スペック第8話の感想-一十一が公安零課を襲撃

ケイゾク2のドラマ「SPEC(スペック) 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿」の第8話(辛の回)「魑魅魍魎」の感想です。第8話のあらすじは「スペック第8話あらすじ」をご覧下さい。

スペック第8話はつまらなかった。小説は出だし3行が重要なように、ドラマで最初の3分が大事である。スペック第8話のオープニングは、小太りの小学生がバットを振り回すという物足りないシーンだったので、全くストーリに引き込まれなかった。

病を治す人間「ヒーラー」を探している瀬文焚流(加瀬亮)は、スペックの持ち主から公安零課の津田助広(椎名桔平)を差し出せという条件を出される。

公安零課は国会議事堂の中にあり、厳重な警備に手も足もでない瀬文焚流に、一十一(にのまえじゅういち=神木隆之介)が手助けにやってきた。一十一が時間を止めると、2人は簡単に公安零課の本部まで侵入してしまった。

公安零課は、大日本帝国時代のスパイ養成学校「陸軍中野学校」(東部第33舞台)を発端とする秘密警察で、特殊能力を持つ人間に関する特殊任務を担当している。

中野学校は敗戦後、表向きには閉鎖されたが、秘密警察として活動を続け、中野学校を卒業した藤田最古と中野学校校長の山本拓海枝一派に分裂している。

公安零課は藤田最古派なので、一十一系スペック集団が山本拓海枝一派ではないだろうか。陸軍中野学校から発生した2つの組織が、スペックの持ち主をを奪い合う構図のような気がする。

特殊能力者に関する特殊任務に就いている公安零課が、簡単に本部まで一十一らに侵入され、津田助広(椎名桔平)が連れ去れるのは不自然過ぎる。セキュリティーも甘過ぎる。

おそらく、公安零課はわざと一十一を侵入させ、計略をしかけたのだと思う。いわゆる「埋伏の毒」である。連れ去られた津田助広は、一十一らのスペック集団の本部を探るためのダミーに違いない。

第7話で冷泉俊明(田中哲司)を奪還したサトリ(真野恵里菜)の運転手に撃たれた津田助広は、車内にGPS付き携帯電話を残してた。当麻紗綾(戸田恵梨香)はこのGPSを手がかりにサトリの居場所を突き止めている。おそらく、このエピソードが伏線になっている。

公安零課はスペックの持ち主を殺していた。占い師の冷泉俊明(田中哲司)や病を処方する医師・海野亮太(安田顕)も公安零課が殺したようである。

津田助広(椎名桔平)は「生きろ」と言っていたのに、冷泉俊明を殺した理由が良く分からない。この辺りは明確な理由を描かなければストリーが陳腐化する。

公安零課と一十一系スペック集団の2つの組織が存在することは確定したが、第三勢力が存在するのかは不明である。瀬文焚流(加瀬亮)に向けて発砲した志村優作(伊藤毅)を操っていたのが公安零課でなければ、第三勢力が存在する事になるだろう。

一十一系スペック集団がサブコードを敷き、公安零課がサブコード対策をしていることは確定している。サトリ(真野恵里菜)が言っていたサブアトラスは未だ不明だ。残り2話で話は収束するのだろうか。

さて、当麻紗綾は「お母さんが人質に取られているの?」と言っていたし、一十一は「君が僕の家族を皆殺しにしたんじゃないか。爆弾魔のくせに説教なんて」と言っていた。

何か意味があるのかもしれないが、スペックは意味の分らないギャグが多いので、何かのネタかパロティーかもしれない。考えるほど無駄である。

あらたに、記憶を書き換える(消す)スペックの持ち主が現れた。記憶を書き換えるスペックの持ち主は、一十一の母・一二三(にのまえ・ふみ=篠原恵美)の頭を触り、記憶を書き換えた。

その様子は、第7話で地居聖(城田優)が志村美鈴(福田沙紀)の頭を触った時を思い出させた。おそらく、記憶を消すスペックの持ち主は地居聖だろう。ただ、一十一の話し方は、明らかに目下に対する物言いだったのが気になる。

一方、当麻紗綾(戸田恵梨香)は引っ越してもぬけの殻取った一十一宅で、ハブラシを見つけた。瀬文焚流と一十一とが協力したので、志村美鈴(福田沙紀)がハブラシからイメージを読み取り、人間関係をクロスさせるのだろう。

瀬文焚流(加瀬亮)が探していた病を治療するスペックの持ち主(ヒーラー)の正体は、エグザイル(NAOTO)だった。瀬文焚流の肩を治した女性は、ただのメッセンジャードールだった。

瀬文焚流の肩を治した女性をメッセンジャードールにしたことは、スペックをつまらなくする要因である。メッセンジャードールという「飛び道具」を使うことで、ヒーラーが誰かを推理したことが全て無駄にした。

つまり、左利きだから良いスペックの持ち主だとか、右利きだから悪いスペックの持ち主だとか、黒幕が誰だとか、考えること自体が全て無駄ということになる。

そもそも、超能力の持ち主が登場した時点で推理するだけ無駄なことは分っていたが、改めて無駄なことが思い知らされた。

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