この世界の片隅に-原作の最終回と結末ネタバレ
ドラマや映画の原作となる、こうの史代の漫画「この世界の片隅に」のあらすじとネタバレです。
このページは「この世界の片隅に-原作のあらすじとネタバレ」からの続きです。
このページには原作漫画の最終回と結末が含まれています。原作の最終回や結末を知りたくない人は閲覧にご注意ください。
■この世界の片隅に-中巻のあらすじとネタバレ
ある日、浦野スズが海岸で海の絵を描いていると、憲兵に声を掛けられた。絵を見た憲兵は、絵に軍船が描かれていたことから、浦野スズにスパイの容疑をかけ、北條家を訪れて家族に尋問した。
夫・北條周作の両親は憲兵に平謝りしたが、憲兵が帰ると、浦野スズがスパイのはずが無いと言って爆笑した。憲兵に怒られている間も笑いをこらえるのに必死だったのだという。
さて、砂糖の配給が止まり、砂糖がますます貴重になっていた。
そのようななか、砂糖壺にアリの列が出来ているのを見つけた浦野スズは、水坪の中に砂糖壺を浮かべておけば、砂糖をアリから守れると考えたが、砂糖壺が水の上でバランスを崩し、水坪の中に沈んでしまう。
貴重な砂糖を全てダメにしてしまった浦野スズは、義母に謝罪すると、義母のヘソクリで砂糖をかうことになり、闇市へ砂糖を買いに行くと、砂糖は公定価格の60倍もした。
浦野スズは砂糖の値段に驚いたが、これからもっと値上がりするというので、仕方なく購入するのだった。
さて、初めて闇市に来た浦野スズは、方向音痴だったので帰り方が分からずに困っていると、自分とは正反対の性格で、美しく輝いている遊女・白木リンと出会った。そして、白木リンに帰り道を教えてもらい、無事に帰ることが出来た。
ある日、浦野スズは夫・北條周作に頼まれて、手帳を職場へ届けると、夫・北條周作から映画を観て雑炊を食べて帰ろうと誘われた。
実は、夫・北條周作は手帳が必要なわけでは無く、浦野スズを家事から解放するために、手帳を職場まで届けて欲しいと頼んだのだ。
2人は映画へ見るために街を訪れたが、街には海軍の兵士が居たので、夫・北條周作は上陸して街を楽しむ海軍の兵士に譲ることにして、久しぶりのデートを中止した。
さて、浦野スズは体調不良を、産婆に相談すると、産婦人科を受診するように勧められたが、妊娠では無かった。
浦野スズは、跡取りを産まないと、実家へ返されると悩んでいたが、遊女・白木リンから「何かが足らんくらいで、この世の中から居場所はそうそう無うなりゃせんよ」と言われた。
浦野スズは、遊女・白木リンの言葉で気持ちを取り直したが、遊女・白木リンが持っていた手帳の切れ端を見て、夫・北條周作と遊女・白木リンに関係を持っているのではないかと疑うようになるのだった。
そのようななか、海軍に入っていた小学校の同級生・水原哲が船から上陸して、浦野スズに会いに来た。
同級生・水原哲が泊めて欲しいというので、浦野スズは、夫・北條周作に頼んで、同級生・水原哲を泊めることにしたが、夫・北條周作は同級生・水原哲が浦野スズのことを好きだと気づいた。
そこで、夫・北條周作は、同級生・水原哲を自宅ではなく、納屋の2階で寝かせることにして、浦野スズに「もう会えなくなるかもしれない。ゆっくり話してこい」と言い、同級生・水原哲にアンカ(暖房器具)を持って行くように命じた。
そして、浦野スズがアンカを持って家を出て納屋へ行くと、夫・北條周作は玄関に鍵をして、浦野スズを閉め出した。
こうして、浦野スズは、納屋の2階で、同級生・水原哲と語り合い、一夜を過ごし、翌朝、同級生・水原哲を見送るのだった。
その後、出征していた浦野スズの兄(鬼いちゃん)も戦死したという知らせが届いたが、開けてはいけないと言われた骨壺に入っていたのは、ただの石だったため、浦野家は兄の死を受け入れることが出来なかった。
昭和20年(1945年)4月、浦野スズは、夫・北條周作と花見に行き、1人で居るときに遊女・白木リンと再会し、一緒に桜の木に登った。
そこで、浦野スズは、白木リンから遊女テルが肺炎で死んだことを教えられ、テルが使っていた紅を貰うのだった。
