ごちそうさん-第77話のあらすじとネタバレ
杏が臨月を迎えたNHK連続テレビのごちそうさんドラマ「ごちそうさん」の第13週・第77話「ふくが来た」のあらすじとネタバレです。
このページは「ごちそうさん-第76話のあらすじとネタバレ」をご覧ください。
ドラマ「ごちそうさん」のあらすじとネタバレ目次は「ごちそうさん-あらすじとネタバレ」をご覧ください。
■ごちそうさん-第77話のあらすじとネタバレ
大晦日、男達は餅つきに追われ、女達はおせち料理の仕上げに追われた。そのように慌ただしいなか、卯野め以子(杏)と西門希子(高畑充希)は、おせち料理を持って西門正蔵(近藤正臣)の長屋を訪れた。
おせち料理を受け取った西門正蔵(近藤正臣)は、卯野め以子(杏)のお腹を見て、「そろそろ、かいな?」と尋ねると、卯野め以子(杏)は「来月って言われています」と答えた。
すると、西門正蔵(近藤正臣)は懐から袱紗を取り出し、「早いかもしれんが、これ、ご祝儀や」と言って袱紗を差し出す。
卯野め以子(杏)は「あっ、いいです、いいです」と遠慮するが、西門正蔵(近藤正臣)が「こらくらいのことはさして。その子のお年玉にでもしてくれたら、ええ」と告げると、卯野め以子(杏)は「じゃー、ありがたく頂きます」と言い、袱紗を受け取った。
卯野め以子(杏)が「あっ、おせち、願いのお料理ですよね?」と尋ねると、西門正蔵(近藤正臣)は「え?」と驚いた。
卯野め以子(杏)は「あっ、忘れてましたね」と笑うと、「良いお年を」を言って年末の挨拶を交わし、長屋を後にした。
さて、卯野め以子(杏)と西門希子(高畑充希)が帰宅していると、泉源太(和田正人)が染丸(馬場園梓)を支えながら歩いている所を見かけた。なにやら、染丸(馬場園梓)は気分が悪そうだった。
卯野め以子(杏)が「どうかしたのかな?」と不思議がると、西門希子(高畑充希)も「なんで一緒に居てはるんですかね?」と不思議がった。
卯野め以子(杏)が「2人でお伊勢さんへ行くんじゃなかったけ」と教えると、西門希子(高畑充希)は「え?あの2人、そういう仲やったんですか」と驚いた。
そのとき、卯野め以子(杏)が、お腹を押させて苦しみ出す。
一方、西門家では、西門悠太郎(東出昌大)や卯野大五(原田泰造)が板の間で「一番、食いつきそうな人がまだ帰ってきませんね」などと言いながら、つきたての餅を食べていると、西門希子(高畑充希)が慌てて飛び込んできた。
西門希子(高畑充希)は「産婆さんを呼んでください。生まれてしまうみたいです」と告げると、西門悠太郎(東出昌大)らは土間に飛び降り、卯野め以子(杏)に駆け寄る。
卯野イク(財前直見)は卯野め以子(杏)を2階へ連れて行こうとしたが、卯野め以子(杏)は台所から板の間に上がったところで、へたれ込んでしまった。
卯野イク(財前直見)が「大丈夫かい」と卯野め以子(杏)を起こそうとすると、卯野め以子(杏)は手を伸ばして、つきたての餅を掴み、餅を食べていた。
それを見た卯野大五(原田泰造)は「つきたては今しかないからな」と納得するが、卯野イク(財前直見)は「なにやってんだい、こんな時に」と呆れ果てる。
その後、産婆が駆けつけ、卯野め以子(杏)は2階の部屋で出産の準備を始まるが、卯野め以子(杏)は苦しみながらも、卯野イク(財前直見)に「お母ちゃん、それ、取って」と机を指さした。
卯野イク(財前直見)は「これか?」と言って机の上にある袱紗を渡すと、卯野め以子(杏)は袱紗を開き、中に入っていた西門正蔵(近藤正臣)の手紙を取り出した。
一方、1階では、みんなが集まっていた。卯野大五(原田泰造)が「年越し蕎麦はどうするんですか?」と尋ねると、西門静(宮崎美子)は「頼んであって」と教えた。
室井幸斎(山中崇)は「出産するところを見てみたい」と言い、2階へ上がろうとするが、堀之端桜子(前田亜季)に「馬鹿じゃないの?」と言われ、階段から引きずり下ろされてしまった。
