「聖なる怪物たち」の犯人のネタバレ感想文の最終回
ドラマ「聖なる怪物たち」の原作となる河原れんの原作小説「聖なる怪物たち」のあらすじと犯人や黒幕や結末のネタバレを含んだ読書感想文の後編(最終回)です。
このページには、小説「聖なる怪物たち」のあらすじと犯人や結末のネタバレが含まれているので、犯人や黒幕のネタバレを知りたく無い人は閲覧にご注意ください。
このページは『「聖なる怪物たち」のあらすじと犯人のネタバレ』からの続きです。
では、子供・慶の父親は誰なのだろうか。私は、子供・慶の父親は犯人の日向敏雄だと思った。黒幕の春日井優佳は、その場を取りなすために嘘のDNA鑑定結果を発表したのだと思う。
元々、代理出産を提案したのは不倫相手の有馬三恵だった。有馬三恵が代理出産を提案したのは、自分が妊娠していることを知っていたからだろう。なぜなら、有馬三恵が代理出産を提案する動機が他に無いからだ。
代理出産は、日向敏雄と日向圭子の2人から精子と卵子とを取り出し、人工授精させてから有馬三恵の子宮に受精卵を着床させるという手順になる。
当然、受精卵を着床させる病院は、有馬三恵の妊娠の有無を調べるはずなので、有馬三恵の妊娠は分かっていたのではないか、という疑問が生まれる。
くわえて、有馬三恵は子宮に受精卵を着床させた病院で出産すれば良かったのではないか、という疑問も生まれる。
もし、他の病院で出産させて代理出産が明るみに出ならば、着床させた病院にも日本で禁止された代理出産を行った倫理的な責任が問われる。
一般的な不妊治療では、受精卵を着床する病院と通院・出産する病院は違うケースもあるのかもしれないが、犯人の日向敏雄は認められていない代理出産を行っているのだから、受精卵を着床させた病院が出産までを手がけるはずだ。
例えば、泥棒は、足が付かずに盗品を売りさばくルートを確保しているから、物を盗むのだ。盗んだ物を売りさばくルートが無ければ、盗まない。
妊娠すれば出産することは明白の理である。代理出産を計画した時点で、受精卵を着床させる病院だけ見つけて、出産する病院を見つけていないというのは不自然である。
有馬三恵が受精卵を着床させた病院で出産しなかった件については、何か特別な理由があるのではないか。
おそらく、犯人の日向敏雄と死んだ有馬三恵の2人は、妊娠の事実を知っていたのだろう。だから、2人は妻の日向圭子を騙すために、病院で夫婦の受精卵を有馬三恵に着床させる振りをしたのではないか。
そして、外科医の司馬健吾が血液型を根拠に事件の真相を話したとき、看護婦長の春日井優佳は、妹・平井瑶子のために優しい嘘をついたのではないか、と私は思った。
さて、小説「聖なる怪物たち」を読み終えて、代理出産について調べてみたところ、2011年12月の時点では日本に代理出産に関する法律は無かった。
したがって、日本で代理出産を行っても違法や脱法ではなく、日本産科婦人科学会が定めた自主規制に反するだけで、あくまでも医師側の倫理の問題である。
代理出産が犯罪でなければ、別に外科医師の司馬健吾らに有馬三恵が代理出産だと知られてしまっても、何の問題も無かったように思える。
それに、有馬三恵がどこかの田舎で出産したり、海外で出産していれば有馬三恵は死なずに済んだのではないか、と思った。
また、「あらかじめ予定」という表現も気になった。予定とは「予め定める」ことなので、「あらかじめ予定する」は重複表現になる。
重複表現で「あらかじめ」を強調しているため、「あらかじめ」が伏線なのかと思って読んでいたが、伏線では無かった。単なる重複表現だったので、単に「予定」で良かったと思う。
さて、小説「聖なる怪物たち」は、結末で子供・慶の父親を読者に投げたために荒さが目立ったが、それなりに面白かった。
妊婦の有馬三恵が手術中に死んだ原因は看護婦長・春日井優佳の輸血ミスで、外科医師の司馬健吾も医療ミスの発覚を恐れてデータを消去した。
各登場人物が少しずつ罪を犯している鬱エンドなので、読み終わってもスッキリした気持ちには成れなかったが、値段分くらいは楽しめる小説だった。
コメント欄
読み終わってもスッキリした気持ちには成れなかったが、値段分くらいは楽しめる小説だった。
何威張ってんだよ
私ももっと知りたいので教えて下さい。中谷三恵のこと、
詳しく教えて下さい。全部教えて下さい。
鈴木夏未さんへ
ドラマを観て興味が湧いたのであれば、原作を読んでみてはいかがでしょうか。さらに、「聖なる怪物たち」の世界が広がると思いますよ。
聖なる怪物たちが8話で終わってしまうのは、残念です。原作とは少し違うみたいですね。 ドラマ」を見終わってから原作を読んでみます。有難うございます