湊かなえ「Nのために」-あらすじと犯人ネタバレ感想文
湊かなえの原作小説「Nのために」のあらすじや犯人や結末のネタバレを含む夏休み読書感想文の感想編です。
このページには湊かなえの原作小説「Nのために」のあらすじや犯人や真犯人や結末のネタバレのほか、解釈や解説が含まれています。原作小説「Nのために」のあらすじや犯人のネタバレを知りたくない人は、閲覧にご注意ください。
原作小説「Nのために」のあらすじと犯人・結末ネタバレ編は「原作小説「Nのために」のあらすじとネタバレ」をご覧下さい。
■杉下希美が成瀬慎司のために
成瀬慎司は、杉下希美と同じ青景村(青景島)の出身で、高校時代の同級生である。共に家庭環境に悩みを抱えており、将棋を通じて仲良く成った。
成瀬慎司は、実家が青景村(青景島)にある老舗の料亭「さざなみ」だったが、不況のあおりを受けて、パチンコ店に売却されることになり、東京の大学へ進学するという夢を失っていた。
一方、杉下希美の父親は自宅に愛人を住まわせ、妻と杉下希美と弟・杉下洋介の3人は追い出した。杉下希美は自宅が火事になる妄想をしつつ、シャーペンを4回成らして、成瀬慎司に「たすけて」というメッセージを送っていた。
そのようななか、杉下希美が自宅や父親が火事になる事を妄想していると、実際に火事を目撃し、駆けつけると、成瀬慎司の実家が火事になっており、その前に成瀬慎司が立っていた。
杉下希美はこの火事で妄想の中の自宅や父親を焼き尽くし、自分を解放してくれた成瀬慎司に感謝した。
そして、杉下希美は、成瀬慎司が放火したのだと思い、成瀬慎司のために(Nのために)偽のアリバイを証言し、成瀬慎司のために(Nのために)奨学金の申込用紙を譲った。
■杉下希美が安藤望のために
安藤望はボロアパート「野バラ荘」の住人で、杉下希美は台風で部屋が床下浸水したときに安藤望と知り合い、一緒に清掃会社でバイトをした。
杉下希美は体重が50kg以下だったのでビルの窓清掃用のゴンドラに乗れなかったが、安藤望がスキューバダイビング用のウエイトを付けるという方法で体重の問題を解決してくれ、ゴンドラに乗せてくれた。
これに感謝した杉下希美は、高見を目指す安藤望を邪魔をしてはいけないと思い、安藤望のために(Nのために)、野口奈央子を助け出す作戦に安藤望を加えなかった。
そして、杉下希美は事件当日、安藤望が野口貴弘との将棋五番勝負で負ければ、僻地へ海外赴任させられることを知り、野口貴弘に傷害事件を起こせば、安藤望の僻地行きも中止になるだろうと考え、安藤望のために(Nのために)、野口貴弘に妻・野口奈央子の不倫相手が来ることを教えた。
■杉下希美が西崎真人のために
西崎真人はボロアパート「野バラ荘」の住人で、杉下希美は台風で部屋が床下浸水したときに西崎真人と知り合った。
西崎真人は自称作家で「灼熱バード」という小説を書いており、小説「灼熱バード」を読んだ杉下希美は、「灼熱バード」に登場するバードは西崎真人で、西崎真人が深い闇を抱える同類だと気づく。
そして、杉下希美は西崎真人のために(Nのために)、西崎真人が不倫相手・野口奈央子を救出する計画に協力した。
■成瀬慎司が杉下希美のために
成瀬慎司の実家は青景村(青景島)の老舗料亭「さざなみ」だったが、経営が傾き、パチンコ店に売却されることになり、成瀬慎司は東京の大学へ進学する事を諦めていた。
しかし、杉下希美が青景村(青景島)で1人しか受けることが出来ない奨学金の申請書をくれたため、成瀬慎司は奨学金を得て東京の大学へ進学する事が出来た。
このため、フレンチレストラン「シャルティエ・広田」の出張サービスを担当していた成瀬慎司は、杉下希美から野口奈央子救出作戦への協力を要請されたとき、杉下希美のために(Nのために)に協力した。
■安藤望が杉下希美のために
安藤望は杉下希美に恋愛感情があり、安藤望のために(Nのために)、杉下希美を窓清掃用のゴンドラに乗せた。
■西崎真人が野口奈央子のために
事件当日、野口奈央子は燭台で野口貴弘を殺害したが、西崎真人は野口奈央子を殺人犯にさせないために(Nのために)、自分が犯人として犯行を自供した。
■杉下希美と西崎真人は「野バラ荘」のために
杉下希美と西崎真人の2人は、「野バラ荘」がマンション開発計画によって土地売却を迫られている事を知り、野バラ荘を守るために(Nのために)、ビル売却に反対している資産家の息子・野口貴弘に近づいた。
