砂の塔-知りすぎた隣人-最終回の感想
菅野美穂が主演するTBSのドラマ「砂の塔-知りすぎた隣人」の最終回の感想文です。
最終回のあらすじとネタバレは「砂の塔-知りすぎた隣人-最終回のあらすじと結末ネタバレ」をご覧ください。
■砂の塔-知りすぎた隣人-最終回と結末の感想
脚本がドラマ「黒の女教師」「アリスの棘」を手がけた脚本家・池田奈津子だったので、ある程度覚悟はしながら観ていたが、ドラマ「砂の塔-知りすぎた隣人」はやはり、イマイチな最終回だった。打ち切りになったような最終回だった。
第5話くらいまでは面白かったのだが、後半は設定が変わったり、登場人物のキャラクター変更などもあったため、グダグダなストリー展開で、登場人物に感情移入ができなかった。
タワーマンションのヒエラルキーやハーメルン事件など、盛り上がるテーマがあっただけに、後半は残念なドラマだった。
スポンサードリンク
■ハーメルン事件の犯人は生方航平(岩田剛典)
子供達を誘拐していたハーメルン事件の犯人は、体操教室のコーチ生方航平(岩田剛典)と母・宮瀬礼子だった。
1人目の子供は、認知症になった母・宮瀬礼子が病院の帰りに連れてきた。2人目以降は生方航平(岩田剛典)が誘拐していた。それがハーメルン事件の真相だった。
私は生方航平(岩田剛典)だと、あまりにも、そのまま過ぎるので、生方航平(岩田剛典)をミスリードと予想したのだが、何のひねりも無く、生方航平(岩田剛典)がハーメルン事件の犯人だった。
生方航平(岩田剛典)を犯人するのなら、犯人の動機や心理描写についてはシッカリと描いて欲し、もっと伏線を張って欲しかった。その点は残念だった。
■黄色いカーネーションを置いた謎
ハーメルン事件の犯人は、子供を誘拐すると「黄色いカーネーション」を置いていたので、1人目の子供を誘拐した母・宮瀬礼子も黄色いカーネーションを置いていたことになるはずだ。
しかし、最終回で、その辺の説明が無かった。
また、生方航平(岩田剛典)が黄色いカーネーションを置いた理由も、ハッキリとしない。
刑事・津久井琢己(上杉柊平)が「どうして黄色いカーネーションを置いたんだ。ダメな母親を断罪するためか?」と尋ねると、生方航平(岩田剛典)は「断罪なんて偉そうな理由じゃ無いです」と答えた。
その直後に、高野亜紀(菅野美穂)が「じゃーなんで、次々に子供達を誘拐なんかしたの?」と質問を変えてしまったため、結局、生方航平(岩田剛典)が黄色いカーネーションを置いた理由を語らなかったのだ。
黄色いカーネーションは、ハーメルン事件のキーアイテムなのだから、犯人・生方航平(岩田剛典)に黄色いカーネーションを置いた理由を告白させるべきだと思った。
スポンサードリンク
■全体的に消化不良のドラマ
生方航平(岩田剛典)は、母子家庭なのだが、母・宮瀬礼子は、生方航平(岩田剛典)に離婚した夫の姓を名乗らせていた。かなり設定に無理がある。
また、「寒がり」とか「毛布の話し」とか、後から取って付けたような設定が多すぎた。
それに、ハーメルン事件の犯人には「ママ友の情報に精通している」「子供の秘密の友達」などの設定があったのに、ハーメルンの口笛だけで犯人にアッサリと到達するのは、どうかと思った。
色々な部分で、もっと丁寧に伏線を張って、丁寧に伏線を回収して欲しかった。
細かな点をあげると切りが無く、最終回を観ても疑問点がスッキリと解決せず、全体的に消化不良だった。
■砂の塔と大岡裁き
江戸時代の名奉行として知られる大岡越前のエピソードに、子供を奪い合う母親の裁判の話しがある。
2人の女性が子供の母親を主張して、訴えを起こし、大岡越前が裁きを下したという話しである。
大岡越前は、訴えを起こした2人の女性に「2人で子供の手を引っ張り合い。最後まで話さなかった方が勝ち」と言い、女性2人に子供の手で引っ張り合いをさせた。
子供は左右の手を引っ張られるので、「痛い」と言って泣くと、一方の女性は子供が痛がっているので手を放した。もう一方の女性は手を放さず、「勝った。これで、この子は私の物よ」と喜んだ。
しかし、大岡越前は「子供の痛がっているを観て手を放した女性こそ本当の親である」と言い、手を放した女性を母親と認めた。
高野亜紀(菅野美穂)と佐々木弓子(松嶋菜々子)が高野和樹(佐野勇斗)を取り合う様子は、まさに「大岡裁き」そのものだと思った。
スポンサードリンク
■ハーメルン事件の本質は素晴らしい
ドラマ「砂の塔-知りすぎた隣人」はイマイチなドラマだと思うが、毒親に子供の大切さを知らしめるハーメルン事件の本質は素晴らしいと思う。
私には想像も出来ないが、我が子を虐待して死なせてしまう母親が実在する。車の中に子供を残したまま玉遊戯に熱中し、我が子を熱中症で死なせてしまう母親が居る。信じられないが実話である。
子供は死んでしまえば、二度と戻ってこない。子供を無くしてから泣いても遅いのである。失ってから、大切さに気付いても遅い。
だから、毒親は、ドラマ「砂の塔-知りすぎた隣人」のハーメルン事件を観て、我が子を死なせる前に自らの過ちを反省するべきだと思う。
スポンサードリンク