ホテル王山のマッチの秘密
本木雅弘が逮捕されるTBSの外務省機密漏洩事件(西山事件)ドラマ「運命の人」の第4話の感想と視聴率です。第4話の視聴率は11.6%でした。
第4話のあらすじは「運命の人-第4話のあらすじとネタバレ」をご覧ください。
さて、ドラマ「運命の人」の第4話では、外務省機密漏洩事件(西山事件)で重要なキーワードが4つ登場した。
1つ目は、正木次席検事が毎朝新聞の記者・斉田に教えた「クリーンハンドの原則」である。
クリーンハンドの原則とは、イギリスの「裁判所に訴える者は、綺麗な手で訴え無ければならない」という慣例法である。ドラマ「運命の人」では、「人を裁く者は、自分の手が汚れていてはならない」と紹介された。
クリーンハンドの原則については以前に紹介したので、詳しくは「クリーンハンドの原則(クリーンハンズの原則)」をご覧ください。
2つ目は、弓成亮太(本木雅弘)が逮捕されたとき、妻の弓成由里子(松たか子)が証拠の書類を燃やして、証拠を隠滅した点である。
弓成由里子(松たか子)が証拠を隠滅したので、弓成亮太(本木雅弘)が国に機密文書の開示請求訴訟を起こしたとしても、「弓成由里子も資料を焼却処分して、証拠を隠滅したじゃないか」と思ってしまう。ここにもクリーンハンドの原則が効いている。
3つ目は、起訴状の「密かに情を通じ」である。この起訴状により、弓成亮太(本木雅弘)が三木昭子(真木よう子)と肉体関係を持っていたことが明らかとなった。
4つ目は、「OHZAN(ホテル王山)」のマッチである。ホテル王山とは、弓成亮太(本木雅弘)が三木昭子(真木よう子)と寝ていたホテルである。
(ホテル王山のモデルは、東京都渋谷区松濤1丁目4-9に在ったホテル山王です。現在はこの住所にホテル山王はありません。)
検事がマッチを出した時点で、弓成亮太の負けは決まった。将棋で言えば、詰みである。
検事がホテル王山のマッチを持っていたということは、弓成亮太(本木雅弘)が三木昭子(真木よう子)と姦通していることなど、全てお見通しという意味である。
しかし、ホテル王山のマッチの問題点は、弓成亮太の肉体関係の有無ではなく、「どうして検事がホテル王山での不倫を知っていたか」という点である。
この時点では、弓成亮太(本木雅弘)も三木昭子(真木よう子)も肉体関係があったことなど自供していない。にもかかわらず、検事は既にホテル王山のマッチを入手していた。実に不思議だ。
なぜ、検事はホテル王山のマッチを持っているのか。また、弓成亮太(本木雅弘)と三木昭子(真木よう子)の肉体関係を知り得たのか。
弓成亮太の自宅などから証拠としてホテル王山のマッチを押収したとも考えられるが、その可能性は低い。私は、政府が弓成亮太に尾行を付けていたから、検事は全てを知っていたのだと思う。
外務省の機密電信文を入手した弓成亮太(本木雅弘)は、解説という形で沖縄返還密約疑惑を報じる署名入り記事を書いた。
この記事を読んで、沖縄密約に関する機密文書が漏洩していると悟った佐橋総理(北大路欣也)は、警察庁長官の十時正春(伊武雅刀)に命じて、記事を書いた弓成亮太をマークさせた、のではないか。
それ以降、弓成亮太(本木雅弘)には四六時中の尾行が就き、行動は全て把握されていたに違いない。
弓成亮太は尾行に気付かず、三木昭子とホテル王山で姦通していたので、検事はホテル王山のマッチを入手できたのでないか。
ドラマ「運命の人」の第3話では、弓成亮太(本木雅弘)を見張る謎の男の影が映っている。この謎の男が尾行していたのだろう。ホテル王山のマッチの秘密は、大体こんなところである。
第5話のあらすじは「運命の人-第5話のあらすじとネタバレ」をご覧ください。実話「運命の人」については「外務省機密漏洩事件(西山事件)のあらすじとネタバレ」をご覧ください。