南極大陸の感想と視聴率

香川照之が出演するTBSの南極ドラマ「南極大陸」の第1話の感想と視聴率です。あらすじは「南極大陸のあらすじとネタバレ」をご覧ください。


視聴率については「南極大陸の視聴率の一覧」をご覧ください。
ドラマ「南極大陸」はフィクション(創作)なので、第1話は実話とは違う部分が多かったが、ドラマ「南極大陸」の第1話は面白かった。
第1次南極観測隊が東京晴海埠頭を出発したのは、1956年(昭和31年)11月8日。日本が第2次世界大戦で負けたのが、1945年8月15日なので、ドラマ「南極大陸」は敗戦から約11年後の話しである。
元々、日本は赤道地帯に基地を建設して観測する予定だったので、
南極で観測する予定は無かったのだが、赤道地帯を占領していたアメリカが反対したため、日本は南極観測を行うことになった。
それで、日本は南極のノックス海岸に基地を建設しようとしたのだが、ロシア(ソ連)が反対したため、日本はプリンス・ハラルド海岸に基地を建設することにした。
その辺りはがドラマ「南極大陸」では描かれていなかったのは、残念だった。
日本が向かうプリンス・ハラルド海岸が「inaccessible(インアクセサブル=接近不可能)」と呼ばれているのは、アメリカやイギリスが何度も接岸に失敗したためである。
アメリカは1947年に南極調査「ハイジャンプ作戦」を行い、プリンス・ハラルド海岸に接岸しようとしたのだが、接岸に失敗したため、報告書に「naccessible(インアクセサブル)」と記載した。だから、プリンス・ハラルド海岸はインアクセサブルとされていた。
プリンス・ハラルド海岸は前人未踏の地だが、ノルウェーの探検家Nクリステンセンが航空写真を撮り、各地に名前を付けていた。
プリンス・ハラルド海岸の由来は、ノルウェー国王ホーコン7世の孫の名前である。日本が昭和基地を建設するオングル島は、ノルウェー語で「釣り針」という意味である。
プリンスハラルド海岸は前人未踏の地なのに、倉持岳志の父(渡瀬恒彦)はどうして神の山「ボツンヌーテン」の存在をしているのか、という疑問を持つ人も居るかもしれないが、ノルウェーの探検家Nクリステンセンが航空撮影していたので、各地に地名を付けて、地図を作っていたのである。
ちなみに、ボツンヌーテンはノルウェー語で「奧岩」という意味である。
さて、日本が南極観測へ行けるようになったのは、朝日新聞の力が大きい。ドラマ「南極大陸」でいえば、新聞で募金を呼びかけた帝都新聞にあたるだろう。
朝日新聞の矢田喜美雄が南極での観測を上司に直訴して、朝日新聞の主催する「南極学術探検計画」が動き出す。南極学術探検は、朝日新聞が1億円を出して、学者を南極へ送り、朝日新聞が独占スクープをするという計画だった。
日本の大学教授らで構成する「日本学術学会」があり、日本学術学会の会長・茅誠司(かや・せいじ)や永田武らが、国際地球観測年(IGY)について動いていたのだが、お金がないので南極観測は諦めていた。
そこに、朝日新聞が茅誠司らに「南極学術探検」を持ちかけて、「南極学術探検」がスタートした。しかし、その後、1億円や2億円では南極へ行けないことが分かり、「南極学術探検」が国家事業の「南極観測事業」へと発展したのである。
第1次南極地域観測隊などと呼ぶようになったのは後になってのことで、当時は第1次南極地域観測隊を「予備観測隊」と呼び、第2次南極地域観測隊を「本観測隊」と呼んでいた。
国際地球観測年(IGY)の開催期間が1957年7月から1958年12月の間で、本観測隊がその開催期間に南極で越冬する予定だった。前年度に行く予備観測隊には越冬する予定は無く、昭和基地を建設して帰ってくる予定だった。
そういう予定で南極観測の準備が進めていたのだが、やがて、設営の重要性が分かる。南極へ行くのは学者ばかりだったため、設営のプロは居なかった。そこで、茅誠司が日本山岳会に相談する。
そして、日本山岳会が紹介したのが、後に第1次越冬隊の隊長となる西堀栄三郎だった。西堀栄三郎はカリスマ探検家というだけでなく、南極の研究家で、南極観測には最適な人だった。
西堀栄三郎は東京電気(現在の東芝)時代に「真空管ソラ」を開発した人物で、東京電気時代にアメリカ留学したときに、南極について多くを学んでいた。
ドラマ「JIN-仁-2」を観た人は、JIN2に田中久重(浅野和之)という人物が登場したのを覚えているだろう。田中久重は、南方仁(大沢たかお)に豆電球を渡した人物である。
田中久重は実在の人物で後に東芝を創業する人物である。そして、西堀栄三郎は東芝時代に真空管ソラを開発した人物である。
気付く人は気付くと思うので、あえて言わないが、東芝は凄い会社でなのである。「南極大陸の第1話の感想の後篇」へ続く。

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