プラチナデータのネタバレ読書感想文

嵐の二宮和也が主演する映画「プラチナデータ」の原作となる東野圭吾の小説「プラチナデータ」のあらすじと犯人や黒幕のネタバレを含んだ読書感想文です。

このページはプラチナデータのネタバレ感想文の2ページ目です。1ページ目の「プラチナデータのあらすじと犯人のネタバレ」からご覧ください。

このページには、東野圭吾の小説「プラチナデータ」のあらすじやネタバレが含まれています。プラチナデータの犯人や黒幕や結末を知りたくない人は、閲覧にご注意ください。

■プラチナデータの感想
嵐・二宮和也の主演で東野圭吾の小説「プラチナデータ」が映画化される。映画の上映は2013年だ。今回は映画の予習のため、小説「プラチナデータ」を読んだ。

東野圭吾の小説「プラチナデータ」は面白かったが、東野圭吾の作品の中では名作とは言えない。ストリーは面白いが、東野圭吾としては結末が物足りないと感じた。

殺人事件が起きるストリーだが、トリックや犯人当てを楽しみに読むには物足りない。ジャンル分けするのであれば、軽いミステリーに該当するだろう。

とはいえ、スピード感があり、一気に物語に引き込ませるあたりは、流石は東野圭吾だと思う。一気に読破できた。

■犯人は水上洋次郎
小説「プラチナデータ」の犯人NF13の正体は、新世紀大学病院の医師・水上洋次郎だった。

DNA検索システムには、プラチナデータに該当する者を検索結果に標示しない仕掛けになっていた。水上洋次郎はプラチナデータに入っていることを逆手に取り、殺人を重ねていた。

ただ、水上洋次郎がプラチナデータに入れることに違和感が残ったし、動機が弱かったので、結末はシックリとこなかった。なにより、水上洋次郎が殺害した女性を死姦(死体を強姦)していたことに萎えた。

殺害した女性を死姦することで、犯人・水上洋次郎の変質性を表現したのかもしれないが、犯人が死姦していたので小説「プラチナデータ」を読む気力が奪われた。これは、実際に起きた事件のニュースを見た影響もある。

■電動トリップ
小説「プラチナデータ」に「電トリ」という気持ちが良くなる道具が登場した。電トリとは、電動トリップの略語で、脳に電気的な刺激を与えてトリップする(気持ちよくなる)ための装置(電気ドラッグ)だ。

犯人NF13こと水上洋次郎は、電トリを強力にした「パワーアップ電トリ」を使い、女性で人体実験していた。殺害したのではなく、電気ドラッグの実験で女性が死んしまっただけだった。

私が小説「プラチナデータ」で興味を持ったのは、電気ドラッグだった。美味しいとか気持ちいいとか感じるのは、脳に電気信号が到達し、脳内に快楽物質を出すからだと思う。

だから、電トリのような装置で、外部から特定の電気信号を送れば脳内が錯覚して快楽物質を出すようになるのではないか。脳の研究が進めば、電トリのような電気ドラッグ装置が出来るかもしれない。

さて、小説「プラチナデータ」の電トリで思い出したのは、宇宙飛行士だった。太陽が爆発すると宇宙線(エネルギー)が放出される。宇宙線は宇宙船を貫通し、宇宙飛行士の脳内も貫通する。

宇宙飛行士は宇宙線を浴びるとき、宇宙線が脳内を通過するので、目を閉じていても、脳内がチカチカするそうだ。宇宙で神秘体験をする宇宙飛行士が多いのは、宇宙線が影響しているという説もある。

電トリ(電気麻薬)を使うと、宇宙飛行士が宇宙線を浴びるような感じに成るのだろうか。

■神楽龍平と2重人格「リュウ」
神楽龍平は2重人格で、神楽龍平は「リュウ」という人格と共存していた。2重人格のリュウが出現したきっけは、陶芸家の父・神楽昭吾の首つり自殺が原因だった。

神楽龍平は工学や遺伝子の道へと進み警察庁特殊解析研究所出働いている。そして、2重人格の治療も研究だと考えている科学的な人間だ。一方、リュウは絵を描く芸術的な人間だ。

神楽龍平が工学の道に進んだ切っ掛けは、父親の自殺だった。父・神楽昭吾は人間と機械との対決(機械が作った贋作を見破る対決)に敗れて自殺している。

しかし、父・神楽昭吾が死んでいなければ、神楽龍平は父親と同じように陶芸(芸術)の道に進んでいたのではないか。

そう考えると、神楽龍平が本来あるべき姿は、2重人格「リュウ」の方だったのではないか。

小説「プラチナデータ」の結末で、神楽龍平は管理社会から逃れた集落でサソリらと共に陶芸をしている。これが、神楽龍平が本来のあるべき姿だったように思えた。

多重人格の完治に「別人格の消失」や「人格の融合」などがあるが、神楽龍平の場合は別人格「リュウ」と融合したのではなく、神楽龍平は本来の自分に戻っただけではないか。

別人格のリュウは、本来の自分(プラチナデータ)を取り戻すための「モーグル」だったように思える。

■芸術VS機械
小説「プラチナデータ」では、芸術品の贋作だけではなく、プログラムにより機械が芸術家の新しい作品までも生み出していた。

機械が芸術家の新作を生み出すことはSFだが、現実の世界でも本物と酷似した贋作を作ることができる技術はあると思う。

私は、テレビ番組で立体物を複製するコピー機(3Dプリンタ)を見たことがある。3Dプリンタとは、パソコンに取り込んだ3D情報を立体的に複製する機械である。通称として「3Dコピー機」「立体コピー機」と呼ばれることもある。

テレビ番組では、立体コピー機でメロンを複製していた。編み目まで同じで、うり2つだった。他にも恐竜の骨などを複製していた。

立体コピー機は対象物の3Dデータから複製するので、寸分たがわぬコピーが出来る。立体コピー機の精度は高いようだ。

立体コピー機は複製物の素材が限定されるので触れば違いが分ると思うが、見るだけでは真贋が判別できないレベルの贋作が作れるのではないか。

プラチナデータのあらすじと犯人のネタバレ感想文の後編」へ続く。

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コメント欄

電トリってホントにあるのかなって小説読んでる最中にググったら、
このサイトのリンクがトップに来て、しかもページのプレビュー?(リンク先の内容が最初の2,3行出てる)に犯人の名前が出てて、まだ1/3しか読んでなかったのに一気に読む気なくなっちゃいました。。同じ目にあった人私以外にもいると思います..

  • 投稿者-
  • 読み始め

途中から神楽龍平と書く所を神楽昭吾となっております。

  • 投稿者-
  • Pandora

Pandoraさんへ
ご指摘ありがとうございます。名前の間違いを訂正しました。

  • 投稿者-
  • 管理人