原作漫画「きょうは会社休みます。」の感想
綾瀬はるかが主演する日本テレビのドラマ「きょうは会社休みます。」の原作となる藤村真理の漫画「きょうは会社休みます。」の読書感想文です。
原作漫画「きょうは会社休みます。」のあらすじとネタバレは「原作漫画『きょうは会社休みます。』のあらすじとネタバレ」をご覧下さい。
■きょうは会社休みます。-1巻の感想
藤村真理の漫画「きょうは会社休みます。」の第1巻を読んだ。
「きょうは会社休みます。」というタイトルだったので、最近流行のブラック企業の話かと思っていたが、OLが33歳の誕生日に処女を喪失して、12歳下のアルバイト同僚と付き合う恋愛漫画だった。
漫画なので仕方が無いが、第1話で主人公・青石花笑が33歳の誕生日に、12歳下の田之倉悠斗と飲みに行き、処女を喪失するという急展開で物語は始まる。
田之倉悠斗が財布を忘れて青石花笑に支払って貰うシーンがあるり、田之倉悠斗の詐欺師疑惑や紐男疑惑が浮上するのだが、疑惑はアッサリと終了してしまったのは残念だ。
デート商法的な定番のエピソードも欲しかったし、青石花笑がもう少し、田之倉悠斗を警戒するシーンがあれば良かったと思った。
■きょうは会社休みます。-2巻の感想
田之倉悠斗の部屋で青石花笑が生理になり、田之倉悠斗が部屋にあった生理用ナプキンを青石花笑に差し出した。
男の田之倉悠斗が生理用ナプキンを持っているはずが無く、元カノの物だと気づいた青石花笑は、「今日は会社を休みます」ではなく、「今日は帰ります」という展開で、第2巻は始まった。
ときどき、タバコをくわえた瞬間に、ライターで火を付けてくれる女性が居るという話を聞く。女性はホステスなどをしており、反射的に火を付けるのだろう。
しかし、生理になった女性に、反射的に生理用ナプキンを差し出す男性など、聞いた事が無い。田之倉悠斗は元カノに相当、調教されたのではないだろうか。田之倉悠斗の過去が気になるところだ。
一方、謎のイケメン朝尾侑も、「二十歳そこそこの男との結婚を待ってたら、あっという間に40になっちゃうよ。俺となら明日にでも結婚できるけど」と言って、青石花笑に結婚を前提とした交際を申し込むという漫画のような展開に発展する。
朝尾侑はかなり怪しいので、朝尾侑と付き合うと、良い感じになってきた頃に、朝尾侑が「ちょっと、会社の運転資金が足りない」とか、「今日までに300万円を用意しないと不渡りを出して会社が倒産する」とか、言い出すのではないかと疑ってしまう。
私に近づいてくるのはハエか蚊くらいなので、異性が近づいてきても、素直に喜べず、どうせ絵画や壺でも売りつけに来たのだろうと勘ぐってしまう。
■きょうは会社休みます。-3巻の感想
青石花笑に恋のライバル鳴前ひろ乃が現れた。鳴前ひろ乃はショートカットで若くてかわいいので強敵である。
ところが、青石花笑は田之倉悠斗と交際している事を隠しながら、恋のライバル鳴前ひろ乃の恋愛相談に乗るという異常な展開に発展する。
青石花笑はこの恋愛相談を通じて苦悩しながらも、田之倉悠斗に対する気持ちに気づき、誠実に対応して、鳴前ひろ乃に謝罪する。田之倉悠斗は鳴前ひろ乃をシャットアウトして、青石花笑との愛を貫いた。
それに引き替え、CEO(最高経営責任者)を解任されて無職になった朝尾侑は、車の鍵を無くしたなどと嘘を言い、青石花笑を足止めしたのは酷いと思った。
酷いというのは、朝尾侑が「車の鍵を無くした」と嘘を付いた事ではなく、嘘を付いたことによって「青石花笑を不安にさせた」という点である。
もし、田之倉悠斗なら、車の鍵を無くしたとしても、青石花笑を不安にさせる事は無かっただろう。
朝尾侑がそのことに気づかなければ、田之倉悠斗に勝つことは出来ないだろうと思う。
■きょうは会社休みます。-4巻の感想
「きょうは会社休みます。」の第4話で大学の同窓会があり、青石花笑が大学時代にホテルに誘われた2年上の先輩と再会した。
青石花笑にとって先輩は、トラウマのような存在なのかと思っていたが、トラウマではなく、思い出に生きる存在だった。
青石花笑は田之倉悠斗が一緒だったから、先輩との再会を乗り越えることが出来たが、田之倉悠斗が居なければ、どうなっていただろうか。反対に、先輩は青石花笑をどう思っていたのだろうか。
先輩は10年間も青石花笑の記憶の中に生きていたのだから、先輩と再会するエピソードはもう少し描写が多い方が良かったと思う。
さて、田之倉悠斗は第4話で、「じゃー、花笑さんにジュエリーをプレゼント出来るのは結婚するときだけか」と言い、青石花笑に結婚をちらつかせた。
33歳の女性に結婚を意識させれば、もう冗談では済まされない。それくらいのことは田之倉悠斗も分っているだろうから、田之倉悠斗は既に青石花笑との結婚を決めているのだろう。
ただ、同棲の約束は撤回したものの、田之倉悠斗は青石花笑に合い鍵を渡すまで、トントン拍子で進んでおり、余りにも2人の恋愛が順調に進みすぎているので、田之倉悠斗の結婚詐欺師疑惑がぬぐいきれない。