保護者の間で問題となっている人物だった。
ある日、松崎行雄を尾行していた警察は、松崎行雄(六平直政)が路上で捨てた吸い殻を採取し、DNA鑑定を行った。
1993年2月、DNA鑑定の結果、被害者から採取した皮膚のDNAと、松崎行雄(六平直政)の吸い殻から採取したDNAとが一致したため、警察は松崎行雄を連行する。連続の取り調べの末、松崎行雄が自供したため、警察は松崎行雄を逮捕した。
■松崎行雄(六平直政)のその後のネタバレ
その後、DNA鑑定の黎明期だった20年前の技術では、同じDNAをもつ者が静岡県内だけでも4000人居ることが判明。唯一の物証となっていたDNA鑑定の信頼性が崩れ、松崎行雄は事件から20年後に松崎事件のやり直し裁判で無罪判決を勝ち取る。
■松崎事件の再来
松崎行雄が無罪判決を勝ち取ってら間もないある日、東京都桜宮市を流れる阿久瀬川の土手で、女子高生・三谷優花(戸井智恵美)の遺体が見つかった。
司法解剖の結果、三谷優花(戸井智恵美)の死因は、頸動脈洞を圧迫したことによる窒息死と判明する。また、再灌流性出血(さいかんりゅうせいしゅっけつ)や肋骨が折れていることなどが判明する。
三谷優花(戸井智恵美)の司法解剖の結果は、松崎事件で殺害された女子高生・佐藤美湖との共通点が多く、松崎事件の再来と噂された。
ある日、捜査に当たっていた桜宮署の刑事・玉村誠(中村靖日)が、三谷優花(戸井智恵美)の遺体を発見した現場付近の倉庫から、松崎行雄(六平直政)の指紋が付着したマッチを見し、松崎行雄が容疑者に浮上する。
ところが、ある日、松崎行雄が自宅で死亡した状態で見つかった。第1発見者は、松崎行雄から話しを聞くために自宅を訪れた田口公平(伊藤淳史)であった。
■女子高生連続殺人事件
松崎事件を発端に、20年間のうちに神奈川県・静岡県・山梨県を流れる阿久瀬川水系の川辺で女子高生7人が死亡していたことが判明する。
7人のうち3人が、頸動脈洞の圧迫痕や肋骨骨折という共通点があり、一連の事件が連続殺人事件であることが判明する。いずれの女子高生も監察医制度の無い場所で死亡しており、4人は病死・事故死扱いとなっている。
■三谷優花(戸井智恵美)殺人事件の犯人像
再灌流性出血(さいかんりゅうせいしゅっけつ)は、一度止まった心臓を動かした証拠で、肋骨の骨折は度重なる心臓マッサージによるものと推定される。
犯人は、女子高生・三谷優花(戸井智恵美)の頸動脈洞を圧迫し、窒息死させては、心臓マッサージで蘇生させ、心停止と蘇生とを繰り返した末、窒息死させた異常者とみられる。
20年前の松崎事件で殺害された女子高生・佐藤美湖にも再灌流性出血と肋骨の骨折との記録が残っており、三谷優花(戸井智恵美)と同様の手口で殺害されたとみられ、犯人は同一人物だと思われる。
■笹井重彦(ささい・じげひこ)
笹井重彦は法医学者で、松崎事件でDNA鑑定を行った人物。20年前の当時はDNA鑑定の技術が確立されておらず、笹井重彦は鑑定結果の精度を伝え、DNA鑑定を捜査手法の1つに過ぎないと主張していたが、警察はDNA鑑定の結果を事件の決定的な証拠として使用した。
その結果、冤罪事件「松崎事件」に発展し、笹井重彦はDNA鑑定のミスを悔やんで自殺した。
笹井重彦は、法医学教室の准教授・笹井スミレ(小西真奈美)の父親である。
