天使の報酬のネタバレと感想

映画・ドラマ「外交官・黒田康作」の原作となる真保裕一の小説「天使の報酬」の犯人や黒幕のネタバレと感想とです。このページには真犯人や黒幕のネタバレが含まれているので、閲覧にはご注意ください。


ドラマ「外交官・黒田康作」の原作や主題歌は、「天使の報酬と主題歌」をご覧ください。原作の犯人ネタバレについては、「天使の報酬の犯人と黒幕のネタバレ」をご覧ください。
ページをめくる手が止まらない。パタンと本を閉じたとき、机の上で湯気を立てていたエスプレッソはすっかりと冷め切っていた。エスプレッソを手にすると、かすかな甘みが鼻腔をくすぐり、ほんのりとした苦みが口の中に広る。
私の頭の中には、霜村徹や吉村進や斎藤修助が現れては消えていく。犯人は誰なのか。私は再び本を手に取り、黒田康作と共に真犯人へと迫っていった。
除夜の鐘が鳴り始めたころ、この小説は私に驚愕の事実を突きつけた。まさか犯人がロリコンとは…。私の頭の中では、ただ除夜の鐘が鳴り響いていた。
この物語はアメリカ・サンフランシスコで1人暮らしする女子大学生・霜村瑠衣(しもむら・るい)が失踪することで始まる壮大なストリーである。
邦人(同胞)のために働く邦人保護担当領事の黒田康作(くろだ・こうさく)と、警視庁公安部外事3課に所属する大垣利香子警部補の2人が協力して真犯人に迫っていく。
黒田康作は外交官なので捜査権は無く、外事課への支援という立場で動いている。しかし、黒田康作の元に外事課から情報は降りてこない。
上層部同士の手柄争いや責任のなすりつけ合い、縦割り社会を上手く描いており、登場しない上層部がありありと描かれている。
原作小説「天使の報酬」は、官僚小説が好きな人が読むと面白いと思うだろう。推理小説として読むと、小難しい感じがする。
さて、小説「天使の報酬」は映画・ドラマ「外交官・黒田康作」のために書き下ろした作品らしい。私が小説「天使の報酬」を読んだ理由は、ドラマ「外交官・黒田康作」の原作だからである。
小説「天使の報酬」の文章は難しい。何度か辞書を引いたし、何度も読み直さなければ理解できない部分も多かった。
真保裕一の小説を読むのは「天使の報酬」が初めてだから、真偽は分らないが、外交官を題材にしているので、難しい文にしたのかと感じた。難しいので私には荷が重い本だった。
特に終盤を理解するのは難しかった。天使の報酬の黒幕は外務省領事局邦人安全課の斎藤修助課長なのだが、事件が複雑なので、全容を理解するために、何度も読み直さなければならなかった。
しかし、ストリーは面白かった。黒田康作が日本に帰国してから終盤まではグイグイと引きつけられた。最近は1巻で出せるにもかかわらず、上下巻に別けて出版する小説も多いが、小説「天使の報酬」は1巻で出している点も高く評価したい。
さて、ここからはネタバレである。7年前にボリビアで起きたひき逃げ事件で死んだはずの霜村毅(しもむら・つよし)は生きており、マニラで自殺したはずの矢田部一郎(やだべ・いちろう)も生きていた。「原作小説-天使の報酬の真犯人のネタバレ」へ続く。

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