小寺政職の滅亡-小寺官兵衛から黒田官兵衛へ改名

2014年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の主人公となる黒田官兵衛の生涯を実話で描く実話「軍師・黒田官兵衛(黒田如水)」のあらすじとネタバレの播磨編「小寺政職の滅亡-小寺官兵衛から黒田官兵衛へ」です。

このページは「三木の干殺しのあらすじとネタバレ」からの続きです。

実話「軍師・黒田官兵衛(黒田如水)」のあらすじとネタバレの目次は「実話-軍師・黒田官兵衛(黒田如水)-あらすじとネタバレ」をご覧ください。

■小寺家の滅亡
有岡城の城主・荒木村重は天正6年(1578年)11月に突如として織田信長に反旗を翻したが、苦しい戦いを強いられ、荒木村重は天正7年9月に有岡城を抜け出し、中国の毛利輝元に援軍を求めた。

しかし、天正7年(1579年)11月、城主・荒木村重が不在となった有岡城は、城兵が織田軍の調略に応じ、落城する。

御着城の城主・小寺政職は、有岡城の城主・荒木村重に同調して織田信長に反旗を翻したが、有岡城が落城すると、天正7年12月に御着城を捨てて中国地方へと逃げた。

小寺政職は中国地方を流浪しながら、織田信長に謝罪したが、織田信長は裏切り者の小寺政職を許さなかった。

その後、小寺政職は毛利輝元を頼り、備後の鞆(広島県福山市鞆)に住み、天正10年(1582年)に死んだ。小寺政職には男子・小寺氏職の他に、女子数人の子供が居たが、小寺政職の死によって大名としての小寺家は滅んだ。

小寺家の滅亡を哀れんだ黒田官兵衛(小寺官兵衛)は、羽柴秀吉に「小寺政職は不義によって流浪し、死んで小寺家は滅びました。息子の小寺氏職を引き取って養育したいので、小寺氏職の罪は恩赦してください」と頼んだ。

黒田官兵衛の希望を聞いた羽柴秀吉は、昔の恩を忘れない志に感心し、黒田官兵衛の願いを聞き入れた。

小寺官兵衛は家臣・衣笠久右衛門を備後の鞆(広島県福山市鞆)に派遣して、小寺家を呼び寄せ、小寺氏職を養育した。

小寺官兵衛は小寺政職のせいで命の危機にさらされたのに、旧悪を忘れ、なんと情の深いことか。「恩をもって仇を報ず」とは、このことである、と人々は感心した。

■小寺官兵衛から黒田官兵衛へ
黒田官兵衛と父・黒田職隆は、御着城の城主・小寺政職に仕え、小寺政職から「小寺」姓を賜り、小寺姓を名乗っていた。

しかし、小寺政職が織田信長に反旗を翻し、毛利輝元に寝返ったので、黒田官兵衛と父・黒田職隆は小寺姓を捨て、旧姓「黒田」へと戻した。どの時点で黒田姓へと戻したのか、正確な時期は分からない。

御着城の城主・小寺政職は織田信長に属していたが、途中で毛利側へと寝返った。「小寺」は反逆者の姓なので、織田信長(または羽柴秀吉)が小寺官兵衛に「小寺」姓の使用を禁じた、という説もある。

いずれにせよ、黒田官兵衛は小寺性を捨てて名実共に黒田官兵衛に復帰したので、ここからは表記を「小寺官兵衛」から「黒田官兵衛」へと変更する。

■黒田長政の帰還
天正8年(1580年)閏3月、人質となっていた松寿(後の黒田長政)が、黒田官兵衛の元に返還される。

■黒田官兵衛が大名へ
天正8年(1580年)、三木城を落として東播磨を平定した羽柴秀吉は、姫路城を黒田官兵衛に返還し、三木城を居城と定めた。

しかし、黒田官兵衛は「三木城は要害ですが、播磨では辺境の地にあり、居城には適していません。姫路は諸国への通路も良く、運送の便も良い要所なので、姫路を居城になされませ」と助言した。

羽柴秀吉は「姫路城は汝の城であろう」と姫路城を返そうとしたが、黒田官兵衛は「姫路城は中国征伐の重要拠点にて、もとより秀吉様に献上したものに御座います」と答えて受け取らなかった。

このため、羽柴秀吉は姫路城を居城とし、黒田官兵衛は父・黒田職隆が築いた国府山城(こうやまじょう=別名は妻鹿城)を居城とした。

そして、黒田官兵衛の助言により、羽柴秀吉が居城・姫路城の改修工事を行う。この姫路城の改修工事は、黒田官兵衛と浅野長政によって進められた。

さて、播磨には若干の毛利勢力が残っていたが、その後、羽柴秀吉によって駆逐され、羽柴秀吉によって播磨が統一された。

その後、織田信長は播磨16郡52万石と丹波13万石を羽柴秀吉に与えた。すると、羽柴秀吉は黒田官兵衛に東揖郡(現在の兵庫県揖保郡)福井庄内など計1万石を与えた。

こうして、小寺家の家老だった黒田官兵衛はようやく大名に成り上がることができた。黒田官兵衛が1万石の大名になったのは天正8年(1580年)9月、黒田官兵衛が35歳の事であった。(注釈:1万石以上になると大名に分類される)。

さらに、翌年の天正9年(1581年)に1万石が加増され、黒田官兵衛は2万石の大名になった。

実話「軍師・黒田官兵衛(黒田如水)」のあらすじとネタバレの播磨編「鳥取の飢殺しのあらすじとネタバレ」へ続く。

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コメント欄

おもしろく拝見させて頂いております。
小寺と黒田の関係がよく解りました。

  • 投稿者-
  • ほうほう~

私は御着に住んでいるので、こんなにすごいひとがいたんだなと思いました!!

  • 投稿者-
  • みう