フリーター、家を買う。の感想の最終回

有川浩の原作小説「フリーター、家を買う。」の感想とネタバレの最終回です。このページは「フリーター、家を買う。の感想」からの続きです。

あらすじは「フリーター家を買うのあらすじ」をご覧下さい。

主人公の武誠治はそこそこ知名度のある2流大学を出て中流の会社に入るのですが社員研修に馴染めず、3ヶ月で会社を辞めてしまいます。

そこからフリーター生活に入るわけですが、そこそこの大学を出てそこそこの土木会社「大悦土木(株)」に採用されていたのだから、そこそこの能力はあったのだと思います。

実際、大悦土木(株)に就職して直ぐに、古い書類をパソコンへ落とし込んだり、倉庫の活用法や在庫の仕入れ改善案を出したりしています。「新卒お断り」という大胆な採用案も考えており、捨て猫を助けるときもテキパキと指示も出しています。

武誠治はダメなフリーターから成長して正社員になったというよりも、元々そこそこの能力があり、最初の会社も辞めずに働いていれば、それなりに出世していたのではないかと思いました。

仕事のうえでの成長が無かったので物足りなかったです。大悦土木(株)に入っても仕事上で紆余曲折があって欲しかったです。

武誠治は土木会社「大悦土木(株)」に入る前、医療関連会社「ミキ医療技研」からも内定を受けますが、大悦土木(株)へ就職磨ることを選びます。

「経理の鬼」と呼ばれる父親の武誠一は、土木会社「大悦土木(株)」の就職に反対しなかったのか疑問です(土方にするために大学まで出したのではないと反対したが、それは別です)。

公共事業削減の影響で建設会社や土木工事会社などは次々に倒産しているのだから、経理の鬼と呼ばれる武誠一は土建屋への就職に反対すると思いましたが、反対しませんでした。別のルートから財務状態を調べたのでしょうか?謎です。この点がどうしても納得できませんでした。

大悦土木(株)は孫請け業者なのに、社長も気前が良く、武誠治・千葉真奈美・豊川哲平の3人を採用したり、倉庫を整理したり、景気も良さそうでした。このあたりも景気と逆行しているようで、違和感が残りました。

武誠治が父親に面接のことを相談して、父親の機嫌がよくなるところは、父親の心理を良く突いたシーンだと思いました。父親のアドバイスが実際に面接で通用するのか否かは分かりませんが、なかなか参考になりました。

武誠治と千葉真奈美の恋愛についてはおまけ程度でした。武誠治は草食系男子なのか、母親をうつ病にしてしまった自責の念からなのか、千葉真奈美とまぐあわないので理解出来ませんでした。

小説のタイトルは「フリーター、家を買う。」ですが、武誠治が用意したお金は200万円だけで、姉が置いていった100万円とを合わせた300万円を頭金にしましたが、実際に家を購入したのは父親の武誠一でした。

別に家を購入しなくても、借家でも良かったし、別の社宅へ移れば住む話ではないのかと思ったことは秘密です。

酒に酔った父親が社宅だから家賃が安いことを喋ってしまったため、一家は村八分になってしまったので、武一家の後にこの家に住む人間は理由も分からず、村八分になってしまうのではないかと心配してしまいました。

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