下町ロケット-視聴率とあらすじとネタバレ
阿部寛が主演するTBSの国産ロケット下町ドラマ「下町ロケット」の視聴率とあらすじとネタバレです。
原作小説「下町ロケット」のあらすじとネタバレは「下町ロケットの原作のあらすじとネタバレ」をご覧ください。
■下町ロケットの視聴率
第1話の視聴率 | 16.1% |
第2話の視聴率 | 17.8% |
第3話の視聴率 | 18.6% |
第4話の視聴率 | 17.1% |
第5話の視聴率 | 20.2% |
第6話の視聴率 | 17.8% |
第7話の視聴率 | 17.9% |
第8話の視聴率 | 20.4% |
第9話の視聴率 | 18.2% |
最終回の視聴率 | 22.3% |
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■下町ロケット-あらすじとネタバレ
宇宙科学開発機構はロケット「セイレーン」の打ち上げに失敗した。上司は「誰かが責任を取らねばならない」と言い、ロケットエンジンの開発者・佃航平(阿部寛)に辞表を提出させた。
宇宙科学開発機構を辞めた佃航平(阿部寛)は、父親が残した下町の工場「佃製作所」を継ぎ、社長として第2の人生を歩み始めた。
佃製作所は昭和39年に創業、東京都大田区にある精密機器製造業の中小企業だが、佃航平(阿部寛)が社長になってからは、より高度な技術を必要とするエンジンと周辺デバイスを製造するようになり、売り上げを3倍に伸ばした。
それでもまだ、売り上げ100億円に満たない中小企業ではあるが、エンジンに関する技術は、大企業をしのぐと言われた。
これは、ロケットエンジンに関与してきた佃航平(阿部寛)の実績によるところが大きかったが、その研究開発は一朝一夕に出来るものではなく、膨大な研究開発費を要していた。
■下町ロケット-取引の打ち切り
佃航平(阿部寛)が佃製作所の社長に就任してから7年後のある日、佃製作所は主要取引先である京浜マシナリーから突然、一方的に取引の打ち切りを宣告された。
佃製作所は、京浜マシナリーへの売り上げ10億円を失うことになり、資金繰りが悪化するため、佃航平(阿部寛)は経理・殿村直弘(立川談春)と共にメーンバンクの白水銀行へ融資を頼みに行った。
しかし、融資担当・柳井哲二(春風亭昇太)に「多額の資金を投じて開発してるのは何です?ロケットエンジンの何とかシステムとか、水素なんとかシステムとか、どれも実用性のない物ばかりじゃないですか。利益を生まない特許製品はガラクタと同じだ。御社の開発力を評価している人間は、当行には1人もおりません。中小企業は中小企業らしく、目先の利益を追いかけたらどうですか?」と言われ、相手にされなかった。
その帰り道、経理・殿村直弘(立川談春)は、佃航平(阿部寛)に「研究開発はしばらく休んではどうですか?社内では誰も言わないから、私が言います。せっかく上げた利益を研究開発に食い潰されている。そう思っている社員が何人も居ます。研究開発を止めないまでも、もっと実用的なエンジンに開発を絞れば、利益に繋がるし、社員も銀行も納得すると思うんです。そうしましょうよ、社長」と苦言を呈した。
しかし、佃航平(阿部寛)は「言ってくれて、ありがとう。だが、研究開発は止めない。うちのような研究開発型の会社は、絶対に研究開発が必要なんだ」と答えた。
経理・殿村直弘(立川談春)は「だったら、水素エンジン関連の開発だけは止めてくださいよ。社長はまだ、研究者だったころの夢が忘れられないんじゃないですか?でも、今は研究者じゃない。社長なんです。社員の事を第1に考えてくれませんか」と頭を下げた。
一方、大企業の帝国重工は、7年の歳月をかけ、キーテクノロジーの内製化を目指し、国産ロケットの開発を進めてきた。
そして、国産ロケットの打ち上げ日は1年後に決定し、帝国重工はロケットの製造、打ち上げ実験の段階へと入った。
