ギルティ-最終回の感想とネタバレ-黒幕は小山内琴美

ドラマ「ギルティ 悪魔と契約した女」の最終回(第11話)「永遠に愛してる…」の視聴率と感想です。最終話のあらすじは「ギルティ-最終回のあらすじ」をご覧ください。

あなたの命で償いなさい。この物語は復讐の序曲で始まった。指揮者は野上芽衣子(菅野美穂)33歳。15年前に起きた「北区毒入りチョコレートケーキ事件」で、無実の罪を着せられて、服役していた女である。

野上芽衣子は、冤罪に荷担した者に次々と自殺に見せかけて殺し、復讐を果たしていた。真実に口を閉ざした者は万死に値する。命をもって償う義務があるのだ。

15年前に起きた北区毒入りチョコレートケーキ事件とは、野上芽衣子の姉の夫とその息子がチョコレートケーキを食べて死亡した事件である。

1995年10月31日、当時18歳だった野上芽衣子は、洋菓子店「パティースリー立花」で購入したチョコレートケーキを自宅へ持ち帰った。
姉の川崎小夜子(紺野まひる)はチョコレートを禁止していたが、姉の息子・川崎翔(加部亜門)がチョコレートを欲しがるため、野上芽衣子はチョコレートケーキを購入する約束をしていたのだった。川崎翔の笑顔が観たかったという、ほんの小さな喜びのために。

帰宅した野上芽衣子は姉の息子・川崎翔にチョコレートケーキを渡し、着替えるために2階へ上がった。野上芽衣子が1階へ降りてくると、川崎翔と姉の夫・川崎順(塚原大助)の2人はチョコレートケーキを食べて死んでいた。

野上芽衣子の自宅トイレから検出した微量の青酸カリが、チョコレートケーキに混入されていた青酸カリと一致したことから、警視庁は同事件の容疑者として野上芽衣子を逮捕した。

そして、野上芽衣子は服役することになり、全てを悲観した姉の川崎小夜子(紺野まひる)は事件後に自殺した。

この北区毒入りチョコレートケーキ事件は、ペットサロン「モンアンジュ」のオーナー小山内琴美(横山めぐみ)の1言から始まったていた。彼女こそが復讐の序曲の作曲者だったのである。

小山内琴美の母親は民自党の次期総裁候補・三沢議員(津嘉山正種)の婚約者だった。三沢議員は、小山内琴美の母親が妊娠していることを知りながら母親を捨て、権力を得るために他の女性と結婚していた。小山内琴美は三沢議員の娘だったのである。

小山内琴美は三沢議員に復讐するため、桜葉館学園高校の生徒だった息子の三沢隼(柏原収史)に近づき、けしかけた。三沢隼は桜葉館学園高校の生徒・金谷文則(山崎裕太)らに殺人を命じ、北区毒入りチョコレートケーキ事件が発生した。

実行犯は桜葉館学園高校の生徒・金谷文則と菅沼俊也(波岡一喜)の2人だった。三沢隼から依頼を受けた宇喜田元(吉田鋼太郎)は、三沢議員の金や権力を使って事件を捏造していった。

事件で使用された青酸カリは桜葉館学園高校の理科室から盗まれた物で、当時の理事長・北村良和(浜田晃)は不祥事を隠すため、宇喜田元の依頼に応じて偽証した。

三輪周平(モロ師岡)は事件の鑑識責任者だった。三輪周平は鑑識報告書が改ざんされていることを知っていたが、宇喜田元に脅されてサインしていた。

堂島基一(唐沢寿明)は宇喜田元からの情報を元に少女A(菅野美穂)を犯人とする記事を書いていた。堂島基一は復讐相手の情報を野上芽衣子に提供していた人物でもあり、事件の真相を明かす記事「悪魔と契約した女」を執筆した人物でもある。

復讐の序曲が終わると、指揮者は命を持って幕を閉じた。そして、演奏に魅了された演奏者の1人がその後を追った。

さて、ドラマ「ギルティ 悪魔と契約した女」は第11話で最終回を迎えた。最終回の視聴率は12.0%で、平均視聴率は11.1%だった。視聴率はイマイチだが、ギルティは面白かった。

私は最終回の結末を、真島拓朗(玉木宏)も死んだと解釈した。野上芽衣子は高台で毒を飲んで死んだ。キーホルダーに隠していた青酸カリを飲んで死んだようである。

真島拓朗は死んだ野上芽衣子にキスしたのだから、真島拓朗も後を追って死んだと解釈するべきだろう。

最後まですれ違いで、ドロッとした結末だが、真島拓朗らしさが表現できている最後だったと思う。野上芽衣子が逝く顔も良かった。何かから開放されたようであった。

ただ、最後は小山内琴美(横山めぐみ)と榎本万里(吉瀬美智子)の2人が仲良くニヤッとするシーンで終わって欲しかった。

そうすれば、小山内琴美は三沢代議士の遺産を全て相続し、榎本万里は堂島基一(唐沢寿明)の原稿を自分の名前で発表して、2人が大儲けするという絵が想像できる。

さて、ドラマ「ギルティ」は面白かったが、ドラマをつまらなくした大きな要因が2つある。1つ目は、視点が多かった点である。

ギルティは菅野美穂と玉木宏とのW主演で、双方の視点から事件を描くいている場面があるが、吉瀬美智子は玉木宏とは別行動するので、そこに吉瀬美智子の視点まで入る部分がある。

視点が多いと、誰が何を知っていて、誰が何を知らないのかが、混乱してくる。観ていて何度か「あれ?玉木宏はもう知ってることじゃ無いの?」と思ったシーンが何カ所かあった。

2つ目は、野上芽依子の姉家族が殺された理由が無差別殺人だったことである。

ドラマなのに殺害した理由がないのでは、ドラマにならない。野上芽依子が復讐に走る根幹となる事件なのだから、相応の動機がなければならない。

ただ、動機が無かったおかげで、最終回はネタ切れだろうと予測できた。あまり期待しなければ、三沢隼(柏原収史)が落とし穴(排水溝)に落ちても笑って楽しめるものである。

伏線が回収できていない部分もあるが、ドラマ「ギルティ」は出演者の演技が良さでカバー出来てきた。得に菅野美穂の怖さが良かった。

復讐をしているときの菅野美穂は本当に怖かった。この怖さは演技だけで出せるものではない。実際に5~6人は殺っているのではないだろうかと思うほどだ。出来れば夏に観たかった。

野上芽衣子は意志を貫いて命を持って償ったし、続編の無い完結した終わり方は高く評価できる。次に始まるドラマも楽しみである。

コメントを投稿する

コメントは正常に投稿されていますが、反映に時間がかかります。