モリのアサガオ-第9話の感想-渡瀬満の秘密

ドラマ「モリのアサガオ」の第9話「最終章へ!魂の叫び兄妹の秘密」の感想です。あらすじは「モリのアサガオ-第9話のあらすじ」をご覧ください。

及川直樹(伊藤淳史)は死刑囚の渡瀬満(ARATA)に再審請求を勧めた。死刑囚の笹野武(平田満)が再審請求を出した時は、上を下への大騒ぎで止めようとしたにもかかわらず、及川直樹が渡瀬満に再審請求を勧めている。非常に理不尽である。

笹野武(平田満)のエピソードは必要ないと言うよりも、やってはいけないエピソードだったと思う。

それに、刑務官は死刑囚が心穏やかな気持ちで死刑を迎えられるようにするのが仕事なはずだが、及川直樹は渡瀬満の心を乱し過ぎている。

渡瀬満(ARATA)が舌をかみ切って自殺を図る理由も分らない。「死刑が怖いから自殺する」という構図は理解ができない。そういう構図にするのであれば、死刑と自殺との違いを明確に説明しておくべきだと思う。

また、渡瀬満が自殺すれば「妹を助けたければ死刑になれ」という約束に違反するのではないか。渡瀬満が自殺すれば、妹・吉岡小春(谷村美月)が田尻達男に襲われるのではないか。そうすれば、渡瀬満が死刑を選んだ意味がなくなるのではないか。

反対に、渡瀬満が自殺しても田尻達男が納得するのであれば、田尻達男の「お前は死刑になれ」という台詞は不自然だ。普通は「今ここで死ね」という風な台詞になるのではないか。

死刑を要求した田尻達男は、死刑執行をどうやって確認するつもりだったのだろうか。死刑執行は被害者ですら知らせないはずだ。あるテレビ番組に出演していた被害者、報道機関からの知らせて死刑執行を知ったと言っていた。田尻達男は死刑執行を確認する手段を持っていたのだろうか。

一方で、望月加奈(木南晴夏)が及川直樹(伊藤淳史)に、深堀圭造(柄本明)のTシャツ代を請求した(Tシャツ代の代わりにグチを聞いてもらう約束をする)シーンは面白かった。Tシャツ代を忘れていないのは望月加奈、本物の公務員のようであった。

寒空の下で待っていた望月加奈が翌日、及川直樹に「こんな美人を待たせたのは及川さんが初めてですよ」と笑顔で言ったシーンは心が和んだ。

全体としては、囚人1人1人の描写が不足しているから、「負の連鎖を止める」というテーマも取って付けたような感じになっている。話は膨らんでいないので、最終回は、及川直樹と渡瀬満との関係(友情)をどこまで深く掘り下げられるかに注目したい。

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