■火事の犯人
成瀬慎司の実家の料亭「さざなみ」は不況のあおりを受けて経営が悪化し、パチンコ屋に売却され、成瀬慎司はアパートに引っ越した。
そして、料亭が売却され、成瀬慎司がアパートへ引っ越した日、料亭は火事で燃え、燃えさかる料亭の前に成瀬慎司が立っていた。
状況証拠としては成瀬慎司が放火した犯人と疑われても仕方が無い状況であった。実際、火事は放火によるもので、杉下希美も成瀬慎司を火事の犯人だと思い、成瀬慎司を守る為に嘘のアリバイを証言している。
ただ、杉下希美は成瀬慎司を放火犯だと思い、「罪の共有」をしたが、成瀬慎司が火事の犯人ではないようだ。
■杉下希美の病気
事件から10年後、杉下希美は余命半年の余命宣告を受け、病院に入院している。杉下希美は何の病気で余命宣告を受けたのだろうか。
原作小説「Nのために」には杉下希美の病名は出てこないので、杉下希美の病名は分らない。
杉下希美は精神バランスを崩して、常に大量の食べ物を備蓄しておかなければなかったが、食べても食べても太らず、体重が50kgを超えることは無く、瞬時に物事を記憶する優れた記憶力を持っていた。
杉下希美が精神的に病んでるのは間違いないだろう。しかし、これが、杉下希美が余命宣告を受けた病気に直接、関係があるのかは分らない。
杉下希美の病気は気になるところだが、杉下希美の病名がストーリーに大きな意味を与えるとは思えないので、病名を追求する必要は無いだろう。
ただ、なんとなく、余命宣告を受けた杉下希美の描写を読んで、部屋に監禁されていた野口奈央子を連想した。杉下希美は本当に病院に入院していたのだろうか。本当は監禁されていたのではないだろうか。
■西崎真人の感想
杉下希美は青景村(青景島)時代に精神的なバランスを崩し、大量の料理を作ってタッパニーに保存していたが、「野バラ荘」の仲間と交流することで、一時的に症状は回復していた。
一方、西崎真人は幼少期に虐待を受けており、そのトラウマから火が使えず、火を使った料理を食べなかった。
ただ、西崎真人は杉下希美が作った肉じゃがを食べていたので、杉下希美と同様に「野バラ荘」の仲間と交流することで、一時的に回復していたのだと思う。
さて、西崎真人は野口夫婦を殺害していなかったが、「野口奈央子を殺人犯にしたくない。殺人の動機が愛なんて駄目だ。俺が犯人になれば、動機は復讐になる」と言い、殺人を自供した。
しかし、西崎真人は本当に「野口奈央子を殺人犯にしたくない」という理由で、殺人犯になったのだろうか。
私は、「野口奈央子を殺人犯にしたくない」のではなく、西崎真人が殺人犯になれば、「野口奈央子は不倫相手・西崎真人を愛しており、DVの夫から逃げようとした」という既成事実が残るため、西崎真人は殺人犯になったのだと思った。
西崎真人については、10年後に事件を回想するシーンが無いので、真相は藪の中である。10年後の西崎真人が事件を回想するシーンがあれば、良かったと思う。
■安藤望の感想
安藤望は杉下希美に恋愛感情を持っていた。杉下希美は安藤望に親切だったが、それは恋愛感情というよりも、感謝や尊敬とという感情のように思えた。
杉下希美は「安藤望に迷惑を掛けたくない」という理由で、安藤望を計画に加えなかった。それが、安藤望が野口家のドアの外についているチェーンをかけることに繋がる。
しかし、私は、安藤望が野口家のドアにチェーンをした理由・心境が理解できなかった。
原作小説「Nのために」に登場する人物の中で、安藤望は唯一まともな精神状態の人間だと思っていたが、私には野口家のドアにチェーンが理解できなかったので、安藤望も精神的に屈折していたのかも知れない。
■Nのために-結末の感想
西崎真人は野口夫婦を殺害した犯人として逮捕されたが、西崎真人は犯人ではなく、真犯人は死んだ野口奈央子だった。
事件の真相は、野口奈央子が夫・野口貴弘を杉下希美に取られると思い、夫・野口貴弘を独占するために野口貴弘を殺して自殺したというものであった。
原作小説「Nのために」の1つテーマである「すれ違い」があり、数々のすれ違いにより、野口夫婦が死ぬという結末を迎えた。
数々のすれ違いのうち1つでも欠けていれば、野口夫婦が死ぬという結末は迎えていなかった。もし、誰かが勇気を持って相手に訊いていれば、違った結末を迎えていたのである。
