黒田職隆の決断-竹中半兵衛の機転
2014年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の主人公となる黒田官兵衛の生涯を実話で描く実話「軍師・黒田官兵衛(黒田如水)」のあらすじとネタバレの播磨編「黒田職隆の決断-竹中半兵衛の機転」です。
このページは「荒木村重が小寺官兵衛(黒田官兵衛)を幽閉したネタバレ」からの続きです。
実話「軍師・黒田官兵衛(黒田如水)」のあらすじとネタバレの目次は「実話-軍師・黒田官兵衛(黒田如水)-あらすじとネタバレ」をご覧ください。
■黒田職隆の決断
小寺官兵衛(黒田官兵衛)が有岡城の荒木村重に捕らえられたという知らせは、直ぐに小寺官兵衛の居城・姫路城へと伝わった。
小寺官兵衛は織田信長に息子・黒田長政(幼名は松寿)を人質に出しており、小寺官兵衛を助けるために荒木村重に味方すれば、黒田長政が殺され、黒田長政を助けるために織田信長に属せば、小寺官兵衛が殺される。
小寺官兵衛と黒田長政の両方を助ける方法はない。姫路城の黒田家は苦しい選択を迫られた。喧々囂々の議論に及び、評議が割れ、結論が出なかった。
しかし、父・黒田職隆が「織田信長に人質を差し出したのは我が本意である。しかし、荒木村重が小寺官兵衛(黒田官兵衛)を捕らえたのは、荒木村重の不義であり、これは非に及ばざる所である。小寺官兵衛が殺されれば、不慮の天災と思うべし。どうして、小寺官兵衛を救うために、意に反して敵に従う必要があるのだ。小寺官兵衛を捨てて織田信長に属するべし」と言い、織田信長に忠誠を誓うことを宣言した。
黒田家には、小寺官兵衛から与力として黒田家に仕えていた家臣も多かったが、黒田家の家臣は話し合い、「黒田休夢と黒田兵庫の命令に従う」という誓紙を交わすと、御本丸(櫛橋光)に誓紙を差し出し、御本丸(櫛橋光)に忠誠を誓った。
(注釈:黒田休夢は父・黒田職隆の弟で、黒田兵庫は黒田官兵衛の弟である。)
(注釈:御本丸については、黒田官兵衛の父・黒田職隆とする説と、黒田官兵衛の妻・櫛橋光とする説があるが、ここでは御本丸を櫛橋光とする。)
母里太兵衛・栗山善助・田宮次兵衛・久野四郎など43名が誓紙に署名し、黒田家は御本丸(櫛橋光)を中心に一気団結した。
こうして父・黒田職隆は、織田信長につくことを決めると、御着城の黒田邸を焼き払い、家来を姫路城へと引き上げさせ、小寺政職と絶縁し、織田信長への従属を表明したのである。
■竹中半兵衛の機転
さて、いつまで経っても、荒木村重を説得するために有岡城へ入った小寺官兵衛(黒田官兵衛)が有岡城から出てこないため、織田信長は小寺官兵衛が毛利側に寝返ったと思い、父・黒田職隆を呼びつけて尋問した。
父・黒田職隆は、織田信長に拝謁して忠誠を誓ったが、織田信長の怒りは収まらず、織田信長は竹中半兵衛に人質・黒田長政(幼名は松寿)の処刑を命じると、兵を率いて荒木村重が籠城する有岡城を攻めた。
竹中半兵衛は「黒田家が毛利側に付けば、中国征伐は困難になります」と織田信長を諫めたが、織田信長の怒りは収まらず、竹中半兵衛は仕方なく、人質・黒田長政の処刑を承諾した。
しかし、竹中半兵衛は羽柴秀吉(豊臣秀吉)の居城・長浜城から人質・黒田長政を連れだすと、美濃にある居城・菩提山城で黒田長政を匿い、織田信長には死んだ別の子供の首を届け、織田信長を欺いたのであった。
実話「軍師・黒田官兵衛(黒田如水)の生涯」のあらすじとネタバレ播磨編「栗山善助の小寺官兵衛(黒田官兵衛)奪還作戦」へ続く。