■下町ロケット-ナカシマ工業の提訴
そのようななか、佃製作所に裁判所から訴状が届く。ライバル企業のナカシマ工業が90億円の損害賠償を求め、佃製作所の小型エンジン「ステラ」を特許の侵害で訴えたのだ。
ナカシマ工業は、いつも他社の製品を上手く模倣しておき、逆に特許侵害で訴え、多額の賠償金を取るため、業界では「マネシマ工業」と揶揄されていた。
小型エンジン「ステラ」は佃製作所が5年前に開発し、現在、佃製作所の売り上げの3割を占める主力商品で、ステラが販売差し止めになることは、佃製作所の死活問題であった。
京浜マシナリーが突如として取引停止を宣告してきたのは、ナカシマ工業が佃製作所を訴えるという情報を聞きつけたからかもしれない。いや、ナカシマ工業が京浜マシナリーに情報を流したという可能性もある。
佃航平(阿部寛)は激怒してナカシマ工業の法務マネージャー・三田公康(橋本さとし)に電話し、「ステラエンジンの仕様については、以前、お宅と検討会を開いて、そちらも納得したはずじゃないですか?」と苦情を言った。
しかし、三田公康(橋本さとし)は「何か勘違いをしてるんじゃないですか?検討会ではラチが開かないと思ったから、その場で反論しなかっただけです。貴方がどう考えようと、本件は裁判所で決着を付ける事になってます。この件でご連絡があれば、代理人の弁護士にお願いします」と言って相手にせず、電話を切った。
そして、三田公康(橋本さとし)が「訴えられた相手に直接連絡してくるなど、素人丸出しですよ」と呆れると、顧問弁護士・中川京一(池畑慎之介=ピーター)は「訴訟対策をしていない町工場レベルでは、そんなもんですよ」と笑った。
さて、佃航平(阿部寛)は顧問弁護士・田辺弁護士(阿藤快)の元を訪れ、ステラエンジンが特許の侵害をしていないことを説明するが、田辺弁護士(阿藤快)は「オリジナリティーを説明できるかの問題なんだよね。大企業に弱い裁判官もいるからね。ナカシマだって勝てると思ったから、仕掛けてきたんでしょ。そう簡単な話じゃないですよ」と難色を示した。
経理・殿村直弘(立川談春)が「先生はこういった知的財産のご経験はおありですか?」と尋ねると、田辺弁護士(阿藤快)は「こういうケースは、そう簡単に出てくるんじゃないんだよ。とりあえず、特許侵害の事実は無いということで、答弁書を書きますから、請求原因を否認するポイントをまとめてメールで送ってください」と答えた。
技術開発部長・山崎光彦(安田顕)が「ですから、それはさっき、説明・・・」と呆れるが、田辺弁護士(阿藤快)は席を立ってしまった。
呆れた山崎光彦(安田顕)が佃航平(阿部寛)に「知的財産に慣れてる弁護士を探しましょうか?」と提案するが、佃航平(阿部寛)は「それはいかん。あの先生は、オヤジの代からの付き合いだ」と答えた。
経理・殿村直弘(立川談春)は「それもこれも、裁判を続けられればの話です。まずは融資を取り付けないと」と告げた。
佃航平(阿部寛)が「この訴訟の件、銀行に話した方が?」と尋ねると、経理・殿村直弘(立川談春)は「そうですね。銀行が知る前に、こちらから話をしないと心証を悪くしますし」と答えた。
一方、帝国重工では、開発担当部長・財前道生(吉川晃司)が社長・藤間秀樹(杉良太郎)に、国産ロケットの開発状況について報告していた。
帝国重工はエンジンの燃焼実験で、エンジンのバルブに問題が発覚したため、新しいバルブの開発に着手している最中だった。
社長・藤間秀樹(杉良太郎)は「もういい。財前(吉川晃司)、その画期的だという調圧バルブはいつ出来る?」と尋ねると、財前道生(吉川晃司)は「可及的速やかに」と答えたが、社長・藤間秀樹(杉良太郎)はその答えを無視した。
財前道生(吉川晃司)は慌てて「1ヶ月あれば」と言い直すと、社長・藤間秀樹(杉良太郎)は「そうか」と答えて席を立った。