日本には、相手の心情を推し量るという美徳があり、訊きたいことを訊かない場合がある。
しかし、どれほど強く願っても、言葉にして伝えなければ、絶対に思いは伝わらないので、訊きたいことは訊いた方が良いともう。
日本には「案ずるより、産むが易し」という言葉があり、思い切って訊いてみると、大した事は無いという場合も多い。
杉下希美は火事の犯人を成瀬慎司だと思っていたが、犯人は成瀬慎司ではなかったのだから、杉下希美も思い切って放火について尋ねていたら、誤解し続けることは無かったのである。
湊かなえの原作小説「Nのために」を読んで「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という諺を思い出した。
■灼熱バードの感想
灼熱バードは、生きるために愛にすがりつく鳥の話だと思った。西崎真人は生きるために母親に愛を求めた鳥であり、杉下希美は生きるために父親の愛人に土下座をした鳥である。
日本には、会社を辞めたくても辞められず、生活のために必死に会社にしがみつく人が大勢居る。
おそらく、灼熱バードに登場する鳥は鳥かごのドアが開いていても飛んでいかないだろう。飛べないのでは無く、自らの意思で飛ばないのだ。
野バラ荘の管理人は、野バラ荘を売れば良い暮らしができると分っていても、野バラ荘を売ることを拒んだ。彼もまた、灼熱バードだったのではないだろうか。
■湊かなえの嘘
湊かなえの原作小説「Nのために」を読んで思ったのは、著者の湊かなえは読者に嘘を付かなかったのだろうか、という事である。
原作小説「Nのために」のテーマの1つに「嘘」があるので、著者・湊かなえが読者に嘘を付いていれば、面白いと思った。
事件の真相は野口奈央子が夫・野口貴弘を殺して自殺したことになっているが、それは湊かなえが読者に付いた嘘で、本当は杉下希美が野口奈央子もしくは野口貴弘を殺したのではないだろうか、と思った。
ただ、これは、著者の湊かなえが読者に嘘を付いていれば面白いだろうな、と思っただけで、この解釈を裏付ける根拠は無い。私の妄想である。
■究極の愛
杉下希美は「究極の愛」を「罪の共有」だと言っている。一緒に罪を犯す「罪の共犯」ではなく、「罪の共有」である。
「罪の共有」とは、誰にも知られず、相手にも知られずに、相手が犯した罪を半分引き受ける事である。杉下希美は密かに相手の罪を共有し、身を退く事が「究極の愛」だという。
杉下希美が「罪を共有」したのが、成瀬慎司の火事事件で、杉下希美は成瀬慎司に知られず、成瀬慎司の罪を共有し、その後、成瀬慎司から身を退いた。
私は原作小説「Nのために」を読んで、ハリネズミのジレンマ(ヤマアラシのジレンマ)という話を思い出した。
ハリネズミは他のハリネズミに近づこうとすると、体の針で相手を刺してし、相手の針で自分も傷ついてしまうため、近づきたくても近づけない。
しかし、ハリネズミは何度も傷つけ合ううちに、お互いに適切な距離を見つける事に成功する。
杉下希美は、「罪の共有」が「究極の愛」だとして、成瀬慎司から身を退いてしまうが、それが本当に「究極の愛」なのだろうか。
1人で完結させる愛なんて、自慰と同じではないだろうか。だから、私は、杉下希美の「究極の愛」を「究極の愛」だとは思わなかった。
空を飛んだ事の無いペンギンは、空を飛ぶ鳥の気持ちが分らない。カゴの中に閉じ込められた鳥は、大空を自由に舞う鳥の気持ちが分らない。
杉下希美は「究極の愛」を知らないから、自慰的な愛を「究極の愛」と錯覚し、「究極の愛」だと思い込んでしまったのでしまったのではないだろうか。
また、私は、杉下希美は逃げただけだと思う。杉下希美は傷つくことや、傷つけることから逃げたのだと思う。
杉下希美は余命宣告を受けたとき、「結婚しなくて良かった」「子供を作らずに良かった」と思った。
私は、死に際に「~をしなくて良かった」と思う人間が幸せだとは思えないので、杉下希美の言う「罪の共有」が「究極の愛」だとは思えない。
杉下希美がハリネズミのように傷つけあいながらも、成瀬慎司との適切な距離を見つける事が出来ていれば、本当の「究極の愛」の愛を見つけ、違った人生を歩めたのではないか。
