陸王-シルクレイと飯山晴之の実話のモデルのネタバレ

池井戸潤の小説「陸王」に登場する新素材「シルクレイ」と飯山晴之の実話のモデルのネタバレです。

なお、「陸王」のあらすじとネタバレは「陸王-原作のあらすじとネタバレ」をご覧ください。

■陸王-シルクレイと飯山晴之のあらすじとネタバレ

飯山晴之は工業高校を卒業後、繊維メーカーに就職し、役10年務めていたが、父親のインテリア会社を継ぐために退職した。

しかし、飯山晴之は、インテリア会社だけでは満足できず、インテリア会社をやりながら、繊維メーカー時代に思いついたアイデアをも元に、繭の特殊加工技術を考案し、その開発に取り組んだ。

ところが、開発に本業の資金を注ぎ込んだため、インテリア会社の資金繰りが悪化して倒産してしまう。

飯山晴之は、繭の特殊加工技術として「シルクール(シルクレイ)」の特許を取得していたが、債権者から価値無しと判断され、差し押さえられることなく、放置されていた。

元銀行員の坂本は、この死蔵特許「シルクレイ」がマラソン足袋「陸王」のソールに最適な素材ではないかと考え、「陸王」のソール開発に取り組んでいた宮沢紘一に飯山晴之のことを教えた。

飯山晴之が特許使用料として5000万円を要求したため、宮沢紘一との交渉は決裂してしまうが、宮沢紘一から会社を見に来て欲しいと頼まれて、宮沢紘一の「こはぜ屋」を見学に行く。

飯山晴之は「こはぜ屋」を見学して物作りの姿勢に刺激されたのか、特許の使用では無く、自分を「陸王」の開発チームに加えることを条件に出し、「陸王」のソール開発に参加する。

その後、飯山晴之は、宮沢紘一の長男・宮沢大地とともに悪戦苦闘して、「シルクレイ」を使った新ソールの開発に成功し、新しいソールを採用した新型「陸王」の生産を開始した。

しかし、シルクレイを製造する機械は、飯山晴之がシルクレイの試作品を作る為に作った機械であり、量産は考慮されておらず、量産という酷使に耐えきれずに火を噴いて壊れてしまう。

再びシルクレイを作るには、数千万円の設備がひつようになるため、「こはぜ屋」はマラソン足袋「陸王」の継続か撤退の選択を迫られる。

そのようななか、飯山晴之は、シルクレイに目を付けたアメリカのアパレル大手「フェリックス」の社長・御園丈治から特許の売却を求められたが、特許を売却すれば「こはぜ屋」が困ると言い、断った。

すると、「フェリックス」の社長・御園丈治は、「こはぜ屋」の買収に動いた。

支援がなければ、「陸王」事業を続けられない「こはぜ屋」の社長・宮沢紘一は、御園丈治の買収案を受け入れようと考えたが、飯山晴之から「そんな簡単に100年の暖簾を売るのか」と言われて思い直し、御園丈治に融資を依頼する。

御園丈治は「買収の方が早い」と言って相手にしなかったが、御園丈治から条件付きの融資を持ちかけられ、それを受け入れた「こはぜ屋」は、設備を整えて、再び「陸王」の生産を再開するのだった。

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■陸王-シルクレイと飯山晴之の実在のモデル

「こはぜ屋」の実在のモデルは、埼玉県行田市にある足袋製造業「きねや足袋」です。

「きねや足袋」は、マラソン足袋「きねや無敵(MUTEKI)」を作っているのですが、「きねや無敵(MUTEKI)」は足袋の裏にゴムを縫い付けただけで、「こはぜ屋」のようにソールの開発は行っていません。

実話でマラソン足袋をランニングシューズに発展させたのは、「播磨屋足袋店(ハリマヤ)」です。

そういう経緯を含めて、シルクレイと飯山晴之のモデルになりそうな人を調べてみたのですが、該当しそうな人物は発見できませんでした。おそらく、シルクレイと飯山晴之は原作小説「陸王」の創作だと思います。

なお、原作小説「陸王」に登場する実在のモデル一覧は「陸王の登場人物の実在のモデル一覧のネタバレ」をご覧ください。

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