刑事ゆがみ-原作の犯人ネタバレ感想文

神木隆之介が出演するフジテレビのドラマ「刑事ゆがみ」の原作の犯人ネタバレ感想文です。

原作のあらすじとネタバレは「刑事ゆがみ-原作のあらすじと犯人ネタバレ」をご覧ください。

■第1巻「透明人間」の感想

原作漫画「刑事ゆがみ」の第1巻は、「透明人間」の異名を取った伝説の泥棒・猿渡がマンションから転落して死亡するという話だった。

猿渡は少額しか盗まないので、住人も被害に気付かず、30年間で7200万円を盗んだという泥棒の名人なのだが、運が悪いことに、泥棒を引退して就職した会社に泥棒が入ったため、刑事・弓神適当に逮捕され、懲役5年の実刑判決を受けた。

出所後、猿渡は、刑事・弓神適当に二度と泥棒をしないことを誓い、気質になったのだが、上手くいかず、ホームレスになっていた。

そのようななか、猿渡は、振り込め詐欺(オレオレ詐欺)グループの受け子(お金の運び役)のバイトに誘われたことが切っ掛けで、振り込め詐欺グループからお金を盗もうと考え、禁じた「泥棒」を再開した。

そして、高層マンションのベランダから振り込め詐欺グループの店長(リーダー)の部屋に侵入しようとしたところ、室内に居た店長(リーダー)に見つかり、逃げようとしたが、店長(リーダー)に傘で突かれてベランダから転落して死んだ。

警察は、猿渡が泥棒に入ろうとして転落死した事故として処理しようとしたが、刑事・弓神適当は猿渡が「二度と泥棒はしない」と誓っていたことから、転落死を疑問に思って独自に捜査を開始し、店長(リーダー)が傘で猿渡を突き落としたことを突き止めるのであった。

さて、漫画「刑事ゆがみ」の第1巻は「働く悪人」という話で、泥棒・猿渡の話である。

猿渡は「透明人間」と言われた伝説の泥棒で、少ししか盗まないため、盗まれた方は被害に気付かず、猿渡は30年間で7200万円を盗んでいた。

総額7200万円を盗んだというと凄いと思うが、30年間で7200万円なら、1年あたり240万円である。

いくら泥棒の才能があったとしても、年収240万円なら、普通に働いた方がマシのように思う。

それに、30年間も捕まらなかった泥棒が、振り込め詐欺(オレオレ詐欺)グループの店長(リーダー)の部屋に侵入しようとして、店長(リーダー)に見つかってしまう点が腑に落ちなかった。

それで、よくもまあ、30年間も誰にも見つからずに泥棒を続けて来れたものだと思う。

さて、漫画「刑事ゆがみ」は、刑事・弓神適当らがマンション1室に踏み込んだら女性がチョメチョメをしていたという下ネタあり、女上司の菅能理香も謎のエロ要員だった。

だから、漫画「刑事ゆがみ」は、私が期待していた様な刑事漫画ではなかったので、イマイチだった。

ところで、ストライプのスーツの人は、体を斜めにすると、ストライプの線は体の傾きに合わせて斜めになるはずなのだが、漫画「刑事ゆがみ」では、体が斜めになっても、ストライプの線が斜めにならず、縦線のままだった。

このへんは、斬新な手抜きだったので、面白かった。

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■第2巻「殺人鬼の呪文」の犯人ネタバレと感想

漫画「刑事ゆがみ」の第2巻「殺人鬼の呪文」は、顔にカタツムリのマークが描かれた女性・音島桜の遺体が見つかるという事件だった。

この事件の犯人は、市議会議員に立候補していた宇津巻精司と同級生・菰野安久治だった。宇津巻精司が殺人を依頼した黒幕で、同級生・菰野安久治が音島桜を殺害した実行犯だった。

さて、漫画「刑事ゆがみ」の第2巻「殺人鬼の呪文」には、「ロイコクロリディウム」という寄生虫が登場した。

ロイコクロリディウムは、カタツムリに寄生する寄生虫で、カタツムリに寄生して、鳥に見つかりやすくなるように動き、カタツムリごと、鳥に食べられ、最終的には鳥に寄生するのである。

これを読んで、私はTBSのドラマ「MOZU」を思い出した。

ドラマ「MOZU」は、モズという鳥が餌を木の枝に刺す「モズのはやにえ(速贄)」という習性がテーマとなっていた。

善や悪というのは、単なる社会的な通念でしか無く、自分の欲動や衝動にかられたとき、その行動を自分の中で「正義」と正当化できれば、人は抵抗なく、犯罪に走ることができるのかもしれないと思った。

だから、第2巻「殺人鬼の呪文」もドラマ「MOZU」も犯人の根底に流れる欲動や衝動は、本質的に同じなのではないかと思った。

なお、「殺人鬼の呪文」には、17年前に起きた「連続殺人小説家事件」が登場し、犯人と思われていた小説家・横島不二実が逮捕直前に焼身自殺したことから、真犯人が居るのではないかと噂された。

この真犯人は「ロイコ」と呼ばれているのだが、真犯人ロイコは実在したのか、実在しなかったのか、よく分からない終わり方をしているので、私はこの結末が消化不良だった。

17年前に起きた「連続殺人小説家事件(ロイコ事件)」の方も事件を解決して、ちゃんと完結して欲しかった。

■第2巻「ロボットは見た」の感想

「ロボットは見た」という話は、77歳の老人・万田敏治が、交際中の女性・釜木里香(30歳)で腹上死するという話だった。

万田敏治は心臓が悪かったことから、釜木里香は全財産を相続する目的で、万田敏治と肉体関係に及び、腹上死させたのではないか、という疑惑がかかるのである。

しかも、万田敏治がロボットに「釜木里香を調べろ」というダイイングメッセージを残していたことから、釜木里香は絶体絶命のピンチに陥った。

しかし、万田敏治はダイイングメッセージの後に、「チャンスがあればやりたい」と自分の意思で肉体関係を持つという証言を残しており、ダイイングメッセージは犯人を示すものではなく、釜木里香を守るためのものだったのである。

さて、「ロボットは見た」はショートストーリーなのだが、漫画「刑事ゆがみ」の中では一番、面白かった。

ただ、せっかくのロボットが登場しているのに、万田敏治のダイニングメッセーをロボットに吹き込んだだけで、録音テープに過ぎない点は残念だった。

せっかくロボットが登場しているのだから、AI(人工知能)を活かして、もう少し話を膨らませれば良かった思う。

実際に、2015年にアメリカで実際に起きた殺人事件で、AI(人工知能)が事件の犯人を知っているのではないかと注目されている。

殺人現場にAmazonが販売しているAI「アレクサ」を搭載したスピーカーがあり、AI「アレクサ」が犯人に関する情報を記録しているのではないかというのである。

警察はAmazonにAI「アレクサ」のデータ提出を求めたが、Amazonは個人情報の保護を理由にデータ提出を拒否した。

しかし、殺人事件の容疑者もAI「アレクサ」のユーザーで、無罪を主張する容疑者が情報開示に同意して、Amazonにデータ提出を求めたことから、Amazonが警察にデータを提出した。

2017年8月の時点で、ここまでしか進んでいないので、この先は不明だが、これから、この先、AI(人工知能)が普及していけば、AI(人工知能)が殺人事件の目撃者となる事件は増えていくはずだ。

そして、近い将来、AI(人工知能)を搭載したロボットが、証人として裁判所で証言するような日が来るのかも知れない。その時は、裁判官もAI(人工知能)になっているのかもしれないけど…。

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