思いわずらうことなく愉しく生きよ-ネタバレ感想文
NHKドラマ「カレ、夫、男友達」の原作となる江國香織の小説「思いわずらうことなく愉しく(たのしく)生きよ」のあらすじとネタバレを含んだ読書感想分の後編です。
このページは「思いわずらうことなく愉しく生きよ-あらすじとネタバレ感想文」からの続きです。
このページには、江國香織の原作小説「思いわずらうことなく愉しく生きよ」のあらすじやネタバレが含まれているので、あらすじやネタバレを知りたく無い人は閲覧にご注意下さい。
次は、次女の犬山治子についてのネタバレと感想。犬山治子は同棲相手の熊木圭介からプロポーズされるのだが、断ってしまう。
その後、犬山治子の肉体関係を暴露する匿名の手紙から、河野健の浮気メール問題へ発展し、熊木圭介は出て行ってしまう。
犬山治子は熊木圭介と破局するが、最終的には河野健とベッドインするという結末を迎えるので、ハッピーエンドだ。
犬山治子は、「上手くいっているのに、何で結婚なんて言い出すの。このままのどこが不満なの」と言い、同棲相手の熊木圭介からのプロポーズを断った。この詭弁が、私には理解できない。
それに、河野健と寝る犬山治子の心境も理解できなかった。だから、犬山治子にも感情移入ができなかった。
最後は3女の犬山育子についての感想。犬山育子は高校時代に、土木作業員のおじさんやホームレスとセックスをして、謹慎処分になるという変わった女性だ。
犬山育子は恋愛について紆余曲折するのだが、最終的には「交際の段階を踏む」という岸正彰と肉体関係を持つ。岸正彰と結ばれた3女の犬山育子も、ハッピーエンドだ。
犬山育子は誰とでも寝る「西部劇に登場する娼婦」で、キリスト教には興味が無いが、キリスト像などに興味を持っている。
旧約聖書に登場する「マグダラのマリア」には、娼婦だったという説がある。著者の江國香織は、犬山育子を「マグダラのマリア」の象徴として描いたのだろうか。
犬山育子が「マグダラのマリア」なのであれば、小説としての解釈や、「思いわずらうことなく愉しく生きよ」という教訓の意味もかわってくるのかもしれない。
しかし、私はキリスト教に興味が無いので、詳しいことは分からない。
さて、NHKドラマ「カレ、夫、男友達」の原作ということで、江國香織の原作小説「思いわずらうことなく愉しく生きよ」を読んだ。
NHKドラマはほとんど観ないし、NHKドラマの原作も読まないのだが、2011年10月期の民放ドラマは原作のあるドラマが少ないので、HNKドラマの原作に手を出してみた。
私は、登場人物の犬山3姉妹に感情移入できなかったし、DV問題も興味が無かったので、江國香織の小説「思いわずらうことなく愉しく生きよ」は、つまらないと思った。
犬山家の家訓「人はみないずれ死ぬのだから、そしてそれがいつなのかはわからないのだから、思いわずらうことなく愉しく(たのしく)生きよ」は、長ったらしくてインパクトに欠ける。家訓は、もっとインパクトがある、分かりやすい方が良かったのではないか。
江國香織の文章は、途中に説明が入るので読みづらい。江國香織の小説を読んだのは、本書が初めてだったので、よく分からないのだが、これが江國香織の特徴なのだろうか。
NHKドラマ「カレ、夫、男友達」の原作なので最後まで読んだが、説明文が登場する度に、読むのを止めたくなった。
文章が女性的で、全体的な雰囲気はあるのだが、「ここが面白い」と言えるところが無かったため、感想文も書きにくい。全体的に苦手な小説だった。
小説「思いわずらうことなく愉しく生きよ」は、前クールに放送していたTBSドラマ「華和家(はなわけ)の四姉妹」と姉妹のキャラクターが少し被っていたのも面白味に欠けた原因かもしれない。
ただ、表現や描写などは素晴らしい部分が多かったので、恋愛小説以外のジャンルの作品を読んでみたいと思った。
小説「思いわずらうことなく愉しく生きよ」は、真木よう子の主演でNHKドラマ「カレ、夫、男友達」になるので、ドラマ・原作漫画「華和家の四姉妹」が面白いと思った人には、NHKドラマ「カレ、夫、男友達」も面白いと思えるだろう。
NHKドラマ「カレ、夫、男友達」では、長女を木村多江、次女を真木よう子、3女を夏帆を演じる。主役は次女の真木よう子だ。
不幸系女優で定評のある木村多江が長女だし、誰とでも寝る3女を夏帆が演じるのでドラマは面白そうだ。原作はイマイチだったが、夏帆のベッドシーンに期待して、NHKドラマ「カレ、夫、男友達」を観ようと思う。
追記:恋愛小説が好きではないので、つまらなかったという感想自体には変わりはないのだが、自分で文章を書くときに少し変化を感じるようになった。何かは分からないが、本書から大きな影響を受けた気がする。そういう意味では、お薦めしたい1冊である。
私が絶賛したお薦めの小説は「読書のソムリエが絶賛する本」をご覧下さい。
コメント欄
あなたが女性でないから
おもしろくないのですよ
原作がおもしろくないから、感想文も点でバラバラなんですね。ここまでこきおろされると逆に見てみたいと思いました。ありがとうございました。
文章は味わうものなのですよ
この本に登場する3名の女性+お母様みんなに共感するところが多々あり、なんて「女の業」を描きまくった作品なんだろうと思いました。男性でこんなのわかる人いるのか?と思いつつ読んだのですが、女性でもわからないという方がいらっしゃっておどろいております。私なんてほーんと全部持ち合わせているので。。。
うまく行ってるのにどうして結婚なんて・・・はフランス人ならほとんどの人がこう言いますよ。事実婚で子供が出来たら結婚。これが21世紀の正しい結婚のあり方です。