私は、死に際に「結婚しなくて良かった」「子供を作らずに良かった」と思うよりも、「結婚して良かった」「子供を作って良かった」と思う人生を歩みたい。
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コメント欄
わかりやすいネタバレまとめ、ありがとうございました。
下記一点誤りかなと思いました。
■安藤望が杉下希美のために
安藤望は杉下希美に恋愛感情があり、安藤望のために(Nのために)、杉下希美を窓清掃用のゴンドラに乗せた
ではなく
■安藤望が杉下希美のために
安藤望は杉下希美に恋愛感情があり、杉下希美のために(Nのために)、彼女を窓清掃用のゴンドラに乗せた
■RCHさんへ
ご指摘ありがとうございます。安藤望の名前が入れ替わっていたので訂正しました。
私は結末を知ってドラマを見たい方なので、いろんなネタバレを読みましたが、これが今までで一番わかりやすくスッキリしました。今後のドラマがどう描かれるのかが楽しみです。
■イルミさんへ
誤字のご指摘ありがとうございます。「家事」となっていた部分を「火事」に訂正しました。
■きびだんごさんへ
ドラマ版は原作をアレンジしている部分もあるで、私はアレンジ部分も楽しみにしています。
皇帝ペンギンと書きたかったのでしょうか、童貞ペンギンになっていたのがとても気になりました
■みねさんへ
わかりにくい表現になっており、申し訳ございません。ペンギンは空を飛んだ事が無い事から、「童貞」という単語を使っています。
とても見やすくて、良いと思いました。
しかし、
■西崎真人が杉下希美のために
事件当日、杉下希美は燭台で野口貴弘を殺害したが、西崎真人は杉下希美を殺人犯にさせないために(Nのために)、自分が犯人として犯行を自供した。
となっておりますが実際は、
杉下希美の部分が野口奈央子だと思います。
間違っていたらごめんなさい。
■もちさんへ
ご指摘ありがとうございます。野口奈央子の名前が杉下希美になっているカ所がありましたので訂正しました。
この小説を読んだことがないので、間違ってるのかわからないですがヤンデレの使い方を間違えてはないでしょうか?この内容を見る限り、ただ病んでる人なだけに感じたので。
■まみさんへ
ご指摘ありがとうございます。「ヤンデレ」の使用方法を間違えていましたので、訂正しました。
とても分かり易いネタバラシと面白い感想ありがとうございました。
こちらを拝見し、原作も読みたいなと思いました。
ところで、
・感想空を飛んだ事の無い童貞ペンギンは…以下文略…
の文ですが、皇帝ペンギンでは無いかと思います。
■ゆきさんへ
ご指摘ありがとうございます。童貞ペンギンはわかりにくい表現のようなので、訂正しました。
小説読みました。
自分ではそこまで読み込めなかった部分もあり、楽しかったです。
小説を読んで、いまだにわからないことがありまして、ご質問させて下さい。
杉下希美の回想シーンで石垣島で野口夫妻にお詫びの食事会に誘われて着替えをして‥
のシーンで自分の服装に語っています。
『白地に紺色の花模様のワンピースに、サファイアーーあの人の誕生石がついたペンダント』
とあります。
このあの人は、成瀬慎司の誕生石かと思いましたが、違いました。
他に誕生日が明らかにされてる人はいないと記憶してるんですが、どう思われますか?
作者が嘘を吐いている。。。
その考えを読んだ時に、真っ先にこれが浮かびました。
お考え、お聞かせ下さい。
■ecococoさんへ
コメントありがとうございます。サファイア(9月の誕生石)については、私も最初は成瀬慎司を連想しましたが、成瀬慎司の誕生日は9月ではないので、誕生石は成瀬慎司を連想させるためのミスリードだと思います。
杉下希美の衣装は、野口奈央子の衣装と対比として描写されており、文庫版P229に「こんな格好はわたしには似合ってないのかもしれない。よく似た顔のあの人が送ってきた物なのに」と書いています。
そして、文庫版P192には、「お嬢様の娘であるわたしの外見は母親似だったけれど、お嬢様っぽくはなかった」と書かれています。
このことから、服やペンダントは母親が杉下希美に送ったものだと考えられるので、サファイアは母親の誕生石だと思います。
元警察の奥さんは声は出ないままですか?火事の原因も分からないままですか?
