空飛ぶ広報室-最終回の感想-あの日の松島
新垣結衣が出演するTBSの航空自衛隊ドラマ「空飛ぶ広報室」の最終回(第11話)「2年後の再会-二人で大空に描く未来」の感想です。
ドラマ「空飛ぶ広報室」の最終回のあらすじとネタバレは「空飛ぶ広報室-最終回のあらすじとネタバレ」をご覧ください。
■稲葉リカ(新垣結衣)の感想
稲葉リカ(新垣結衣)は松島基地を取材したが、震災当時の資料はあまり無かった。松島基地の広報室は、記録を残すことよりも、目の前の被災者を助けることを選んだからだ。
一方、報道機関は目の前の被災者を助けることよりも、記録を残すことを選ぶ方が多い。報道機関は「国民の知る権利に奉仕する機関」であり、国民に伝えることが責務だからだ。
被災者を目の前にしたとき、松島基地・広報室の行動が正しいのか、報道機関の行動が正しいのか。どちらも大切なので、どちらが正しいとは言えない。
だからこそ、稲葉リカ(新垣結衣)が人助けよりも報道を優先するような、ガツガツしていた報道記者時代のエピソードがあれば良かったと思う。
航空自衛隊の稲葉リカ(新垣結衣)は当初、スクープをあげて報道部に戻るためにガツガツとしていたが、情報部でも伝えたい事を伝えられる事に気づけて良かったと思う。
■空井大祐(綾野剛)の感想
空井大祐(綾野剛)は、子供の頃から憧れていたフルーインパルスへの内定が決まっていたが、交通事故に遭って右足を負傷したため、P免(パイロット罷免)になり、航空自衛隊の広報室へとやってきた。
翼をもがれて飛ぶことが出来なくなった空井大祐(綾野剛)は、固い殻を被った亡霊のように生活していたが、稲葉リカ(新垣結衣)の「戦闘機は人殺しの道具」という発言に激怒し、感情を取り戻した。
以降、空井大祐(綾野剛)は広報室の仕事の意味を学びながら、稲葉リカ(新垣結衣)と切磋琢磨して成長し、広報室でもブルーインパルスを飛ばせる事を知った。
死人のような目をしていた空井大祐(綾野剛)が最終回でブルーインパルスの隊員と笑顔でじゃれ合うシーンは、感無量だった。
■空飛ぶ広報室-結末の感想
空井大祐(綾野剛)が走り出し、稲葉リカ(新垣結衣)も走り出したシーンで、カメラマンの坂手はじめ(渋川清彦)が稲葉リカ(新垣結衣)に「転けるなよ」と声をかけた。
空井大祐(綾野剛)は右足の半月板を損傷してP免(パイロット罷免)になっており、上手く走れない。
坂手はじめ(渋川清彦)が「転けるなよ」とネタ振りをしているので、空井大祐(綾野剛)が稲葉リカ(新垣結衣)を目前にして倒れるのかと思っていたが、空井大祐(綾野剛)は普通に走って転倒しなかったので意外だった。
そこは、空井大祐(綾野剛)は稲葉リカ(新垣結衣)に会う直前で転倒し、子犬のような眼差しで稲葉リカ(新垣結衣)を見上げて欲しかった。
雨が降る夜、暗い道の端に置かれた段ボールの中に子犬が1匹。そこへ、赤い傘を差した女性が通りかかり、しゃがみ込んで段ボールの中の子犬を見つめる。すると、雨に濡れて震えていた子犬は、寂しそうな眼差しで女性を見上げる。
空井大祐(綾野剛)は転倒し、そんな眼差しで、稲葉リカ(新垣結衣)を見上げて欲しかった。
それに、空井大祐(綾野剛)が告白するときは、稲葉リカ(新垣結衣)に「もう、いつも空井さんは順番が逆なんですよ」と言わせるような告白の仕方にして欲しかった。
やはり、空井大祐(綾野剛)は成長しても、空井大祐(綾野剛)らしさを残して欲しかった。
それに、最終回には飛行機の付いたボールペンを登場させて欲しかった。空井大祐(綾野剛)と稲葉リカ(新垣結衣)の2人が結婚指輪をしているよりも、胸に飛行機の付いたボールペンを挿していた方が2人らしさを演出できたと思う。
最終回は、東北大震災の爪痕(あの日の松島)を描くため、恋愛パートの方は安全策を選んで無難な結末にしたような気がして多少の不満は残ったが、安易に結末をぼかさずにハッピーエンドだったので良かったと思う。