報告会の後、本部長・水原重治(木下ほうか)が「社長の前で口にした以上、撤回は無いぞ。本当に大丈夫なんだろうな。新型バルブシステム。絶対に7年前の醜態を晒すわけにはいかん」と告げると、財前道生(吉川晃司)は「本部長の顔に泥を塗るような事はいたしません」と答えた。
■下町ロケット-佃航平(阿部寛)の家庭
ナカシマ工業が佃製作所を提訴した件をプレス発表したため、佃製作所は取引中止が相次いだ。このままいけば、佃製作所は半年後には資金がショートして倒産することは確実だった。
佃航平(阿部寛)と経理・殿村直弘(立川談春)はメーンバンクの白水銀行へ行き、支店長・根木節生(東国原英夫)に融資を懇願するが、根木節生(東国原英夫)は「利益の上がらない研究開発は、道楽と言うんです」と言い相手にしなかった。
その日の夜、母・佃和枝(倍賞美津子)が「どうなの?裁判。もし、負けたら、この家も手放さないといけないの?」と心配すると、佃航平(阿部寛)は「上手くやりますよ。利菜(土屋太鳳)も居るんだし」と答えた。
すると、母・佃和枝(倍賞美津子)は「利菜(土屋太鳳)のことなんだけど。こんな時になんなんだけど、今日ね、学校から呼び出しがあったの」と報告した。
それを聞いた佃航平(阿部寛)は「お前、何やってるんだ。生徒だけでカラオケに行って指導されたそうじゃないか。バトミントン部の練習とミーティングがあるかって言ってたよな。もう1週間以上も部活を休んでるそうじゃないか。親に嘘をついてどこに行ってるんだ」と言って娘・佃利菜(土屋太鳳)の部屋に怒鳴り込む。
すると、佃利菜(土屋太鳳)は「どこでも良いじゃないの。私にも付き合いがあるの。パパに言いたくないことだってあるの」と答えた。
佃航平(阿部寛)は「なんだ、その言いたくない事って」と問うと、佃利菜(土屋太鳳)は「言いたくないことを言うわけないじゃない。バカじゃ無いの」と吐き捨てた。
佃航平(阿部寛)が「親に向かってなんだ、その口の利き方は」と怒ると、佃利菜(土屋太鳳)は「仕事ばっかで家に居ないくせに。都合の良い時だけ親を振りかざさないで」と答えた。
佃航平(阿部寛)が「あのな、俺はな」と言いかけると、佃利菜(土屋太鳳)は「私たちのために頑張ってるなんて言わないでよね。そんなの、みんなそうだし。子供に恩着せがましい親なんて最低」と告げた。
佃航平(阿部寛)が「もうバトミントンは、もう、やらないのか?スポーツ推薦で大学に進学するつもりだったんだろ?」と尋ねると、佃利菜(土屋太鳳)は「普通に受験すればいいでしょ」と答えた。
佃航平(阿部寛)が「受験はそんなに甘くないぞ。どこでもいいから適当なところに受かって4年間、遊べれば良いと思ってるのなら、俺は認めないぞ」と告げると、佃利菜(土屋太鳳)は「慶応理工学部ならいいわけ?パパとママと同じ所なら、文句ないわね」と答えた。
そのとき、佃航平(阿部寛)のスマートフォンが鳴る。離婚した妻・和泉沙耶(真矢ミキ)からの電話だった。佃航平(阿部寛)は電話に出ると、佃利菜(土屋太鳳)の部屋を出て自分の部屋に戻る。
和泉沙耶(真矢ミキ)はナカシマ工業との訴訟になっていることを知り、「特許専門の弁護士を紹介してあげようか?」と尋ねたが、佃航平(阿部寛)は「あいにく、うちにも顧問弁護士が居るんでね」と断った。
■下町ロケット-裁判の第1回口頭弁論
さて、ナカシマ工業が佃製作所を特許侵害で訴えた裁判の第1回口頭弁論が始まった。
ナカシマ工業の顧問弁護士・中川京一(池畑慎之介)は裁判で、佃製作所が形状を模倣したと主張する。
傍聴席で裁判を見ている技術開発部長・山崎光彦(安田顕)は、「形状模倣については、メールて徹底的に指示してますから大丈夫です。さぁ、先生、反撃だ」と自信の色を浮かべた。
しかし、技術を全く理解していない佃製作所の顧問弁護士・田辺弁護士(阿藤快)は「その点いついては、次回までに反論を提出いたします」と言って逃げた。
