藤堂比奈子の八幡屋礒五郎の七味の意味とネタバレ
内藤了の原作小説「ON(オン) 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」に登場する八幡屋礒五郎の七味の意味とネタバレです。
■八幡屋礒五郎の七味の意味とネタバレ
原作小説「ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」に登場する藤堂比奈子は、蓋の部分に「勧め、比奈ちゃん」と書いた八幡屋礒五郎の善光寺七味を持ち歩き、ココアにも七味を入れる。
この八幡屋礒五郎の善光寺七味は、死んだ母がくれた物で、藤堂比奈子はお守り代わりに七味缶を持ち歩いているのだが、七味を持ち歩くには心理学的な意味がある。
実は、藤堂比奈子にとって七味は、精神を安定させるキーアイテムであり、七味は心理学でいう「ライナスの毛布(安心毛布)」なのである。
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■ライナスの毛布(安心毛布)
スヌーピーに登場するライナスは、毛布を肌身離さずにもっちあるいており、毛布を手放すと不安に陥り、パニックを起こす。
つまり、ライナスにとって毛布は精神を安定させるキーアイテムであり、所持することで精神を安定させるキーアイテムを「ライナスの毛布(安心毛布)」と言う。
そして、キーアイテム(ライナスの毛布)を所持しないとパニックを起こす人を「ブランケット症候群」と言う。
■ストッパーとトリガー
さて、七味缶は、藤堂比奈子のライナスの毛布という役割だけで無く、原作小説「ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」で重要な意味を持つ。
交通課の仁美を殺害した犯人・小林翔(大友翔/同一人物)は、「裸電球・香水・たばこ」が引き金となり、殺人を犯しており、交通課の仁美を殺害した引き金も裸電球・香水・たばこだった。
つまり、藤堂比奈の七味缶が不安を抑制するストッパーなのに対し、小林翔(大友翔)の裸電球・香水・たばこは犯罪を引き起こす、トリガー(引き金)として描かれているのである。
「ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」へ続く。