「とと姉ちゃん」の実話「オーシー歯磨き事件」
高畑充希が主演するNHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」で発生する「練り歯磨き事件」の実話とモデルを紹介します。
とと姉ちゃんの練り歯磨き事件は、創作のエピソードではなく、実話を元にした事件です。
まずは、朝ドラ「とと姉ちゃん」の練り歯磨き事件のあらすじを紹介してから、次ぎにモデルとなった実話の「オーシー歯磨き事件」を紹介します。
■朝ドラ「とと姉ちゃん」の練り歯磨き事件
母・小橋君子(木村多江)は歯槽膿漏で悩んでおり、小橋常子(高畑充希)は大勢の女性が歯槽膿漏に悩んでいる事を知る。
そのようななか、小橋常子(高畑充希)は、星野武蔵(坂口健太郎)の母親もかつては歯槽膿漏で悩んでいたが、医者から練り歯磨きの作り方を習って練り歯磨きを自作するようになり、症状が改善した事を知る。
そこで、小橋常子(高畑充希)は、練り歯磨きを作って売る事を思いつき、星野武蔵(坂口健太郎)から作り方を教わって、姉妹で協力して練り歯磨きを完成させた。
練り歯磨きの評判は上々だった。さらに、叔父・小橋鉄郎(向井理)のアイデアで、練り歯磨きの試供品を森田屋の弁当に付けると、練り歯磨きの評判はますます広まっていった。
一方、次女・小橋鞠子(相楽樹)が作家を目指して大学進学を希望していたが、学費の事を心配して言い出せずにいた。
それを知った小橋常子(高畑充希)は、次女・小橋鞠子(相楽樹)の進学費用を稼ぐため、練り歯磨きを成功させる事を決意する。
やがて、仲間に金を持ち逃げされて借金を背負った叔父・小橋鉄郎(向井理)が加わり、路上販売を開始。叔父・小橋鉄郎(向井理)の口上によって練り歯磨きは飛ぶように売れていった。
そこへ、借金取りが現れ、売り上げを全部取り上げられてしまうが、それでも、お金が足りなかった。
叔父・小橋鉄郎(向井理)は苦し紛れに「これから、練り歯磨きを大量生産して借金を返す」と釈明すると、借金取りは弱みにつけ込んで、1個30銭の練り歯磨きを10銭で買い上げると言いだした。
借金取りは練り歯磨きを安く買いたたき、自分たちで販売して儲けようという魂胆なのである。
小橋常子(高畑充希)は取り立て屋に凄まれて、渋々、大量の練り歯磨きを作る事を約束したものの、どうしたものかと悩んでいると、叔父・小橋鉄郎(向井理)まで姿を消してしまった。
このようななか、小橋常子(高畑充希)は星野武蔵(坂口健太郎)のアイデアで、使用する分だけをひねり出すチューブ式の練り歯磨きを考案した。
そこで、小橋常子(高畑充希)は借金取りには今まで通りの練り歯磨きを渡し、小橋常子(高畑充希)らは新しく考えたチューブ式の練り歯磨きを販売する事を思いついた。
約束の日、小橋常子(高畑充希)は新しく考えたチューブ式の練り歯磨きを裏庭に隠し、借金取りには今まで通りの練り歯磨きを渡そうとした。
しかし、借金取りに新しいチューブ式の練り歯磨きを見つけられてしまい、激怒した借金取りは小橋常子(高畑充希)を脅してチューブ式の練り歯磨きを奪おうとした。
そこへ、青柳商店の男を率いた青柳滝子(大地真央)が現れる。借金取りといえど、屈強な木場の男衆に囲まれては、なにもできず、恐れを成して逃げてしまった。
こうして、小橋常子(高畑充希)は難を逃れ、新しいチューブ式の練り歯磨を売って大儲けすることに夢を膨らませていたが、突然、チューブ式の練り歯磨きが膨らみはじめ、全部、破裂してしまった。