■いっすーさんへ
コメントありがとうございます。警官・高野茂(三浦友和)はドラマのオリジナルキャラで、原作には登場しません。したがって、奥さんの声の件は、ドラマを観てお楽しみ下さい。
火事の犯人については、原作に犯人を特定するような文章く、登場人物の回想から判断しなければなりません。私は、成瀬慎司が犯人だろうと予想しましたが、人によっては他の人を犯人と考えるかしれません。
単なるあらすじだけではなく、考察も深く、楽しく読ませていただきました!詳細に書いて戴いて有難うございます。
大変部分的で恐縮なのですが、年端もゆかぬ子供を残して死んでいくのは、死を覚悟することは、子供がいないより辛いことではないかと思います。
湊かなえさんが母親かどうかはわかりませんが、杉下のぞみが、そのように思うのは私には自然であり、まっとうであり、同感です。
あとは、西崎は、誰かのためではなく、歪んだ過去や自分の価値観に決別するために一定期間、一般世間と隔離されるという手段を咄嗟に選択したのでは?とも思います。それが私にとって美しく、西崎の人生が進みそうに期待ができるので。
安藤望は杉下希美に恋愛感情を持っていた。杉下希美は安藤望に親切だったが、それは恋愛感情というよりも、感謝や尊敬とという感情のように思えた。
とありますが、私は原作を読んだ上で、杉下は安藤を、『敬愛』(彼女にとっての究極の愛)していたたように感じました。
感想ですので間違っているとか正しいとかそういう部分ではないのですが、こちらのサイトさんはわかりやすい解説をなさっているので、そういった場所に、こういう意見もあるんですよと足跡を残させていただきます。
ご不快なようでしたら、お手数おかけいたしますが、消去していただけると幸いです。
■こるさんへ
コメントありがとうございます。なるほど、敬愛ですか。病んでいる時の杉下希美の「究極の愛」は「罪の共有」で、正常に戻った時の杉下希美の「究極の愛」が安藤望に対する敬愛という考え方も出来るような気がします。
先が気になってこちらにたどり着きました。
わかりやすく説明して頂き良かったです。
ドラマの流れでは、火事の犯人は
成瀬慎司の父親ではないかと推理しています。
そして、警官の奥さんはその事を
何かで勘付いたものの、
黙っているのではないかと思います。
いづれにしても、全ての出演者が
自分のNのために事件を共有している
お話ですね。
ものすごい反響ですね。
知り合いから読んでいてもドラマは楽しめる,と聞いたので原作を読みましたが,難解ですね。
原作からはっきり読み取れるのは
1.成瀬は放火犯ではない
2.成瀬は杉下のことをずっと想っている
3.杉下も成瀬のことを想っている(今はどうかわからない)
4.西崎と杉下には恋愛感情はなく,同志とか尊敬の念という関係
5.安藤はうっすらと杉下のことを想っていたが杉下は仲の良い先輩としか見ていない
ぐらいです。杉下が,奈央子救出作戦に成瀬を巻き込み,成功したら二人で一緒にいよう,と言っていたのは恋愛感情への発展ととらえていいものなのか,今一つピンときませんでした。
読んだ時から,成瀬の朴訥な田舎の青年らしいキャラクターに惹かれていましたが,この物語を読めば読むほど,何にもしてないのに放火犯だと疑われ,杉下と再び一緒に居られるかもしれないと作戦に参加し,再び10年もの間会えなくなるという運命が気の毒でなりません。せめて,杉下にとっての最後のNが成瀬であって欲しいな,と。
本当に最後の一小節では,成瀬が杉下のそばにいるようなので,ドラマでは膨らませてくるのかなと期待しています。
分かりやすい解説、感想ありがとうございました。
安藤がドアのチェーンを外から掛けた理由ですが…
西崎さんと会ったことで本当の計画に気付いた安藤が自分が計画の蚊帳の外だと知り、嫉妬にかられて計画の失敗の為にしたのかな?と思いました。
安藤は杉下希美の究極の愛は「罪の共有」だと思ってて
自分は共有させてもらえない…と絶望したならあり得るかもしれません。
希美は安藤の為に計画を伝えなかったのが裏目に出たのではないでしょうか。
■ぽんぽんさんへ
原作では謎のままだった杉下希美の病名も、ドラマでは胃癌と限定していたので、ラストも原作よりもハッキリしたラストになる事を期待しています。
■つっつさんへ
なるほど、「Nのために」のテーマの1つに「すれ違い」があるので、そういう解釈も出来ると思います。ドラマで、安藤望がドアチェーンを掛けた動機がハッキリする事を期待したいです。
さざなみの放火犯人は誰なのでしょうか?
駐在(三浦友和)さんの妻(原日出子)が火事の中に飛び込んで行き、その時に犯人を目撃したのではないかと思うのですが。。。
でも、その事実を言いたくない、言えないから口がきけなければ言う事もない、だから言葉を失った。
放火犯は、さざなみのご亭主=成瀬慎司の父親ではないかと思います。
もうどうにもならない現実から逃避するため、売却させたくないために自ら火を放ったのではないですか?