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■この世界の片隅に-下巻のあらすじとネタバレ
戦争末期の昭和20年5月、日本本土も空襲をうけるようになった。夫・北條周作も海兵団に入って訓練を受けることになり、3ヶ月間、家を空けることになった。
留守を任された浦野スズは、遊女・白木リンから貰った紅をさして、夫・北條周作を見送るのだった。
そのようななか、義姉・径子が娘・晴美を連れて久夫家へ行くため、切符を買いに行くが、長蛇の列を成していた。
そこで、義姉・径子は列に並んでいる間に、浦野スズに娘・晴美を連れて父親の見舞いに行くように頼んだ。
浦野スズは、晴美を連れて義父の見舞いに行った後、空襲に遭うが、近くの防空壕へと逃げ込んで難を逃れることができた。
しかし、防空壕を出て義姉・径子と合流するために駅へ向かう途中で、空襲でばらまかれた時限爆弾が爆発し、義姉・径子の娘・晴美が死に、浦野スズも右腕を失ってしまう。
浦野スズは命は助かったが、義姉・径子から「人殺し」と責められ、左手で繋いでいれば、走っていればと、自責と苦悩の日々を過ごすのだった。
やがて、空襲が激しくなり、夫・北條周作は訓練が中止になって帰宅するが、右手を失った浦野スズは、夫・北條周作と会話することなく、すれ違いの生活をしていた。
自暴自棄になっていた浦野スズは、空襲の標的になって死のうとしたが、夫・北條周作に助けられ、史にそびれてしまう。浦野スズは、死ねなかったことや、夫・北條周作を離せないことに苦悩した。
浦野スズは、妹スミの勧めもあって、広島の実家に帰ることにしたが、義姉・径子から「人殺し」と言ったことを謝罪され、優しい言葉を掛けられ、「スズさんが嫌んならんかぎり、スズさんの居場所はここじゃ」と言われた。
それを聞いた浦野スズは、義姉・径子に「やっぱり、ここへ居らしてもうていいですか」と頼んだのだった。
そのとき、轟音がしたので、家の外に出てみると、広島の方に大きな雲が立ち上がっていた。広島に新型爆弾が落とされたという噂だったが、電話も通じず、手紙も来ず、浦野スズの家族の安否は分からなかった。
そのようななか、ラジオから玉音放送が流れ、敗戦を知る。敗戦の直後に台風が上陸して被害を受けて、弱り目に祟り目だったが、浦野スズらは笑って暮らしていた。
また、手紙が台風の影響で濡れており、内容は分からなかったが、妹スミが生きていることは分かった。遊女・白木リンが居た双葉館も空襲で燃えていた。
昭和21年1月、浦野スズは妹スミに会いに行くが、妹スミは被爆した影響で床に伏せており、母の行方が分からず、父も終戦直後の10月に倒れて死んだことを知るのだった。
その後、浦野スズは広島駅で夫・北條周作と合流する。広島駅前では、知り合いや家族を探す人たちで、あふれかえっており、手当たり次第に「○○さんじゃありませんか?」と声をかけていた。
しかし、夫・北條周作は大勢の中でも間違えること無く、浦野スズに声を掛け、「わしは、スズさんが直ぐに分かる。ここにホクロがあるけん、直ぐわかる」と言い、顔のあるホクロを触った。
すると、浦野スズは「この世界の片隅に、私を見つけてくれて、ありがとう」と礼を言った。
そこで、再就職の目処の付いた夫・北條周作は、行方不明になっている浦野スズの母親のこともあるので、独立して広島に住むことを提案するが、浦野スズは「広島も心配じゃけど、呉は私の選んだ場所ですけえ」と答えた。
浦野スズと夫・北條周作が、広島駅前のベンチに座っておにぎりを食べていると、おにぎりが1つ落ちた。戦争孤児の少女がそれを拾って、浦野スズに渡すと、浦野スズはおにぎりを戦争孤児の少女にあげた。
少女の母親は右手を失っていたので、右手の無い浦野スズを母親だと思い、浦野スズから離れなかったので、子供の居ない浦野スズは戦争孤児の少女を呉の自宅に連れて帰ったのだった。
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