実はチューブに使っていたアルミは、アルカリ性に反応すると、気体を発生するため、チューブの中で気体が発生してチューブが膨らみ、全て破裂してしまったのである。
その場に居た全員が歯磨きまみれになってしまい、練り歯磨きを全て失ってしまったが、急におかしくなった小橋常子(高畑充希)は笑い出したので、みんなもつられて笑い出した。
練り歯磨き事業は失敗に終わったが、小橋常子(高畑充希)はみんなと協力しあえたことに満足していた。その後、タイピストの仕事に就職することになる。
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■実話「オーシー歯磨き事件」
大橋鎭子(大橋鎮子)の母・大橋久子(宮原久子)は歯が悪く、陸軍第一病院に通っていたが、担当の先生が軍医で満州へ行くことになったため、「自分で歯磨きを作りなさい」と言って、歯槽膿漏を治す練り歯磨きの作り方を書いてくれ、乳鉢と乳棒をくれた。
そこで、処方箋に書いてあるミントやグリセリンや薬用石けんを買ってきて、練り歯磨きを作り、使っていると、母・大橋久子(宮原久子)の歯槽膿漏が良くなっていった。
そこで、大橋鎭子(大橋鎮子)が第六高等女学校で歯磨きことを話すと、「私の母も歯槽膿漏だから歯磨きを使いたい」という同級生が現れた。
大橋鎭子(大橋鎮子)が練り歯磨きをあげると、歯槽膿漏が治ったと喜ばれ、同級生の母親から「この歯磨きを作って売ってはどうか?歯槽膿漏の方が喜ばれます」と助言を受けた。
同級生の親から出資の話も有ったようで、母・大橋久子(宮原久子)と大橋鎭子(大橋鎮子)(14歳)は、やってみようと思い、深川の資材置き場の権利を売ったり、母方の祖父・宮原満吉が家作(貸家)を売ったりしてお金(1千万円くらい)を作り、練り歯磨きを製造を開始する。
大橋鎭子(大橋鎮子)はこれで、お金の心配しなくてすみ、家族が幸せになれると思っていたが、翌朝、練り歯磨きを入れたチューブが破裂して練り歯磨きが飛び散っていた。
そこで、大橋鎭子(大橋鎮子)は瀬戸物なら大丈夫だろうと考え、瀬戸物屋に相談して、瀬戸物の容器を作り、練り歯磨きを完成させた。
こうして練り歯磨きが完成すると、大橋鎭子(大橋鎮子)は「おおはし」の「お」と「しずこ」の「し」を取って、「オーシー歯磨き(OC歯磨き)」と名付けた。
しかし、大橋鎭子(大橋鎮子)は販売することまでは深く考えていなかったうえ、出資してくれると言っていた同級生の家に問題が発生し、出資して貰えなくなった。
購入してくれた人は「作り続けなさい」と励ましてくれたが、ほとんど売れず、練り歯磨き事業は失敗に終わった。
■ドラマ「とと姉ちゃん」と実話の比較
上で紹介した通り、朝ドラ「とと姉ちゃん」の練り歯磨き事件は、大橋鎭子(大橋鎮子)の実話「オーシー歯磨き(OC歯磨き)事件」がモデルとなっています。
チューブが破裂してしまうのも、完全に実話ですが、借金取りやヤクザは登場しません。また、実話の方はチューブが破裂して終わりではなく、瀬戸物の容器に入れて練り歯磨きを完成させています。
しかし、資金を出してくれると言っていた友達の家に事情が出来てお金を出せなくなったため、歯磨き事業は失敗に終わました。
ただ、材料は腐る物ではないので、その後も何度かオーシー歯磨きを作り、応援してくれる人に販売しました。
なお、ドラマ「とと姉ちゃん」の実話や様々なエピソードについては、「とと姉ちゃん 大橋鎭子(大橋鎮子)と花森安治の生涯」をご覧ください。
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