茄子田太郎(ユースケ・サンタマリア)の原作ネタバレ感想文

TBSでドラマ化される山本文緒の原作小説「あなたには帰る家がある(あな家)」に登場する茄子田太郎(なすだ・たろう)のネタバレ感想文です。

■茄子田太郎のあらすじとネタバレ

原作小説「あなたには帰る家がある」に登場する茄子田太郎は、私立学校の社会科の教師で、妻と子供2人が居り、両親と同居し、ペットの犬も飼っている。

茄子田太郎は、昔から思い描いていた幸せな家族を手に入れた満足して、幸福に満ちあふれていた。

そして、家も古くなって立て付けが悪くなったことから、家族の幸せのために、二世帯住宅でも新築しようかと考えた。

このように茄子田太郎は、幸せなマイホームパパかと思われたが、実際は不細工なうえ、営業マンなどには横柄な態度を取る性格の悪く、女癖の悪い男だったのだ。

さて、茄子田太郎が密かに好意を寄せている森永祐子がモデルハウスで働いており、茄子田太郎は偶然にもモデルハウスの見学に行き、森永祐子と再会する。

これが切っ掛けで、茄子田太郎は森永祐子にストーカーをするようになる。

一方、茄子田太郎の妻・茄子田綾子は、モデルハウスの営業マン・佐藤秀明が好きになり、佐藤秀明と不倫するのだった。

そのようななか、茄子田太郎は、保険の営業で学校に来た佐藤真弓と出会う。

佐藤真弓は、佐藤秀明の妻で結婚を機に仕事を辞めて専業主夫になっていたのだが、専業主夫に嫌気がさし、子供を預けて生命保険のセールスレディーとして働き始めたのだ。

その一方で、茄子田太郎は、佐藤真弓と佐藤秀明が夫婦だとは知らず、佐藤秀明とも二世帯住宅を新築する話を進めていたのだった。

しかし、家族は二世帯分離型の二世帯住宅を希望していたのに、茄子田太郎は二世帯同居型の二世帯住宅を希望しており、新地の話は進まなかった。

そのようななか、佐藤真弓と佐藤秀明は、給料の額で負けたら主夫になるという条件で、給料勝負をすることになり、茄子田太郎は、佐藤真弓と佐藤秀明の双方から猛烈な営業を受ける。

そこで、茄子田太郎は、住宅の新築を辞めて生命保険に入ろうと考え、佐藤真弓に保険に入る条件としてデートすることを求めた。

そのようななか、窮地に立たされた佐藤秀明は、不倫をしている茄子田綾子に新築の後押しを頼むのだが、茄子田綾子はプロポーズされたと勘違いして、書き置きを残して家を出て、佐藤秀明の自宅に乗り込むのだった。

そして、書き置きを見つけた茄子田太郎も、佐藤秀明の自宅へ向かい、修羅場を迎えるのだが、結末では妻の茄子田綾子と離婚しておらず、佐藤秀明とは別の住宅販売会社と契約して二世帯住宅を建てることになっていた。

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■茄子田太郎の感想

私は、原作小説「あなたには帰る家がある」を読んで、茄子田太郎は妻・茄子田綾子のことを本当に愛しているのだろうか、と思った。不思議でならなかった。

妻・茄子田綾子は、茄子田太郎には不釣り合いなほどの美人で、どうしてこんな美人が不細工な茄子田太郎と結婚したかというと、妻・茄子田綾子には秘密があったからである。

その秘密というのが、妻・茄子田綾子は茄子田太郎と見合いしたとき、姉の夫の子供を妊娠していたということだ。

妻・茄子田綾子は見合いの時に妊娠していることを打ち明けると、茄子田太郎は妊娠を受け入れ、「今日、できた子供と思おう」と言い、妻・茄子田綾子を抱いて結婚したのである。

私は原作小説「あなたには帰る家がある」を2度、読み返してみたのだが、どうしても茄子田太郎が結婚した理由が理解できなかった。

恋愛結婚ならなんとなく理解できるのだが、見合い結婚だったので、私は妻・茄子田綾子との結婚する茄子田太郎の心境が理解できない。

見合い結婚で他人の子供を妊娠している女性と結婚する男性は、どういう気持ちで女性を受け入れるのだろうか。

少し強引であるが、原作小説「あなたには帰る家がある」を読んで、私なりに解釈してみると、茄子田太郎が望む家族の幸せは単なる自己満足なのではないかと思った。

茄子田太郎のやっていることが家族の幸せになるのではなく、家族のために尽くすことで、「俺はこれだけ家族のことを思ってやっている」という自己満足を得ているのではないだろうか。

二世帯住宅を作るときも、家族は二世帯分離型の二世帯住宅を希望していたのに、茄子田太郎は家族の幸せのためだと言い、二世帯同居型の二世帯住宅を作ると言っていた。

このことからも分かるように、茄子田太郎は実際は家族のことなど考えておらず、家族のために何かをすることにより、自己満足しているのだと思う。

だとすれば、妊娠している茄子田綾子と結婚したのも、茄子田綾子が浮気したのに離婚せずに許したのも、全て自己満足なのかもしれない。

他人から見れば、茄子田家は幸せに見えるかもしれないが、茄子田家で幸せだと思っているのは茄子田太郎だけで、家族は幸せとは思っておらず、茄子田太郎に振り回されて苦労しているのではないだろうか。

茄子田家の家族が苦労するとかけて、アメリカの株式相場と解く。その心は「ナスダック(茄子田苦)」。

TBSのドラマ「あなたには帰る家がある」では、茄子田太郎の役をユースケ・サンタマリアが演じる。ドラマの茄子田太郎は、「女性が男性に思う『残念さ』を全て集約させたような男」として描かれるようだ。

原作を読んだ限りでは、ユースケ・サンタマリアを連想しなかったので、少し意外なキャスティングだが、私はユースケ・サンタマリアが好きなので、ユースケ・サンタマリアがどのように茄子田太郎を解釈して、どのように演じるのか楽しみだ。

なお、「あなたには帰る家がある」のあらすじとネタバレは「あなたには帰る家がある-原作のあらすじとネタバレ」をご覧ください。

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