弓成亮太と三木昭子の不倫のネタバレ
山崎豊子の小説「運命の人」に登場する毎朝新聞の記者・弓成亮太は、国家公務員法100条「守秘義務」に対する「そそのかし罪」で逮捕・起訴され、懲役4月・執行猶予1年の有罪判決を受けた。
東京高裁の判決によると、毎朝新聞の弓成亮太は女性事務官・三木昭子に機密漏洩をそそのかしたとされるが、弓成亮太にそそのかし行為(慫慂行為)は本当にあったのだろうか。
確かに、機密文書を漏洩した外務省の女性事務官・三木昭子は人妻であり、夫の三木琢也に弓成亮太との不倫が発覚することを恐れたかもしれない。
しかし、山崎豊子の小説「運命の人」で問題となる外務省機密漏洩事件において、毎朝新聞の弓成亮太にそそのかし行為があったとは考えにくい。その根拠は2つある。
第1は、三木昭子の行動である。山崎豊子の小説「運命の人」3巻のP127を解釈すると、弓成亮太がアメリカへ出張したさい、三木昭子はエアメールで2度も機密文書を送っている。
このとき、弓成亮太は三木昭子に滞在先を伝えておらず、三木昭子は毎朝新聞へ電話して弓成亮太の滞在先を聞き、エアメールを送っている。
第2は、弓成亮太のネクタイである。山崎豊子の小説「運命の人」1巻のP150で、弓成亮太が着用しているネクタイは、プレゼントされた物であることが分かる。ネクタイは銀座にある老舗「フジヰ」で購入した物で、高価なネクタイである。
このネクタイの送り主は明確になっていないが、送り主が不倫相手の女性事務官・三木昭子であることは明白である。
エアメールの郵送もネクタイのプレゼントも、三木昭子による自発的行為である。三木昭子が弓成亮太との不倫によって夫に負い目を感じていたとすれば、ネクタイを贈ったり、エアメールを送ったりすることはあり得ない。
したがって、弓成亮太と三木昭子の関係は対等なW不倫であり、外務省機密漏洩事件において、弓成亮太による強要やそそのかしは無かったことは明白である。
山崎豊子の小説「運命の人」の登場人物のモデルについては「小説『運命の人』の登場人物のモデル一覧」をご覧下さい。