■北山錠一郎(尾美としのり)
北山錠一郎(尾美としのり)は警察庁刑事局の審議官。20年前の松崎事件では、捜査責任者を務め、連日の取り調べにより、松崎行雄(六平直政)から自供を引き出していた。
逮捕から数年後、松崎事件で採取したDNAと同じDNAをもつ人物は、静岡県だけでも4000人居ることは判明し、北山錠一郎は無実の人間を逮捕したことを自責していた。
松崎事件のやり直し裁判の判決が出る数日前、北山錠一郎は縦型MRI室で、殺人事件に見せかけた自作自演の自殺により死亡する。
■宇佐美壮一(福士誠治)
宇佐美壮一(福士誠治)は警察庁刑事局特命広域捜査官で、死亡した北山錠一郎(尾美としのり)に代わり、松崎事件の犯人を追っている。
宇佐美壮一は過去に投降する犯人に発砲して射殺した。そのとき、北山錠一郎(尾美としのり)が犯人の拳銃を発砲し、「犯人が先に発砲した」として、宇佐美壮一を助けた。
このため、宇佐美壮一(福士誠治)は北山錠一郎(尾美としのり)を父親のように慕っており、北山錠一郎の意志を継いでいる。
■斑鳩芳正(いかるが=高橋克典)
斑鳩芳正は、警察庁の長官官房付情報統括室室長で、松崎事件のやり直し裁判の広報を担当している。
斑鳩芳正は2001年当時、神奈川県警の鑑識課に所属しており、2001年に神奈川県三巻市の阿久瀬川水系河川敷で見つかった女子高生の検視を行い、病死と鑑定していた。
松崎事件のDNA鑑定を行った法医学者・笹井重彦(ささい・じげひこ)の教え子だった。
■島津吾郎(安田顕)
島津吾郎は、東城医大・放射線科の准教授で、AIセンター委員。島津吾郎は松崎事件で逮捕された松崎行雄(六平直政)の実の息子だった。
事件当時、逮捕された松崎行雄は息子の島津吾郎(当時は松崎吾郎)に無実を訴えていたが、島津吾郎はDNA鑑定の結果を根拠に父親・松崎行雄を犯人と決めつけ、父親を捨てて、養子縁組により、島津姓を名乗って生きていた。
■井野悦郎(甲本雅裕)=真犯人
井野悦郎(甲本雅裕)は、「松崎行雄支援者の会」の代表。井野悦郎は、松崎行雄(六平直政)が宇佐美壮一(福士誠治)から尋問されたことを、桜宮署へ抗議し、松崎行雄の虚偽のアリバイを証言する。
井野悦郎(甲本雅裕)は大学時代に進学塾「恵徳ゼミナール」でアルバイトをしており、松崎行雄(六平直政)と知り合いだった。
井野悦郎(甲本雅裕)は美容クリニックの整形外科医だったが、脂肪吸引事故により、裁判「ウェルフィールド訴訟」を起こされたことを切っ掛けに、エステ経営などの実業家へ転身していた。
井野悦郎(甲本雅裕)は20年前、進学塾「恵徳ゼミナール」の生徒・佐藤美湖に好意を抱いており、ただ話したかっただけだが、佐藤美湖が騒いだため、首を絞めて殺害してしまった。その他の女子高生殺人事件は、衝動的な快楽殺人だった。
松崎行雄(六平直政)に疑われたため、松崎行雄も殺害している。
■尾崎健二(升毅)
尾崎健二(升毅)は、「松崎行雄支援者の会」の弁護士。井野悦郎(甲本雅裕)と一緒に桜宮署で、松崎行雄への尋問を抗議する。
尾崎健二(升毅)は、実業家・井野悦郎(甲本雅裕)の弁護を担当したことを切っ掛けに、5年前に「松崎行雄支援者の会」の弁護士を担当することになる。
ドラマ「チームバチスタ3アリアドネの弾丸」の原作や主題歌は「チーム・バチスタ3の原作と主題歌」をご覧ください。