ドラマにはまり7話まで何度も見ました。1話で杉下が「なんだってできる」と言った時犯人?!と思ってしまいました。奈央子の勘違いにも気づきまたが、火事の犯人が成瀬慎司ではないことには、驚きました。火事の事件からすでに、すれ違いが起き二人の間にはそれぞれの思いが渦巻いて、もどかしい。Nのために‥と考えた時安藤は好きになれませんでした。安藤だけ事件当日、自分のためにしか、行動しているように思えた為です。今7話まで見ましたが、最後現在がどうなるのか楽しみです。成瀬慎司と杉下希美の純愛は、私にとってドキドキさせてくれるところです。思いを伝えておけば‥よくあること。私にもそんな閉じ込めてあることに我慢しています。伝えるかは分からないけど、我慢できなくなったら言います。人って嘘つくのに体力いるはずと思っています。
話がごちゃごちゃしてすみません。結末や解釈が知れて良かったです。
ドラマを見て気になり、検索をして読ませていただきました。
とてもわかりやすく、自分では思っていないところまで掘り下げて
書いていただき、とてもよかったです。
ありがとうございました(^-^)
火事の犯人、父親でしたね。ビックリです!!
結婚して死にたい、子供を持ってしにたい、と言えるあなたはしあわせです。私はもう数年、一人娘とも会ってないし、彼女のせいで、母の死に目にも会わせてもらえませんでした。家族とは残酷なものです。私は娘が産まれたばかりの写真から始まって、すべて彼女のものは処分してしまいました。人生って、悲しいことばかりです。かぞくとは辛いことばかりです。だから私はこのドラマを観るのです。友達からは「暗いねえ」ってからかわれてますけどね。
細かいんですね よく調べられています
>日本には「案ずるより、産むが易し」という言葉があり、思い切って訊いてみると、大した事は無いという場合も多い。
「やってみる」という選択自体が現実逃避である世界にいる者として
このような考え方の人とは話が合わないか
じゃあ私の代わりに問題を解決してよ、と思ってしまいます。
冒頭で主人公の家にあり得ない事が起きました。
誰に何を言えば「案ずるより産むが易し」になったでしょうか。
誰かに話しても「かわいそうでみじめ」というレッテルをはられ
問題に直視しては精神が持たない。受け入れありえない現実逃避をしなければ
時間はどんどん過ぎる。
教えて下さい。どうすれば冒頭で
主人公は追い出されず元どおりの生活に戻れたのか。
と、とりあえずきいてみます。
ドラマだけしか見ていませんが、最後にどうしても気になる事があります。
会社のメールに不倫していると流した人物は誰なのでしょうか。
いつも楽しみにしています♪
誤字を一つ見つけました!
火事の犯人の所の料亭名「さざなみ」が「ささなみ」になっています。
■マキさんへ
社内にメールを流した犯人は不明です。原作にも犯人は登場しません。社内に流れる出所不明の噂の一種と考えてよいと思います。
■めいさんへ
「案ずるより、産むが易し」というのは、原作小説「Nのために」の1つテーマである「すれ違い」について書いているので、主人公が家を追い出された件については分りません。
原作はまだ読んでおりませんがいずれ読んでみたいと思っております。
ドラマは昨日で終了しました。 ラストで救われました。。。
残された時間は少なくても大切な人との時間を慈しむ様に生きて欲しいなぁと。
ただ何点か分からない点がありましたので管理人様の感想を聞かせていただけると嬉しいです。
杉下が愛していたのは本当に成瀬君だったのでしょうか? (だとしたら嬉しいのですが)
彼女は本当は安藤を愛していたのでは、、、と思ってしまいました。
貰った婚約指輪を見つめて泣いていたり、成瀬君との関係を否定していたりしたので。
病気や自分の過去の事等から身を引いたけど、本当は安藤と結婚したかったのかなぁと思えてしまいます。
それと1番分からないのは奈央子の気持ちです、、、
確か自分から西崎さんに「私を此処から連れ出して欲しい。助けて欲しい」と言い花屋を装って訪問する事を示唆しました。
でもいざとなったら最後のあの行動。 感情の推移がいまひとつ理解できませんでした。
