いだてん-金栗実次(中村獅童)のモデルと実話のネタバレ
NHKの大河ドラマ「いだてん」に登場する金栗実次(中村獅童)の実在のモデルと実話の紹介です。
■金栗実次(中村獅童)の実在のモデル
NHK大河ドラマ「いだてん」に登場する金栗実次(中村獅童)は実在の人物で、実在のモデルと同姓同名です。
実話の金栗実次は、金栗家の長男で、非常に弟・金栗四三のことを大切にしており、父・金栗信彦は金栗四三が高等小学校を出たら農業をさせようと思っていたが、金栗実次は金栗四三に才能を感じていたので、必死に父・金栗信彦を説得し、金栗四三を玉名中学に進学させた。
しかし、父・金栗信彦は金栗四三が玉名中学に進学する直前に胃癌で死に、以降は金栗実次が金栗家の家長として、金栗四三を玉名中学に通わせた。
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■進学で対立
金栗四三の学費は、全て兄の金栗実次が出してくれていたので、金栗四三は学費が無料の東亜同文書院(中国大陸にある大学)と東京高等師範学校の受験を希望し、金栗実次から受験の許しを得た。
金栗四三の本命は東亜同文書院で、東京高等師範学校は腕試しのつもりで受験したため、全く受験勉強をしていなかったのだが、東京高等師範学校に合格する。
金栗四三が目指していたのは東亜同文書院だったので、東京高等師範学校には行かないつもりだと言ったが、金栗実次は「東亜同文書院の受験に失敗したら、百姓でもするつもりか」と言って反対し、合格している東京高等師範学校に進学することを勧めた。
金栗四三はあくまでも東亜同文書院に行きたかったが、金栗実次の反対を押し切ってまで東亜同文書院に行く気にはなれず、東京高等師範学校へと進学した。
■オリンピック出場を応援
金栗四三は東京高等師範学校の在学中に、日本のオリンピック初参加となるストックホルムオリンピックの予選に出場し、マラソンで優勝して日本代表に選ばれた。
しかし、金栗四三はオリンピックの出場について苦悩する。
当時は、学生の本分は学業であり、スポーツは遊びという扱いになっており、スポーツのために学校を休学するというのは非常に不謹慎な話だった。
このため、文部省の反対に遭い、補助金が出ず、オリンピックの出場する費用1800円(現在の価値で約480万円)は全て自己負担になっていた。
金栗実次も、学生の本分は学業だとして、金栗四三がマラソンに入れ込んでいることを快く思っておらず、学業に専念するように注意していた。
このため、金栗四三は実家に相談しても断られるだろうと思ったが、相談しなければ、費用が準備できないので、手紙を送ると、金栗実次は日本代表になったことを喜び、「金のことは決して心配するな。たとえ田畑を売っても、そのための金なら惜しくはない」と応援した。
その後、東京高等師範学校の関係者が募金を行い、1500円集まったので、金栗実次は残りの300円を負担した。
しかし、金栗四三は明治45年(1912年)のストックホルムオリンピックのマラソンで、26㎞付近で熱中症で倒れて棄権するという結果に終わり、金栗実次は非常に悔しがった。
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■金栗四三の結婚を決める
熊本県玉名郡の資産家・池部家に嫁いだ叔母・池部幾江は、夫に先立たれ、子供も居なかったので、大正2年(1913年)に金栗四三を養子に欲しいと言ってきた。
金栗実次は断ったのだが、叔母・池部幾江は池部家の跡継ぎが居ないため、どうしても金栗四三を養子に欲しいと言うので、金栗四三に養子の話を教えると、金栗四三は東京に居られるのなら養子になっても構わないと言い、最終的な判断を金栗実次に委ねた。
このため、金栗四三が良いならということで、金栗四三が池部幾江の養子になることが決まった。
すると、池部幾江は、金栗四三が結婚してくれれば、池部家は安泰だと言い、医者の娘・春野スヤを結婚相手に推した。
春野スヤは金栗四三のマラソンへの情熱を十分に理解しており、金栗実次はすっかりと春野スヤを気に入ってしまい、金栗実次の鶴の一声で、金栗四三に結婚を前提とした見合いを命じ、金栗四三は一度も会った事の無い春野スヤと見合いをして結婚した。
■金栗四三の徴兵逃れ
金栗四三は、ストックホルムでの雪辱を晴らすため、次のオリンピックに向けてマラソンを頑張っていたが、徴兵検査があるため、大正5年に故郷の熊本県へ戻り、徴兵検査を受けた。
金栗四三はオリンピック選手であり、健康そのものだったが、なぜか第一乙種となって徴兵を免れた。
実は、金栗実次は徴兵されてはマラソンができないと考え、「金栗四三はマラソンを通じて国威発揚をしている。オリンピックで勝てば大きな効果がある」と言い、陸軍関係者に根回しして、金栗四三が徴兵を逃れるように工作していたのだ。
こうして、金栗実次は、弟・金栗四三の理解者として金栗四三を支援してきたが、昭和5年の夏に急性肺炎で死去した。
なお、NHK大河ドラマ「いだてん」のキャストとモデル一覧は、「大河ドラマ『いだてん(韋駄天)』のキャストとモデル」をご覧ください。
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