裁判後、裁判を傍聴した佃航平(阿部寛)が「あのですね、先生。この事件、少々、荷が勝ちすぎているという事はないでしょうか?」と尋ねると、田辺弁護士(阿藤快)は「何が言いたいんだね」と気分を害した。
技術開発部長・山崎光彦(安田顕)が「さっき、相手の弁護士が指摘した事は、非常に基本的なことです。既に先生にお話しした内容を理解していれば、簡単に反論できたはずです」と指摘すると、田辺弁護士(阿藤快)は「あのね、私は技術屋じゃないんだ」と答えた。
佃航平(阿部寛)が「先生、これから裁判をやって行くうえで、分からないことがあれば、『次回回答します』という言い逃ればかりでは、時間ばかりかかってしまう」と告げると、田辺弁護士(阿藤快)は「つまらない反論をして、言葉尻を取られるようなことになれば、それこそ向こうの思うつぼだ」と答えた。
佃航平(阿部寛)は「我々には半年しかないんです」と説明するが、田辺弁護士(阿藤快)は「そう時間の事ばかり言ってもね。特許侵害があったのか、無かったのか、それの事を・・・」と答えた。
経理・殿村直弘(立川談春)が「先生、申し訳ありませんが、今回の件、弁護士の選定からやり直させてもらいます」と告げると、田辺弁護士(阿藤快)は「だから、生半可なことを言えば、向こうの思うつぼだ」と答えた。
経理・殿村直弘(立川談春)が「だったら、生半可なことを言わなければいいじゃないですか」と怒ると、田辺弁護士(阿藤快)は「お父さんとの縁で、金にもならない佃製作所の顧問を続けてきたんだ。勝手にしなさいよ。こんな負け戦を引き受ける弁護士は居ない」と怒って立ち去った。
経理・殿村直弘(立川談春)が「すみません。出過ぎたマネを」と謝罪すると、佃航平(阿部寛)は「いや。あれは私が言う台詞だった」と答えた。
しかし、田辺弁護士(阿藤快)が言ったように、佃製作所の弁護を引き受けてくれる弁護士はおらず、佃製作所は資金繰りの目処も立っていなかった。
そこで、経理・殿村直弘(立川談春)は「定期を解約しましょう」と提案した。
佃航平(阿部寛)が「白水の定期預金の事か?あれはウチが倒産したときの為の担保で、銀行が解約させないようにしてるんじゃないのか?」と尋ねると、経理・殿村直弘(立川談春)は「にらみ預金ですか?もう、そんな時代じゃない。金融庁も禁止してます」と教えた。
佃航平(阿部寛)が「そうだとしても、銀行を敵に回すことになるんじゃないのか。アンタの立場だって」と告げると、経理・殿村直弘(立川談春)は「ここで雇ってくださるんでしょ?正式に雇って貰えるんでしょ?社長」と尋ねた。
経理・殿村直弘(立川談春)の提案により、佃製作所は定期を解約したが、それはメーンバンクの白水銀行との決別を意味していた。また、定期を解約しても寿命が半年延びるだけだった。
苦悩した佃航平(阿部寛)は末、元妻・和泉沙耶(真矢ミキ)に電話をすると、元妻・和泉沙耶(真矢ミキ)は「弁護士でしょ。後でメールしておくわ。それより、今日の毎朝新聞を見た?打ち上げ日は決まったみたいだけど、バルブシステムが上手くいってないみたい。日本初の純国産ロケット、成功して欲しいわね」と話した。
しかし、帝国重工が行ったエンジンの燃焼テストは、燃料が噴射してしまい、失敗に終わった。原因は究明中だが、もし、バルブが原因なら、予定日にロケットを打ち上げることは不可能だった。
■下町ロケット-弁護士・神谷修一との出会い
さて、佃航平(阿部寛)は、元妻・和泉沙耶(真矢ミキ)から紹介して貰った特許専門の敏腕弁護士・神谷修一(恵俊彰)に会いに行く。
神谷修一(恵俊彰)は事前に送った膨大な資料に目を通しており、弁護を引き受けてくれるということだった。
佃航平(阿部寛)は「もう何人にも断られたもので。先生だけが頼りです」と感謝すると、神谷修一(恵俊彰)は「確かに、ナカシマが相手では、一般の弁護士では太刀打ちできないことが多々あるので」と答えた。
