家族狩り-第7話の感想と黒澤明の映画「生きる」
岡田浩暉が出演するTBSの家族狩りドラマ「家族狩り」の第7話「最期の声」の感想編です。
家族狩り-第7話のあらすじとネタバレは「家族狩り-第7話のあらすじとネタバレ」をご覧下さい。
■家族狩り-第7話の感想
駒田幸一(岡田浩暉)は児童保護施設から帰るとき、職員・大熊(宮地雅子)に駒田玲子(信太真妃)を返して欲しいと頼んだが、職員・大熊(宮地雅子)は「私は引き取って貰っても良いんですけど、担当は氷崎游子(松雪泰子)なので、氷崎さんのOKがでないと」と答えた。
職員・大熊(宮地雅子)は駒田玲子(信太真妃)の対応を話し合ったとき、上司に「まだ、生活が安定したとは言えません。中高年の再就職は、仕事の向き不向きがありますし」と返還を反対していたので、氷崎游子(松雪泰子)の責任にするのは酷いと思った。
酷いと言えば、家族狩り-第6話での医者の発言も酷い。再検査の告知を受けた氷崎游子(松雪泰子)が「もう少し、早い時期に出来ませんか?」と頼むと、医師は「まだ再検査ですから、そんなに慌てなくても大丈夫ですよ」と答えた。
医療業界は「早期発見、早期治療」と言っているのに、安心させるかも知れないが、「そんなに慌てなくても大丈夫ですよ」などというのは酷いと思った。
医師不足や様々な問題があるのだろうが、医療業界は「早期発見、早期治療」を提唱するのなら、検査から治療までをもっとスムーズにできるようにシステムを構築するべきだと思う。
一方、シロアリ駆除業者の大野甲太郎(藤本隆宏)は、氷崎游子(松雪泰子)に「なるべく早くお願いします」と頼まれると、「分りました。なるはやで」と引き受けた。
さて、氷崎民子(浅田美代子)は胃癌に冒されており、氷崎民子(浅田美代子)の家はシロアリに冒されている。
シロアリ駆除業者の大野甲太郎(藤本隆宏)と医者は対比として描かれており、大野甲太郎(藤本隆宏)の対応は、医者の対応に比べ、かなり好印象を持てた。
だから、家族狩りの最終回で氷崎民子(浅田美代子)は胃癌で死に、家は野甲太郎(藤本隆宏)のシロアリ駆除によって生き延びる結末を迎えると予想する。
さて、黒澤明の映画「生きる」は、市役所に勤務する主人公が胃癌だと悟り、自暴自棄に陥るが、自分の使命を悟り、命を賭して住民のために公園を作る映画である。
ドラマ「家族狩り」の痴呆症の父・氷崎清太郎(井上真樹夫)が市役所時代に公園を作ったという設定や、氷崎民子(浅田美代子)に胃癌が見つかるという設定は、黒澤明の映画「生きる」を思い出した。
また、氷崎游子(松雪泰子)は家族狩り-第7話の最期に、「そうだよね。今を生きてるって事が全てだよね」と言っていたので、黒澤明の映画「生きる」をかなり意識しているように思えた。
ドラマ「家族狩り」を観ていると、黒澤明の映画「生きる」が久しぶりに観たくなった。ドラマ「家族狩り」が最終回を迎えるまでに、黒澤明の映画「生きる」のDVDを借りて観ようと思う。
「家族狩り-第8話のあらすじとネタバレ」へ続く。
原作小説「家族狩り」のあらすじとネタバレは「原作小説「家族狩り」のあらすじと犯人と結末のネタバレ」をご覧下さい。