杉田直子と杉田藻奈美の秘密とネタバレと感想

東野圭吾(ひがしの・けいご)の原作小説「秘密」のあらすじとネタバレの杉田直子と杉田藻奈美のネタバレと感想です。このページは「秘密のネタバレと感想」からの続きです。

ネタバレは「秘密のネタバレ」をご覧下さい。

妻の杉田直子は杉田藻奈美の体を借りて若返ります。誰もが1度は考えたことがある「もし小学生や中学生に戻れたら」という願望を叶え、小学生に戻った杉田直子は、勉強に励み、脳の勉強をするために医学の道を志します。

色々と理由はあるでしょうが、杉田直子は脳の勉強をして、娘の杉田藻奈美を助けようとしたのだと思います。

盗聴をしていた杉田平介と喧嘩をしたさい、杉田直子は杉田平介に「藻奈美」と呼ばれて、涙を流して部屋に閉じこもります。

その後、杉田直子と杉田藻奈美とが交互に現れるようになり、段々と杉田直子が現れる時間は減っていきます。ある日、杉田直子は初デートをした山下公園で、杉田平介に別れを告げます。そして、杉田藻奈美は完全に杉田藻奈美となりました。

杉田平介は杉田藻奈美の結婚式当日に、時計屋の店主・松野浩三から、杉田藻奈美は母親がテディベアの中にしまった指輪を溶かして自分の結婚指輪を造ったことを聞かされ、全てを悟ります。

杉田直子と杉田藻奈美とが交互に入れ替わっていたのは、全部、杉田直子の演技でした。杉田直子は「藻奈美」と呼ばれたことで、杉田藻奈美として生きていこうと決意したのでしょう。

杉田藻奈美がどうなったのでしょうか。私は杉田直子の中で杉田藻奈美はずっと生きていたのだと思います。

中学生の杉田直子(藻奈美)がお風呂でシャワーを浴びている時に、杉田平介が風呂場にやってきて、湯船に浸かる場面があります。

杉田直子はシャワーを浴びた後、いつもはもう一度湯船に浸かるのですが、杉田直子は湯船に浸からず風呂を出ます。思春期の少女が抱く父親への嫌悪感は藻奈美の部分が杉田直子の中で生きている証だと思いました。

杉田藻奈美がテディーベアの頭に入れていた母・直子の結婚指輪を溶かして、新しい結婚指輪に作り替えたということは、杉田藻奈美として結婚しても、やはり杉田直子は杉田平介の妻だという意思表示なのだと思います。

杉田直子はテディーベアの頭に結婚指輪を入れるとき、「藻奈美はこのぬいぐるみをとても大切にしてくれたの。寝ている時なんか、いつも布団の中に売れてたのよ。だからあたしも、これをいつも側に置くことにする、そうすれば、あなたの妻だということを自覚できるから」「このテディベアの正体は、2人だけの秘密ね」と言っています。

タイトルにもなっている「秘密」とは、杉田直子と杉田藻奈美の関係ではなく、結婚指輪のことでしょう。「秘密のネタバレと感想の最終回」へつづく。

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