佃航平(阿部寛)は「たしか、先生は以前、向こうの弁護士と同じ事務所にいらしたんですよね?」と尋ねると、神谷修一(恵俊彰)は「だからこそ、お引き受けしようと思ったんです」と答え、質問に入った。
神谷修一(恵俊彰)がタービンの動翼の製造方法について尋ねると、技術開発部長・山崎光彦(安田顕)は「先生は、それがどれほど難しいことか、分かってるらっしゃるってことですか?」と驚いた。
神谷修一(恵俊彰)が「だって、これは至難の業ですよね?」と告げると、技術開発部長・山崎光彦(安田顕)は喜んで、切削研磨装置の開発から二年の歳月を掛けて製造した事を説明した。
その後も神谷修一(恵俊彰)はエンジンについての質問を重ね、技術開発部長・山崎光彦(安田顕)は技術的な説明を行う。
やがて、神谷修一(恵俊彰)が質問を終えて礼を言うと、技術開発部長・山崎光彦(安田顕)は神谷修一(恵俊彰)の質問が的を射ていたので「よく質問してくださいました、とお礼を言いたいくらいです」と感心した。
佃航平(阿部寛)が「勝てますか」と尋ねると、神谷修一(恵俊彰)は「僕の勝率をご存じですか?8割です。残りの2割は勝訴に等しい和解です。なぜだと思います?負ける裁判はしないからです。結論から言ってナカシマの主張を退けるのは、そう難しい事ではありません」と答えた。
しかし、神谷修一(恵俊彰)は「ただ、ひとつ問題があります。時間です。おそらく、あらゆる手を使って時間稼ぎをしてくるでしょう。御社の資金が底を突くまで、銀行の定期を解約して1年、持つかどうかですよね?裁判は2年、少なくとも1年半はかかります。最低でもあと半年は裁判を続けられる資金を調達してください。それが引き受ける条件です」と言い、条件を出した。
そして、神谷修一(恵俊彰)が「そもそも、なんでこんな事になったのか、おわかりですか?佃さんが取得なさった特許が良くなかったからです」と指摘すると、技術開発部長・山崎光彦(安田顕)は「ウチの技術がイマイチだというんですか?」と食ってかかった。
神谷修一(恵俊彰)は「違います。素晴らしい技術と、特許の善し悪しは別問題です。たとえば、佃さんがコップを発明したとします。中が空洞になっている円柱状の物体で、底があってプラスチックで出来ている。そう書いて特許を出願したとします。その後、ガラスで作った人が出てきたら、あるいは角のある物を作った人が出てきたらどうします?果たしてこの2つ、特許違反になるでしょうか?ナカシマ工業はその隙を突いて模倣し、様々な形、様々な素材で特許申請を行います。そうすると、今度は佃さんが改良すると、佃さんが発明したコップなのに、佃さんが特許侵害になってしまうんです」と言い、特許の見直しをアドバイスした。
一方、ナカシマ工業の三田公康(橋本さとし)は、料亭で顧問弁護士・中川京一(池畑慎之介)と会食していた。
顧問弁護士・中川京一(池畑慎之介)が、神谷修一(恵俊彰)が佃製作所の弁護を引き受けたことを報告すると、三田公康(橋本さとし)は念のために手を打つことにした。
中川京一(池畑慎之介)が「あまり強引なやり方は気をつけてくださいよ」と忠告すると、三田公康(橋本さとし)は「世の中には2の規律があると思っています。倫理と法律です。人間が滅多に殺人を犯さないのは、法律で決められているからじゃない。そんなことをしちゃいけないという倫理に支配されているからです。でも、会社は違う。会社には倫理なんて必要ない。法律さえ守っていれば、何をしたって罰せられることはない。やり方次第で、相手企業の息の根を止めることも出来る。そのために先生という心強い味方がいらっしゃる」と話した。
京浜マシナリーが佃製作所に取引中止を突きつけたのも、ナカシマ工業の三田公康(橋本さとし)が裏で糸を引いていたからだった。
さて、佃製作所は各銀行に1億5千万円の融資を申し込んだが、断られており、未だに融資の目処は立っていなかった。
