谷村美月の病気は進行性要素性障害
谷村美月が出演するTBSの知的障害ドラマ「アルジャーノンに花束を」の第4話「手術失敗!?あなたの為に起きて…奇跡」の感想編です。
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■谷村美月の病気は進行性要素性障害
TBSのドラマ「アルジャーノンに花束を」の第4話で、河口梨央(谷村美月)の病名は「進行性要素性障害」と判明した。
進行性要素性障害とは、脳の萎縮が進み、比較的病初期から要素的認知機能が存在する病気である。主には作業記憶、手続き記憶などを初めとする機能障害、遂行機能・視空間機能・注意などの認知機能障害で、遺伝的アルツハイマー病との合併が注意されている。
河口玲二(中原丈雄)によると、「現在はまだ、軽度の記憶障害が時々、現れるだけだが、やがて、その頻度が多くなる。脳萎縮が進行し、記憶のみならず、全ての脳機能の障害が進み、やがては、話す言葉すら忘れ、花のようになる」という病気である。
(注釈:進行性要素性障害という病気は実際には存在せず、ドラマ「アルジャーノンに花束を」のオリジナル病気だと思われる。)
ドラマ「アルジャーノンに花束を」の第4話で、河口玲二(中原丈雄)は進行性要素性障害の河口梨央(谷村美月)について、「奇跡でも起きない限りは、ただ咲いているだけの花。死ぬのを待つばかりだ」と話しているが、どうして花にたとえたのだろうか。
それは、主人公・白鳥咲人(山下智久)が花の配送会社「ドリームフラワーサービス」で働いているという事もあるだろうが、私は河口玲二(中原丈雄)の台詞を聞いてフジテレビのドラマ「裸の大将」を思い出した。
なぜなら、ドラマ「裸の大将」の主題歌「野に咲く花のように」には、「野に咲く花のように風に吹かれて。野に咲く花のように人を爽やかにして。そんな風にぼく達も、生きてゆけたら素晴らしい」という歌詞があるからだ。
また、ドラマ「裸の大将」は、「日本のゴッホ」と呼ばれた天才画家・山下清をモデルとしたドラマで、一説によると、山下清はサヴァン症候群という知的障害者であった。
つまり、ドラマ「アルジャーノンに花束を」は進行性要素性障害の河口梨央(谷村美月)を「死を待つだけの花」に例える事で、「野に咲く花のように行きたい」というドラマ「裸の大将」との対比を表したのではないか。
ドラマ「アルジャーノンに花束を」の第4話の時点では、河口梨央(谷村美月)が進行性要素性障害と判明しただけなので、直ちに、ドラマ「裸の大将」へのアンチテーゼと判断するのは尚早であるが、そういうことを考えて見れば、もっと深くドラマ「アルジャーノンに花束を」を解釈できるのかもしれない。