そのとき、2回から「今なの。今、渡したいの」という野め以子(杏)の声が聞こえてきた。
なにやら、2階で言い合いをしており、少しすると、卯野イク(財前直見)が2階から降りてきて、「悠太郎さん(東出昌大)、ちょっと来て」と言い、西門悠太郎(東出昌大)を2階へ呼んだ。
西門悠太郎(東出昌大)が2階へ上がると、手紙を握りしめた卯野め以子(杏)が、這いずりながら、部屋から廊下へと出てくるところだった。
西門悠太郎(東出昌大)が「どうしたんですか?」と尋ねると、卯野め以子(杏)は西門悠太郎(東出昌大)の手を取り、西門悠太郎(東出昌大)に手紙を握らせた。
西門悠太郎(東出昌大)が「何ですか、これ?」と尋ねると、卯野め以子(杏)は苦しみながらも、「読んで。読んでよ」と頼むと、部屋の襖を閉めた。
西門悠太郎(東出昌大)は襖越しに「頑張ってな」と応援し、受け取った手紙を見ると、表紙に「悠太郎、め以子さんへ」と書いてあった。
その後、1階へ降りた西門悠太郎(東出昌大)は、縁側へ行き、1人で手紙を読んだ。
悠太郎(東出昌大)、め以子(杏)さん。もうすぐ子供が生まれるんですね。これから親になる君たちに話したいことが、1つだけあります。
私(近藤正臣)は昔、鉱山で技師をしていました。詳しく言えば、掘削した鉱石の製錬をしていました。主に銅です。銅の精錬は、言わずと知れた国の基幹産業でした。日清日露の軍備は、銅で整えたと言われるほどの。自分の働きが国を豊かにしとる。私は素直にそう思うてました。
銅の精錬には鉱毒というものが付きもので、その認識はありましたが、日本が列強に加われるものならば、とやかく言う事も無いと。豊かになるということは、そういう事やと思ってました。
せやけど、鉱毒の被害は、思ったよりも深刻なものやと、私の努める鉱山でもあからさまになってきたのです。
近くの川には魚が浮かぶようになり、作物が実らんようになって、山は丸禿で、土砂崩れも起きるようになりました。もちろん、人間だけが無事なわけではなく、大人になる前に命を落とす子供が増えてまいりました。
周辺の村から抗議の声が大きく鳴り始めたころ、半ば口封じのために立ち退け要請や土地の買い上げなどを任されるようになりました。
自分たちの引き起こした被害を突き付けられる日々に、神経がすり切れるようになったそのころ、君のお母さんが亡くなったんです。
もう、分かったでしょう。私は家族のためにと言いながら、渡りに船と、山から逃げ出したんです。
そうして、因果なものです。ついには、逃げ込んだ家族からも、逃げました。けど、どれだけ逃げても逃げ切る事は出来ませんでした。
そして、ある日、気づきました。私は困難から逃れるために、自分の生きている価値の様な物を永久に失ったんやと。
悠太郎(東出昌大)、どれほど注意を払ったとしても、過ちに前もって気づくことは出来ません。豊かさを追い求め、豊かさを失うのが、悲しいかな、人間というものです。
けど、過ちを犯した後に、どう生きるかを選ぶことは出来るんです。もし、過ちと戦い続ける姿を見せられていたら、君(東出昌大)にその事を伝えられていたのではないかと思います。
ただ、ただ、逃げ付けるだけの背中は、君に過剰な責任感と負ける事への恐怖心を与えてしまったかもしれません。すみません。父親となる君に、私の間違いだらけの人生が何かの役に立てばと思い、筆を執りました。
悠太郎(東出昌大)、め以子(杏)さん。どうか、私のような親には成らないように。どうか、貴方たちは生まれてくる子供に、輝く未来と豊かな誇りを与える人であってください(注釈:手紙はここまで)。
手紙を読み終えた西門悠太郎(東出昌大)は手紙を握りしめ、西門家を飛び出し、走り出した。
その後、西門悠太郎(東出昌大)が長屋に着くと、長屋の電気は消えていた。西門悠太郎(東出昌大)は動揺しながらも、「オヤジ?オヤジ?」と言って長屋の玄関を開けたのだった。
「ごちそうさん-第13週・第78話のあらすじとネタバレ」へ続く。