そこへ、技術開発部長・山崎光彦(安田顕)が飛び込んでくる。同級生がベンチャーキャピタルの「ナショナル・インベストメント」に再就職をしており、転換社債で1億5千万円の融資が受けられそうなのだという。
■下町ロケット-ナカシマ工業の本当の目的
そのようななか、特許侵害裁判の第2回口頭弁論が行われる。
ナカシマ工業の弁護士・中川京一(池畑慎之介)は、時間を引き延ばすための主張を展開するが、佃製作所の弁護士・神谷修一(恵俊彰)はその場で的確に反論したうえで、ナカシマ工業の主張が前回と重複している事を指摘した。
裁判官は弁護士・神谷修一(恵俊彰)の指摘を認め、ナカシマ工業に「整理済みの争点に関係無い主張が目立ちます。的を絞るようにしてください」と指導した。
裁判に手応えを感じた佃航平(阿部寛)は、佃製作所に戻ると、社員に「今度の弁護士先生なら大丈夫だ。安心してくれ」と報告した。
ところが、ナショナル・インベストメントが急に融資を断ってきた。理由を尋ねても、「社の方針が変わった」の一点張りだった。
そこへ、弁護士・神谷修一(恵俊彰)が尋ねてくる。ナカシマ工業が、佃製作所の株式51%の譲渡を条件に和解を提示してきたのだという。
神谷修一(恵俊彰)は「つまり、買収です。御社の高い技術力や特許を吸い上げる。それこそが本当の狙いだったんです。ナショナル・インベストメントが融資を断ってきたのもタイミングが良すぎると思いませんか?」と告げた。
神谷修一(恵俊彰)は「このまま会社が潰れるのを待つくらいなら、買収を受け入れるのも手かもしれません。酷かな言い方ですが、和解だけが唯一、佃製作所を残す方法だと言えます。向こうもそれが分かっているからこそ、提案してきた」と言い、佃航平(阿部寛)に和解を進めた。
神谷修一(恵俊彰)は、同じような状況で、和解を拒否して倒産した企業を知っており、佃製作所を同じ目に遭わせたくないのだという。
佃製作所が裁判を2年間、戦い続けるには3億円の運転資金が必要で、佃製作所が生き残るためには、和解期限の3週間後までに3億円を集めるか、和解に応じるしか、その2つしか無い。
佃製作所は社員総出で融資を頼みに奔走したが、ナカシマ工業と係争中という事だけで門前払いで相手にされなかった。
経理・殿村直弘(立川談春)は昔の伝を頼って後輩の銀行に融資を頼みに言ったが、メーンバンクの白水銀行が融資をしていない事から、どこの銀行も融資に難色を示した。
こうしたなか、佃製作所の営業部は「かけずり回って売っても、全て開発費に消えていく」と日頃の不満を爆発させた。営業部はナカシマ工業の下で安定した仕事をした方がマシだと言い、営業部と技術開発部が対立し、佃製作所は分裂してしまう。
メーンバンクの白水銀行とは、定期を解約した時点で関係が悪化していたが、営業部長・津野薫(中本賢)は佃航平(阿部寛)に「研究開発を中止し、白水銀行に融資を頼んで欲しい」と懇願した。
この騒動を受け、佃航平(阿部寛)は研究開発の中止という苦渋の決断をし、経理・殿村直弘(立川談春)とともに白水銀行に融資を頼みに行くが、白水銀行の融資担当・柳井哲二(春風亭昇太)は融資を拒否した。
さらに、白水銀行の支店長・根木節生(東国原英夫)は、白水銀行から佃製作所に出向している経理・殿村直弘(立川談春)を呼び出し、「佃製作所がナカシマ工業の傘下に入れば、ウチとしても、より大きな取引が出来る」と言い、和解を進めるように命じた。
一方、ロケットエンジンの燃焼テストの失敗の原因を究明していた帝国重工の開発主任・富山敬治(新井浩文)は、失敗の原因はバルブではなく、組み立ての行程でワイヤー1本が抜けていた事を突き止めた。
報告を受けた開発担当部長・財前道生(吉川晃司)は5日後に再テストを指示し、富山敬治(新井浩文)は5日後のエンジンの燃焼テストをクリアした。