瑠璃さん。奈央子の「連れ出して」ですが、ドラマで奈央子が「Xmasに希美ちゃんが来るの。連れ出して」と言っているシーンがあります。奈央子は希美ちゃんを連れ出して欲しいと伝えたかった。西崎さんはそれを「私をXmasに私を連れ出して」と勘違いした。とゆう事ではないでしょうか。
瑠璃さんの安藤と成瀬どちらを本当に愛していたのか。私も考えてしまいます。管理人さんの考えが聞きたいです。
■瑠璃さんへ、匿名さんへ
野口奈央子(小西真奈美)の件ですが、これは上のコメントで匿名さんがご指摘している通り、「連れ出して」と言っており、「誰を連れ出して」とは言っていません。
これは完全にミスリードを誘う手法で、視聴者に「私を連れ出して」と思わせるように作っています。
西崎真人(小出恵介)も「私を連れ出して」と解釈して野口奈央子(小西真奈美)を連れ出しに行くわけですが、野口奈央子(小西真奈美)が西崎真人(小出恵介)に連れ出して欲しかったのは、杉下希美(榮倉奈々)だったというオチになります。
野口奈央子(小西真奈美)は杉下希美(榮倉奈々)が野口貴弘(徳井義実)ちょっかいを出していると思い込んでおり、野口貴弘(徳井義実)を独占したいと思う野口奈央子(小西真奈美)は、西崎真人(小出恵介)に杉下希美(榮倉奈々)と野口貴弘(徳井義実)を引き離してもらおうと考えたのです。
さて、杉下希美(榮倉奈々)が愛した相手ですが、杉下希美(榮倉奈々)は成瀬慎司(窪田正孝)も安藤望(賀来賢人)も愛していたと思います。どちらを強く愛したというのではなく、愛の方向性が違ったように思います。
ただ、最終的に杉下希美(榮倉奈々)は、残り時間を「Nのために」ではなく、「自分のために」生きようと考え、成瀬慎司(窪田正孝)と生きる事を選んだのだと思います。
ドラマ版の最終回見ましたよ!いやー酷いオチでしたね!
何が酷いかってあの父親がノホホンと幸せに生きているってのがもうねえwww
女も生きていて一緒に暮らしているという事でしょ?酷くね?
わかりやすいネタバレ、ありがとうございます。いろいろと新たに発見ができました。
湊かなえさんの小説は大変面白く、本やドラマはよく見させて頂いています。
さて、今回の『Nのために』へも毎週楽しみに見させて頂いていましたが、まだ原作は読んでいません。
ドラマだけ見て、どうしても不可解だと思うことがあるのですが、もしよろしければご意見をお聞かせいただけないでしょうか。
(1)野口奈央子は野口貴弘からDVを受けていたと思うのですが、その真偽は?
(2)野口奈央子は野口貴弘からDVを受けていたので、西崎真人に親近感を感じていたのでは?
(3)DVを受けていたとして、その相手に独占欲や嫉妬を感じるのか否か?
以上の点が不自然に感じて、最終回が何かしっくりと来ていません。
何卒、ご意見をお聞かせください。
■キララさんへ
ドラマと原作は若干違いがあるのですが、概ね下の様な解釈になると思います。
1・野口奈央子は野口貴弘からDVを受けていました。野口奈央子の流産も、野口貴弘のDVが原因のようです。
2・野口奈央子が愛したのは野口貴弘だけです。野口奈央子は、杉下希美が野口貴弘にちょっかいを出していると勘違いしており、野口貴弘から杉下希美を引き離すために、西崎真人に優しくしていただけです。
(注釈:原作の野口奈央子は、杉下希美と西崎真人が付き合っていると勘違いしていました。)
3・野口奈央子は野口貴弘からDVを受けていましたが、野口貴弘を独占しようとしていました。西崎真人は母親から虐待されていましたが、母親のことを愛していました。西崎真人の小説「灼熱バード」を解釈すると、その心理を理解できると思います。
管理人様、匿名様
お返事ありがとうございました。 奈央子の気持ちがようやく分かったような気がします。
西崎には自分と同じ匂いを感じていただけなんですね。。。
「此処から連れ出して」が「私を、、、」ではなかった事、私も西崎同様まんまと勘違いしました。
そして管理人様の「安藤も成瀬君も方個性が違うだけで同じくらい思っていた」
最後は「自分のたため」に成瀬君との時間を選んだ。
「自分のため」という言葉がストンと落ちました。。。ありがとうございました。
成瀬君が切ないですが彼なら受け止めてくれますね。
原作を読んでからドラマを見ましたが、原作を補完していて感動しました。
そのあとで、以前見たドラマの時に知ったこちらのサイトを思い出し、今拝見したところです。
素晴らしいですね!
