いだてん-池部幾江(大竹しのぶ)のモデルと実話のネタバレ

NHKの大河ドラマ「いだてん(韋駄天)」に登場する池部幾江(大竹しのぶ)のモデルと実話のネタバレです。

■池部幾江(大竹しのぶ)のモデルと実話

NHKの大河ドラマ「いだてん(韋駄天)」に登場する池部幾江(大竹しのぶ)は、同姓同名のモデルが実在します。

実在のモデルとなる池部幾江は、金栗四三の叔母にあたる人物で、熊本県玉名郡小田村の資産家・池部家に嫁いだ。この池部家は大地主で、働かなくても生活が出来る程の資産家だった。

しかし、池部幾江は夫に先立たれ、子供も居なかったことから、大正2年(1913年)に親戚の金栗家に四男の金栗四三を養子に欲しいと頼んだ。

このとき、金栗四三は東京高等師範学校の学生で東京に居たのだが、日本初のオリンピック選手として、明治45年(1912年)のストックホルム・オリンピックのマラソンに出場し、地元では英雄となっていた。

金栗四三の親代わりになっていた長兄・金栗実次は、養子に出すことを断ったのだが、池部幾江は跡取りが居ないので、どうしても金栗四三を養子に欲しいと言うので、長兄・金栗実次は東京に居る金栗四三に伝えた。

すると、金栗四三は、次のベルリン・オリンピックに向けてトレーニングを開始していたので、「東京に居られるのであれば」という条件で養子になることを承諾し、最終判断は長兄・金栗実次に委ねた。

こうして、金栗四三が池部家の養子になって池部家を継ぐことが決まると、池部幾江は金栗四三が結婚してくれれば、池部家も安泰だと言い、長兄・金栗実次に金栗四三の結婚をゴリ押しした。

そこで、池部幾江が結婚相手に選んだのが、医者の娘・春野スヤである。

春野スヤは、金栗四三のマラソンにかける情熱を十分に理解しており、長兄・金栗実次が春野スヤのことを気に入り、長兄・金栗実次の鶴の一声で、金栗四三と春野スヤの結婚が決まった。

こうして、金栗四三は、大正3年3月に高等師範学校を卒業すると、同年4月に結婚の為に帰郷し、1度も会った事も無い春野スヤと見合いして、翌日に結婚。そして、結婚式から5日後にはベルリンオリンピックに向けてトレーニングをするため、新妻・春野スヤを残して、1人で東京へと戻った。

金栗四三が正式に池部家の養子になるのはもう少し後のことだが、池部幾江は金栗四三の良き支援者となり、毎月40円から50円の仕送りを続けたので、金栗四三は働かずにマラソンを続ける事が出来た。

さて、金栗四三は12年間にわたり日本マラソン界の頂点に君臨し続け、3度のオリンピックに出場したが、メダルを取ることはできず、大正13年のパリ・オリンピックを最後に現役を引退して、第一線を退いた。

その後、金栗四三は東京に残って教師として女子体育の普及に励んでいたが、体育嫌いの校長と対立。女学生がストライキを起こすなどして世間を騒がせたが、校長の排除に失敗したため、金栗四三は東京を去ることを決意し、昭和6年に熊本県の池部家に戻った。

すると、各地から金栗四三に校長就任の依頼が来たが、池部幾江はようやく戻ってきた跡取り息子を手放すはずが無く、金栗四三に仕事などせずにマラソンをするように言った。

金栗四三は、今まで自由にさせて貰っていたので、恩返しのため、校長の話は全て断り、熊本県でマラソンの普及や地元の農業発展に力を入れた。

しかし、昭和11年11月に東京オリンピックの開催が決定すると、同年12月に恩師・嘉納治五郎が金栗四三に上京を要請した。

金栗四三に2度と上京の野心を起こさないと誓っていたが、池部幾江は「私も寂しいけれど国家のためだと思ってがまんします」と言い、上京を促した。

さらに、妻の春野スヤも「私には子どもたちの学校のこともあります。すぐに上京というわけにもいきませんから、とにかくあなただけはさきに上京なさって下さい。子どもたちのことは何もご心配なさらない」と言い、上京を勧めた。

そこで、金栗四三は上京してオリンピック選手の育成に励むが、日本は日中戦争の影響から、昭和13年に東京オリンピックを返上してしまう。

金栗四三の上京は東京オリンピックまでという約束だったので、金栗四三は返ろうと思ったのだが、子供達が既に東京の学校に通っていたので、熊本の池部幾江に相談すると、池部幾江はそのまま東京に居ることを許した。

そこで、金栗四三は家族とともに東京に残ったのだが、戦況の悪化から、昭和20年3月に熊本県の池部家に戻った。

その後も池部幾江は金栗四三がマラソンからの道を外れようとすると、叱り飛ばすなどして、金栗四三の良き理解者・良き支援者であり続けた。

なお、その他の登場人物のモデルや実話は、「大河ドラマ『いだてん(韋駄天)』のキャストとモデル」をご覧ください。

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