メゾン・ド・ポリスの感想文

高畑充希が主演するTBSのドラマ「メゾン・ド・ポリス」の原作のネタバレ感想文です。

■メゾン・ド・ポリスの感想文

加藤実秋の小説「メゾン・ド・ポリス」がドラマ化されるので読んだ。小説「メゾン・ド・ポリス」は、捜査に参加させて貰えない新米刑事・牧野ヒヨリが警察を退職した元警察官が住むシェアハウス「メゾン・ド・ポリス」住む老人4人と1匹の犬と出会い、夏目惣一郎らの協力を得て事件を解決していくというストーリーだ。

「メゾン・ド・ポリス」に住んでいるのは、高平厚彦・藤堂雅人・迫田保・伊達有嗣・夏目惣一郎の4人とバロンという1匹の犬だ。

高平厚彦は、定年まで中野東署の総務部に勤めており、現在は「メゾン・ド・ポリス」で管理人兼事務長をしている。

藤堂雅人は、科警研(科学警察研究所)に居たインテリだが、女性関係に難があり、3度の結婚を離婚を繰り返した末に独り身となり、「メゾン・ド・ポリス」で暮らしている。

迫田保は、柳町北署の刑事だった人で、定年と同時に妻から離婚届を突き付けられて熟年離婚し、「メゾン・ド・ポリス」へやってきた。

伊達有嗣は、元・警視庁のお偉いさんで、妻が死んだ後、自宅を「メゾン・ド・ポリス」として提供した。かなりの資産家で、あちらこちらにビルやマンションを所有しているという。

夏目惣一郎は、元・警視庁捜査一課の刑事で、数々の有名な事件を解決した優秀な刑事だったが、2年前の事件を切っ掛けに辞職して「メゾン・ド・ポリス」で雑用係をしている。

バロンは、鋭い嗅覚で数々の事件を解決に導いた元・警察犬である。

さて、牧野ヒヨリは10年前に父親が失踪していたが、父親を探すために刑事になったわけではないようだ。父親が失踪したことで、母親が苦労しており、牧野ヒヨリは父親を恨んでいたようだ。

しかし、牧野ヒヨリは父親から謎の地図が送られてきたことで、父親が失踪してた理由を捜査することになる。

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■メゾン・ド・ポリスの感想

新米刑事・牧野ヒヨリが警察を退職した老人とともに事件を解決していくという設定は良いと思うし、老人たちの特技を生かした方法で事件を解決していくのも良かったと思う。

しかし、全体的にバランスが悪いと感じた。小説の設定がライトノベル風のなのだから、もっとライトノベル風の作風にした方が良かったのではないかと思う。

それに、予想していた所に謎が無く、ことごとく肩すかしを食らったうえ、全て私の予想を下回る結果だったので、残念だった。

たとえば、夏目惣一はアイロンをかけながら、事件のことを考えて、犯人を推理していくのだが、夏目惣一がアイロンをかけるようになった切っ掛けについては「覚えていない」とということだった。

事件を1つ減らしても、夏目惣一がアイロンをかけるようになった切っ掛けのエピソードは入れておくべきだったと思う。

また、2巻の最終回の白鳳電機の事件で、黒幕が明らかにならなかった点も残念だった。

白鳳電機は警察庁の天下り先で、白鳳電機について調べ始めると、牧野ヒヨリや記者・館林は警視庁の刑事・間宮から圧力を受けた。間宮は単なる刑事で、警察の上層部に黒幕がいるのだが、黒幕の存在は明らかにならなかった。

「メゾン・ド・ポリス」のオーナー伊達有嗣は、元・警視庁のお偉いさんで、警察にも影響力がある。

だから、私は、伊達有嗣が、牧野ヒヨリや夏目惣一を監視している黒幕なのかと思いながら読んでいたが、伊達有嗣は黒幕ではなかった。

黒幕は警察幹部というだけで特定されておらず、圧力を掛けていた刑事・間宮が左遷されただけに終わった。私は黒幕を予想しながら読んでいただけに、物足りない結末だった。

また、起きる事件も交換殺人など現代風にアレンジはされていたが、目新しいものはなかったので、新鮮味が無かった。

父親が送ってきた地図についても、もっと謎が秘められているのかと思っていたら、群馬県の工場が出来る前の地図というだけだった。

ところで、「メゾン・ド・ポリス」の結末は、白鳳電機が12年前に水質汚染のデータを改ざんして、群馬県の工場を建設していたというものだ。

水質汚染と言えば、私はジュリアン・ロバーツの主演する映画「エリン・ブロコビッチ」を観たことがる。

映画「エリン・ブロコビッチ」は、主人公のエリン・ブロコビッチ(ジュリアン・ロバーツ)が大企業の水質汚染を追求して、和解金を勝ち取るというストーリーで、実話がベースになっている。

映画「エリン・ブロコビッチ」が面白かったので、「メゾン・ド・ポリス」でも退職警官が大企業に立ち向かっていく姿が描かれるのかと思って読んでいたが、告発記事だけでアッサリと決着がついてしまった。

私には少し物足りないというか不完全燃焼という感じの小説だったが、有川浩の小説「三匹のおっさん」を連想するような設定なので、有川浩の小説「三匹のおっさん」を好きな人が読むと面白いのかもしれない。

ところで、「メゾン・ド・ポリス」に「交換殺人」が出てきたので、以前に面白い交換殺人の短編小説を読んだことを思い出した。

もう1度読みたくなったのだが、誰の小説だったか覚えていない。だぶん、佐野洋の小説だったと思うのだが。

なお、「メゾン・ド・ポリス」の原作のあらすじとネタバレは「メゾン・ド・ポリス-原作のあらすじと犯人ネタバレ」をご覧ください。

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