モリのアサガオの感想の最終回

ドラマや映画となった郷田マモラの漫画漫画「モリのアサガオ」(全7巻)を読んだネタバレを含んだ感想の最終回です。このページは「モリのアサガオの感想とネタバレ」からの続きです。

刑務官の及川直樹(おいかわ・なおき)は寝る前にいつも苦悩しているし、星山克彦の死刑執行に加わった岡田敦史は、星山克彦を殺したことを苦にして退職する。これではどちらが囚人なのか分からない。

最後に死刑囚・渡瀬満(わたせ・みつる)の死刑が執行される。モリのアサガオは、渡瀬満の死刑のシーンだったため、渡瀬満が死刑になることは分かっていたので、最後はもうひとつ何か欲しかった。

主人公の及川直樹は最終的に、死刑を肯定した。冤罪を考慮しても「負の連鎖」を断ち切るために、死刑は必要だと考えているようだ。

モリのアサガオの冤罪被害者は、赤石英一郎(あかいしえいいちろう)だけだ。

渡瀬満は田尻勝男(たじり・かつお)と娘の前園有歌(まえぞの・ゆゆか)を殺している。量刑に不服があったとしても、2人を殺しているので、冤罪ではない。

及川直樹の実父・山本憲人(やまもと・のりひと)は、人は殺していないが、深堀圭造(ふかほり・けいぞう)を助けるために自ら罪を被っている。これを冤罪というには疑問が残るし、自ら罪を被ったので被害者とはいえない。

こう言ってしまうと元も子もないが、冤罪は警察や検察や裁判所が作るものだから、死刑制度とは関係がない。死刑を廃止すれば冤罪が無くなるのなら、死刑を廃止するべきだが、死刑を廃止しても冤罪は無くならないので、死刑の是否はどちらでも良いと思った。

内容が事実が否かは別として、漫画「モリのアサガオ」に登場する死刑囚の生活は、私が想像しているものと全く違った。良くも悪くも期待を裏切ってくれた。

無理矢理死刑を取り上げた強引な場面もあったが、漫画「モリのアサガオ」はストーリはよく計算されていて面白い。映画「穴/HOLES」を思い出した。

漫画「モリのアサガオ」は絵が独特なので馴染めない人もいるかもしれないが、ぜひ読んで欲しい。この絵は能面のような役割があるのではないかと思う。読む人の立場や心境によって表情が変わるのではないだろうか。時間が経てばもう一度読んで見たい漫画でした。

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