何がすごいって、管理人様の洞察力です。
以前のドラマの時も、どこよりもわかりやすく、腑に落ちる解説でした。
今回の「Nのために」も、とても良かったです。
ありがとうございました☆
管理人様
ありがとうございました。
原作では、野口奈央子は、杉下希美と西崎真人が付き合っていると勘違いしていたんですね。
それをお聞きして、納得できました。
■さきじさんへ
誤字のご指摘ありがとうございます。「ささなみ」を「さざなみ」に訂正しました。
原作は読んでないのですが、TVドラマでは最終回、奈央子が連れだして欲しかったのは希美ちゃんだった、というドンデン返しにドン引きしました。
監禁されてからも「春帆楼」から逃げて公衆電話で西崎さんに電話をかけた時も「連れ出して欲しいの」と言う時、希美ちゃんを、といいませんか? 奈央子はそのつもりだったけど西崎さんが勝手に誤解してたというふうにもっていくには無理のある台詞回しが多過ぎだったと思うし。あれで視聴者もだまされたでしょう?って、いわゆるミスリードだよーんっていうのは姑息な気がします。というより人間の心理としても不倫相手を遠ざける戦法として、奈央子のような方法は取らないのでは?って思います。そもそも野口の暴力も監禁も奈央子が不倫してるという嫉妬から出てきてることを奈央子は分かってたみたいだし。もみ合うくらいの意思があるなら、「あなただって希美ちゃんと浮気してるじゃない!」と言ってもいいと思うし。
人間心理から見たら奈央子は非常に不自然って思えました。
あと外からチェーンを掛けているというのもどうかな、と。現実問題としてはコンセルジュがそれを黙って見ているだろうかって思ってしまいました。ビル管理の面から外からドアチェーンを掛けているということに気がつかないことはなく、気づいていて事態を確認した時に、野口が「妻の精神状態が不安定なので」という話をしてもそれを鵜呑みにする代の大人はいないと思うんですよね。善管
最近は虐待に敏感になってますから、オーナーマンションのオーナーが野口の親だったにしても理事会の面々も黙っちゃいないと思うんです。事故物件になる方が怖いですし。善管注意義務の面で後から問われたら嫌だしって思うと、普通は野口の言うことを「ああそうですか。分かりました」で終わらないんじゃないかなって思います。超高級マンションなんですから特にそう思います。
最後の西崎さんの行動(自分が罪を被る他、その前後にとった様々な行動)は、杉下のため、安藤のため、成瀬のため、奈央子のため、そして自分のためやと思います。西崎は自分の生きてきた世界で物を見ていたけど、安藤と杉下、野ばらのおじいさんに出会い、その世界から一歩踏み出した位置から見たそれぞれのNが、それぞれのNへの、それぞれの思いを自分なりに感じ、行動したんやと思います。西崎さんが感じたその解釈は悲しいかな、奈央子の思いには気づかへんだけど(自分のためへの解釈でもあったから)、その他は間違いじゃない。
杉下に電話させたのは、杉下が人に初めて助けを求めることが出来るように、成瀬は絶対に杉下のために助けに来てくれることを知っていたから。そして成瀬のために、杉下の王子様になれるように。
安藤が鍵をかけたことをうやむやにしたのは、安藤のためであり、杉下が安藤への想いをそのままにするために。
奈央子、自分のためには、どなたかが書かれていた通りやと思います。
ほんで、杉下はゆがんだ精神での究極の愛は成瀬、野ばら荘以降の精神での究極の愛は安藤。杉下は自分のためにやったら成瀬じゃなく安藤を選ぶと思います。敬愛って誰かが書かれてた通りやと思います。最後、成瀬くんが助けに(会いにきている)のは、結局自分のために行動出来ていない杉下を表していると思います。結局自分のためには行動できない杉下。安藤のために自分の病気を言えない杉下。そして、杉下は成瀬に助けてほしいという自分の思いに気づいてくれた嬉しさ、そして自分のさまざまなNへの思いを成瀬に代わりに伝えてほしいと思ってるんやと思います。
文もおかしいし、矛盾してるかもしれへんし、理由(引用)とかもないけど、私はこう感じました。
分かり易い解釈ありがとうございます。
わたしは原作を読んでおらず、ドラマだけなのてすが、
1つ腑に落ちない点があります。
野口奈央子は西崎に「希美ちゃんを連れてって」
というシーンがあり、そこは希美と西崎が付き合ってると勘違いしているとあるのですが、
最初奈央子と希美が初めて会うシーンでは、安藤と希美が付き合ってる体ではなかったですか?
どうして、西崎と付き合ってると思ったのでしょうか。
■名無しさんへ
沖縄で出会ったとき、野口奈央子は杉下希美に貝をプレゼントしています。その後、野口奈央子は西崎真人の部屋で雨宿りをしたとき、杉下希美にプレゼントした貝を西崎真人の部屋で見つけました。
野口奈央子は、杉下希美にプレゼントした貝を西崎真人の部屋で見つけたので、杉下希美と西崎真人が付き合っていると思い込んだのです。