こうして、帝国重工は新型バルブシステムの開発に成功し、主要デバイスの内製化を達成した。後は国産ロケットを打ち上げるだけだった。
■下町ロケット-佃航平(阿部寛)の決断
さて、佃製作所は、和解の期日を目前に迎えていた。佃航平(阿部寛)は開発したバルブを磨きながら、「ごめんな、ごめん」と謝ると、社長室を出て、幹部にナカシマ工業の傘下に入る方針を伝えた。
社員はそのまま佃製作所に残れるように頼み、佃航平(阿部寛)はケジメを付けて辞めるのだという。
佃航平(阿部寛)は、技術開発部長・山崎光彦(安田顕)に「頼みがある。どうか、作り続けてくれ。ナカシマだろうと佃だろうと、そんなことはどうだっていい。技術や志を次の世代に繋いでいって欲しい。技術の進歩が止ってしまえば、世の中の発展は無い。物作りの火を消さないでくれ」と頼んだ。
すると、経理・殿村直弘(立川談春)は「ちょっと待ってくれ。本当にいいんですか?これが最期でいいんですか?まだなんか手立てはあるでしょう?諦めずに考えましょうよ。俺は皆に嫌われている事は分かってる。でも、俺はこの会社が好きだ。だから、経理を必死にやってきた。言いにくいことも言ってきた。俺が銀行に入ったのは、技術はあるのに日の目を見ない企業を助けたかったからです。それが俺の夢でした。でも、叶わなかった。社長、貴方は違う。夢に愛されている。だから、逃げちゃいけない。お願いだから、諦めないでください。元銀行員として何百の会社を見てきた。俺には分かる。佃製作所は良い会社です。本当に良い会社です。だから、なんとしても守りたい。守りたいんだ」と言って泣いた。
佃航平(阿部寛)に呼ばれて佃製作所を訪れた弁護士・神谷修一(恵俊彰)は、その様子を物陰から見て感化され、「私は負ける裁判をしない。しかし、貴方がたを見ていたら、賭たくなってきた」と言い、佃航平(阿部寛)に秘策を提案をした。
しかし、弁護士・神谷修一(恵俊彰)が提案した秘策は、資金を得るどころか、資金を消費する諸刃の剣だった。
■下町ロケット-秘策
翌日、佃航平(阿部寛)は社員全員を集め、「ナカシマとは和解しない。一部上場?年商6000億?それがどうした。佃製作所にはそんなものとは比較できない、世界に通用する技術力がある。それを培ってきた最高の社員たちがいる。それをマネシマなんぞに渡してたまるか。いい年したおっさんが夢見て何が悪い。町工場が夢見て何が悪いんだ」と言い、ナカシマ工業と戦うことを宣言し、社員に秘策を伝えた。
弁護士・神谷修一(恵俊彰)が提案した秘策は、佃製作所がナカシマ工業の主力商品「エルマー2」を特許侵害で訴えるというものだった。
佃航平(阿部寛)が「ナカシマとの訴訟に勝ち、信用を取り戻す。どうか力を貸して欲しい」と言って頭を下げると、社員全員が拍手で佃航平(阿部寛)の決断をたたえた。
一方、帝国重工の開発担当部長・財前道生(吉川晃司)の元に、開発主任・富山敬治(新井浩文)が飛び込んでくる。
富山敬治(新井浩文)は「我々が開発したバルブシステムと同内容の特許が1週間前に出願されていました」と報告し、佃製作所の資料を渡した。
財前道生(吉川晃司)が「なぜもっと前に確認しておかなかった」と激怒すると、富山敬治(新井浩文)は「すみません。以前、調べたときは大丈夫だったんです。ところが、その後、優先権出願が出されまして」と説明した。
財前道生(吉川晃司)が「なんだ、それは?」と尋ねると、富山敬治(新井浩文)は「一度、出願した特許に新しい技術方法を追加して、改めて出願し直すことです」と説明した。
財前道生(吉川晃司)は佃製作所の資料を見て、「なんなんだ、この佃製作所という会社は。資本金3000万、従業員はたったの200人だと。こんな吹けば飛ぶような中小企業が、このバルブシステムを、帝国重工宇宙開発事業部3000人の知恵と技術を結集した調圧バルブを開発していたというのか」と激怒したのであった。
「下町ロケットの第2話のあらすじとネタバレ」へ続く。